市販の中学受験算数問題集・参考書は選びにくい!

市販の中学受験の算数問題集・参考書は、なかなかこれがよい!というのがはっきりしないジャンルだなと、本屋の該当する棚を見ていてつくづく思います。(速単とかマドンナ古文、のような、通称で通じてしまうような有名なものが特にないです)。

1.市販のものは玉石混交

初めに書いたように、中学受験の参考書・問題集の良書、しかも我が子に合ったものとなると、見つけるのはなかなか難しいのが現状です。「おっこれはちょっといいかも」と思えるようなものも出版されてはいるのですが、これを普通の親が見つけるのは至難の業です。本屋で中学受験の参考書売り場の棚を見ていると、弱点補強につながる参考書が見つけたいんだろうなあ、というお方が来て、あれでもない、これでもない、と探しているのをよく見かけます。場合によっては子どもも連れてきて、「よさそうなのを選んで!」と子どもに本選びを丸投げしてしまっているときもありました…。

大学受験向けだと、いわゆる「定番」というものがありますよね。

・数学なら・・・「チャート式」
・英単語なら・・・「ターゲット」「速読英単語」
・「~の実況中継」シリーズ などなど

中学受験の問題集にも、どの本屋に行っても置いてある問題集、シリーズもの、というのも、あることはあるのですが、だからといって誰にでも役に立つ、というわけではないところが難しいところです。

2.なぜ万人受けする「定番」が存在しないのか

少し考えてみました。中学受験、特に最難関中受験となると、各塾で教わる内容とテキストがそれなりによくまとまっているということなのだろうと思います。そこに市販の問題集を追加してみても、解き方は塾のやり方と違う、チョイスしている問題も難しかったり簡単すぎたりで安定しない、ということになり、ニーズがうまくとらえきれないのかな、と思います。

大学受験においては、追加で問題集や参考書を買って、その本に書いてあるやり方であらためて考え直してみる、というのも有効だと私自身実感しています。もう高校生ですから、自分自身で学習内容を十分に咀嚼する能力もあるので(小学生はこれが十分ではないので、塾で習う解き方がまず第一、ということになる)、それによってより知識や解法の幅を広げることが可能だと思います。

個人的な思い出話になりますが、実況中継シリーズには本当にお世話になりました。

国語は本当に苦手でした。出口先生の実況中継本(上記の改訂版よりだいぶ前ですが)に出会って、センターの論説文はなんと満点(50点)取れました。

地理はもともと好きな科目だったのですが、いま刊行されている瀬川先生ではなく、権田先生の実況中継でお世話になりました。この参考書だけでというわけではありませんが、センター地理も9割得点できました。

おそらくそういう「定番」が中学受験でも存在して、それを探しに親だけ、もしくは親子連れだけで本屋に来るんだろうなと思います。ただ残念ながら、そういう良書を見つけることができず、肩を落として売り場を去っていくお方の背中、ずいぶんと見てきました…。

初めに書いたように、中学受験においては塾のテキストが十分まとまったものであるため、市販の問題集はそれを「補完」する、という立ち位置になると思います。ただ、何を、どのくらいの量、どのくらいの難度のものを、補完すべきなのか、これは子どもの習熟度によって全く異なります。そのあたりがわかるように、これから時間をかけてまとめていきたいと思います。

3.本屋の中学受験参考書売り場の定番の構成

①問題集系(解説よりも問題が中心)
②参考書系(問題よりも解説が中心)
③分野別に分けたシリーズもの(数論、文章題、図形、等)
④難度別に分けたシリーズもの(偏差値で3段階に分ける等)
⑤学年別に分けたシリーズもの(トップクラス問題集、等)
⑥東京出版の刊行物(中学への算数、プラスワン問題集等)
⑦過去問系(声の教育社、東京学参、英俊社、等)
⑧読み物系(中学受験の親はこうすべし、逆転合格術!のようなもの)

大きくはざっとこれくらいでしょうか。今後触れていきたいと考えているのは、①~⑤です。⑦は過去問の取り組み方や目的なども含め、またあらためて書いていきたいと思います。

⑧も本当にいろいろありますね。親の立場から書いたもの、私のように塾業界を経験した人間が書いたものなど。前者は我が子のケースでしかあてはまらないことが多いというのが難点ですが、我が子にしてあげたことをより細かく記してくれているという点では、有用性が高く非常に参考になります。後者は様々な子どものケースを見てきて、その共通項を拾い上げてくれている意味では、誰が読んでも有用性が高い確率が高いですが、半面、ではどうすべきか、という方法論になると自塾の宣伝になったり、やたらと極論になってしまったりして、誰もが実行するには少しハードルが高い、という印象もあります。

「受験生の親」がどう振る舞うべきか、についてのハウツー本、ノウハウを求めたいという親の気持ちもわかります。が、⑧のような本にもやはり玉石混交いろいろあって、あくまで読み物程度と思って、書いてある通りにやれば我が子も変わる、とは思わず、あくまで現実の我が子と向き合うことかなあと思います。

「我が子とどう向き合うのか」というのも大切なテーマですね。これもまたあらためて書いてみたいと思います。お読みいただきましてありがとうございました。何かご質問がございましたらコメントでお知らせください。

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