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ダイバーシティ?

アラフィフ崖っぷちサラリーマンです。2021年2月上旬、森喜朗さんが炎上しています。「女性がたくさん入っている理事会の会議は時間がかかる」。発言の真意が不明ですが、例によって新聞記事では女性蔑視に加えて、ダイバーシティへの理解不足が問題、組織の長としてふさわしくない、このような人が長の組織はだめだ、と連想ゲームが進んでいってます。失言は良くないと思いますが、失言以外にも燃え広がっているような気がします。欧米系も加勢しているようですね。まるで森さんが人類共通の敵のようです。

さて、この記事を見て思ったのが「ダイバーシティという言葉」です。女性活用を政府も進めていますが、某会社の話ですが、ダイバーシティ推進の一環で、女性の管理職人材を増やすため数値目標を設定しています。この点が不可解でなりません。今の時代は女性の管理職が多いと「良い会社」だからとか、それだけで進められている人事制度に非常に違和感を感じるのです。

ダイバーシティって「何のため?」が見えてこないのです。更に、これは「ひがみ」であり「やっかみ」なのですが、今まで組織や職場は大体男性が中心でしたが、これを進めてきたのは一つ上の世代であったのに、なぜ私が中心になる年齢になろうとしたときに女性登用や、若手の抜擢が始まるのでしょうか?もっと前から進めていれば良いのにって思ってます。これを今進めている主な理由は、かなり端折りますが、「日本は少子高齢化だから」ですよね。これから人口が急激に減るから、それでは労働力が減るから女性も活躍して日本の経済力・国力を維持しないといけないということなのだと思うのですが、ただ違和感があるのは、なんで数値目標を設定してるの?性別に限らず優秀な方はいます。優秀な男性よりも数合わせで女性を登用しちゃうの?数値目標って、それこそ女性蔑視で失礼な話ではないかと思いますが。推測ですが、その風潮を批判すると「女性蔑視」「ダイバーシティに理解がない」「差別だ」とか「マイノリティを尊重しろ」など、森さんにかけられている言葉がこちらに向いてきそうで怖いです。

イノリティでもマジョリティでも、尊重・尊敬は必要だし、マイノリティででマジョリティでも批判すべきは批判すべきですしね。ただ、批判するときは性別や人種で一括りにしない方が良いのだと思います。優遇する場合も、冷遇する場合も。ですので、年齢で区分するのもいけないのだと思います。ところで、最近、いくつかの上場企業で「45歳以上は早期退職の対象」ってありましたね。終身雇用は既に崩壊しているとはいえ、これって完全におかしいのではないかと思うのですが、私だけ?欧米だと法律違反かもしれませんが、日本では問題ないのですかね。こういうところは欧米系は黙ってるのですね。利害が絡まないからかな。

「女性蔑視だ」と批判する方に言いたいのは「性別と年齢で差別するな」にすり替えて、声高に叫んで欲しいと思っています。そして、特定の年齢層を退職対象にしないように。完全に他力本願です。なぜなら、アラフィフおやじが年齢差別撤廃を叫ぶと、「女性の社会進出を阻む」「おやじは後進に道を譲れ」という批判が出るのだと思います。私にも子供がいてまだ手がかかるし、妻はパートなので、私がきちんとお金を稼がないといけないのですが。マジョリティの中にいるのに、その恩恵にあずかることができないって、非常に残念でなりません。

話は変わりますが、以前、ミシガン州で仕事をしていた時に知ったのですが、マイノリティ優遇税制なるものがあるそうです。アフリカンアメリカンなどのマイノリティが一定数以上いる会社は優遇税制が適用されていると聞きました。一方で、マレーシアではブミプトラ政策という経済政策があり、その一つにマレー人を優遇する政策として、企業は一定数以上のマレー系住民を雇用しなければ例えば国家事業などの入札参加資格を与えない、などというものがありました。マレーシアでマレー系はマジョリティですが、経済界においては華僑がマジョリティですので、あからさまにマレー系を優遇する施策を実施しています。

要は、ダイバーシティ推進とは、ある程度社会のバランスをとるために(票を取る目的もあると思いますが)、色々な政策を駆使しているってことなんだと思います。どちから一方だけが得をしないように調整している施策があるんですよ、っていうのはいろいろな国や地域で実施されているのだと思います。日本に女性蔑視、女性の社会寝室が遅れているという批判があつまるのは、そういう施策が無い、または見えないからなのではないかと思います。

利益を追求するという視点で、企業でダイバーシティを推進する意義を考えたときに、まずは「社会・投資家へのアピール」があると思いますが、それ以外だと、実は、「変化に強い組織」に役立つのではないかと思っています。異論はあると思いますが、色々なバックグラウンドや経験、特技を持った人間で構成した組織の方が、均質性の組織よりも、不確実性の高い時代には適応しやすいのではないかと勝手に思っています。ただし、多様性を活かすには、頭の柔らかい優れたリーダーの存在が前提になるのではないかなと思っています。ダイバーシティを図るうえで重要なことは、性別や年齢、出身などではなく、技能・スキルや経験で多様化を図るのが適切だと思っています。