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すくわれたい

詩だよ
面白くはないよ
恥ずかしいからあんま見ないでね















巣食われた心

誓わせてほしい。
きっと、何があっても穏やかに愛していきます。
何も言わないでいいの。
何も見えなくてもいいの。
阿呆だね、なんて、幸せだからいい。

ここにはゆりかごみたいな時間だけ、そう思っている。


すぐ割れた心

やられた。
まさか、あると信じてたものがなかったとか、そんなこと。

食い散らかされて吐き捨てられた私の些細な好意が死んだ魚のような目で私を見ていたり、鬼の居ぬ間に洗濯ならぬ逃避の選択が鎌鼬のように身を切り刻んだり、する。

死んだみたいに息ができない。
虫食いになった全身から思い出が涙に変わっていく。
緩やかに嫌われていくのに気づかなかった。
阿呆だね、なんて、思ってないくせに憐れみは沁みるばかり。

割れ目に金継ぎ、粉々でもまだ諦めたくないと思っている。思っていた。


救われた心

灰色の視界の隅で、見失っていたものを見つけた
それは嵐に荒らされた部屋の中で慄然と立ち尽くすスタンドライトのようで
それは大雨の道路脇に芽吹いている野花のようで
それは一度背景の一部に溶け込んだものに再びピントが合うようで
阿呆だね、ずっとここにあったのにね、見てたのにね、阿呆だね
阿呆だね、そんなの違うのにね、分かってた、思い込んでいた。

青空。まだ見えます。

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