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『女王ヴィクトリア』第6話

S1E6「女王の秘策」/ The Queen's Husband

ここではTVドラマ『女王ヴィクトリア』のあらすじを追っています
そして世界史の流れを意識しながら
ヴィクトリア朝について語っています
  *ネタバレ注意*
主に人物関係・政治関係メモ中心です
*****

1819年 5月24日 女王ヴィクトリア誕生
1830年 伯父にあたるジョージ4世逝去を受けての
    もう一人の伯父にあたるウィリアム4世即位
これでイギリスの次期王位継承者であると決定になります
(1830年~1850年代末   チャーティスト運動)
1833年 奴隷制度廃止法成立

1837年 さらにウィリアム4世逝去を受けての即位
    ▽この年からドラマはスタートしています
そして
1838年      戴冠式
         イギリスシムラ宣言で
             アフガニスタンに対し宣戦を布告
1839年      寝室女官事件

1840年 2月10日 結婚式
         新婚旅行
    ▼この後から◆第6話◆では扱っている流れです
    ▲何か月だろうかという程の期間ですね
*****

冒頭のシーンは
新婚旅行も終えた
女王ヴィクトリアとアルバート公の幸せな朝の時間から始まります

原題の The Queen's Husband すなわち女王の夫
この立場におさまらず アルバート公自身が
努力してイギリスでの居場所を手に入れていく回になっています

現代でも 配偶者があまりにも社会的地位が高かったり
独身時代のキャリアがまだそれほど確立していない状態で結婚したり
という場合もありうると思われます

いつもいつも配偶者は関係ない! というわけでもないので
普段は夫婦のお互いの力ということもあるでしょう

しかしやっぱりいざという時は
自分の確実な実力の範囲で 周囲が認めてくれているからこそ
窮地でも切り抜けられたり
底力が安定しているので 慌てず1人でいる時も対処できたり
周りも心底味方になってくれたり
という良い流れを確信しながら過ごすことができるのでは と思います

                 ***

ここで悲報をお知らせします
今回ついにホイッグ党メルバーン子爵出演シーンなしです!

代わりにアルバート公の魅力がたっぷりで
応援したくなる場面がてんこ盛りです
もう女王ヴィクトリアの気持ちがアルバート公に集中してしまっている
という視点の描写にも思えます

                 ***

さて新婚夫妻の懸念事項がいくつかありましたが

まず宮廷内の序列問題です
また叔父様登場です
(ええいまた叔父様だよっ
 とその度にひとさまのお宅の家系図を引っ張り出して
 間違いがないかビクビクしてこれを書くワタシです)

あまりに叔父様が多いので
第5話でも登場してるのにここで触れる事さえできませんでしたが
結婚式の入場時の付添人もしてくれた
サセックス公爵の話がやっとできます

第1話から睨みをきかせている
女王ヴィクトリアのこれも叔父様
カンバーランド公エルンスト・アウグストはハノーファ国王ですが
この叔父様のすぐ下の弟にあたるのが
このサセックス叔父様です

ところが王室結婚令の了解のない結婚相手がいたので
カップル揃って宮中には入れなかったのです

それでこのサセックス叔父様は宮中では一人です
王家の子息であるという権限で
晩餐会の折は
姪のイギリス王家の血筋を引く女王ヴィクトリアの
エスコート役を譲らないのです

これでは自分の妻をエスコートできなくなるアルバート公は
自分が甥にも義理の息子にもあたるし
未亡人の女王ヴィクトリアの母ケント公妃をエスコートしています
確かにこれ非常にバランスの良い組み合わせですね

しかしどうしても夫妻で晩餐会に臨みたい新婚の二人です

イギリスは既に議会政治の国なので
君主にはどの程度の権限があるのだろうと見ていたのですが
ここで女王は自分の権限をうまく行使して叔父様の妻に爵位を与えるのです

「女公爵として宮中へ」と叔父様感に堪えない様子
これで夫妻で宮中に一緒に入れるのです

こうして二組の夫妻が幸せそうに晩餐会に臨むのでした

                 ***

1837年に女王ヴィクトリアは即位していますが それ以前に
イギリスでは反奴隷制協会が
1833年に奴隷制度廃止法成立に貢献しました

さてこの協会が会議を行う際の開会の言葉の依頼をしてきました

例えばアメリカでは南北戦争(1861 - 1865)はまだまだ先の事ですし
奴隷が依然として存在していたのです

君主は中立の立場を公には示さなければなりませんが
アルバート公なら可能なスピーチなので
アルバート公はこの仕事に取り組むことにしました

                  *

メルバーン首相が選んでくれた秘書は流石有能で
まずドイツ人のアルバート公が言いたいことをドイツ語で書いてみたのを
イギリス人のネイティブとして翻訳もしてくれます

どうもアルバート公はついドイツ語風の発音になってしまう様子ですが
発音もチェックもしてくれるし
会場の様子や出席者の顔触れの情報なども事前に教えてくれます
(いいな~こんな頼れる秘書がいるなんて羨ましい……)

自分についた側近はメルバーン子爵のスパイだ
と第5話では喜んでいなかったアルバート公でした
しかし
メルバーン子爵の部下だったのに
アルバート公の年金をケチったトーリー党ピールはいずれ首相になる人だ
とこれもきちんと情報提供してくれるし
スピーチの内容の相談の際には シェイクスピアの一節がきっかけで
信頼関係ができていくのですね
(古典ってやっぱりいいな~って嬉しくなるシーンなのです
 流行あんまり関係ないし やっぱり似たような便利な場面ありますよね)

入念な練習の甲斐あって 熱のこもったスピーチは
トーリー党ピールも居る会場の感動の拍手を呼び起こして終了

真面目なアルバート公の努力が認められるシーンでした

                 ***

一連の宮中の立場を確立したりする話は
大きな組織の中での様子と似てるなあと
会社などを思い浮かべたりして見ていました

宮廷や社交界でのふるまいは
公な立場や関係を知らしめる事と同様ですから
王侯貴族たちにとっては社会的な序列を示す生活そのものが仕事で
組織の大きい職場などで序列を示す感覚と
かなり似ているかなと思っています
新しい変化が生まれた時は
うまいタイミングや条件を使って周りに示す必要がでてきます

特に昔という事もあるし
王侯貴族の結婚は非常に公な意味合いも大きいし
本当に自分1人の問題やカップル2人だけの問題では
すまなくなってしまうんですよね 
国際結婚になると外交を含む仕事上の立場に等しくなってしまいます 
大きな意味で自分の故郷の国民の平和な生活を保つ役割もあるので
責任重大です
日本の戦国時代も
狭い日本国内で同じような緊張感はあったといえるでしょう

                 ***

さてさて10回のジャンプ! が
アルバート公に見つかってしまう女王ヴィクトリアですが
幼い時から支えてきてくれた元家庭教師にもついに限界があり
その知識が正しくない事を知るのでありました 
一寸可愛らしくも可笑しいですね……

*****
https://www.imdb.com/title/tt5137338/
▲最新情報はIMDbデータベースで
https://www.mystery.co.jp/programs/victoria
▲現在シーズン1エピソードガイドが見やすい「AXNミステリー」Mystery

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