香港キョンシー映画の手引き書?
生まれて初めて映画館に見に行ったホラー映画「霊幻道士」で、主役級の脇役林正英(ラム・チェンイン)に一目ぼれした私は、その後も色々なキョンシー映画を片っ端から見ました。
片っ端から見ました、と言っても1985年当時子供だった私ですから見れるのは日本が香港や台湾から買って放映した映画やドラマのみでその続きは、だいぶタイムラグがあって香港に住み始めてからの事です。
手始めにもちろん、林正英(ラム・チェンイン)のホラー系DVDを片っ端から買い漁りました。
そしてわかった事が日本では「Mr.キョンシー映画」のイメージが強いラム・チェンインですが、まず彼の出演作の中でも道士役の映画は多くなく、更に扱う怪異が「キョンシー」である映画はもっと少ない、という事でした。
これは、以前の記事↑↑に載せた「日本で霊幻道士シリーズとされている一覧」ですが、この「霊幻道士」シリーズと銘打たれた映画の中でもキョンシー相手ではない物があります。そして、シリーズの中でも道士役がラム・チェンインでないものもあります(4の殭屍叔叔)。
霊幻道士(原題:殭屍先生)
霊幻道士2 キョンシーの息子たち!(原題:殭屍先生續集之殭屍家族)
霊幻道士3 キョンシーの七不思議(原題:靈幻先生)
霊幻道士完結篇 最後の霊戦 (原題: 殭屍叔叔)道士役:陳友、鐘發、午馬
霊幻道士5 ベビーキョンシー対空飛ぶドラキュラ!(原題:一眉道人)題名からもわかるように相手は西洋ドラキュラです。ベビーキョンシーは出てきますがペット的に出てきて、キョンシーらしからぬ戦い方(ダイナマイトとかww)で活躍もします。西洋ドラキュラ相手でもラム・チェンインのスピーディーな超絶アクションは健在です。(見ごたえあるアクションシーン↓↓)
新・霊幻道士 風水捜査篇(原題:驅魔警察)
⇒こちらも相手は 殭屍ではなく行屍(つまりただのゾンビ的な呪術で操られた死体)で、ラスボスはそれを操る女呪術師です。
ちなみに、この映画のラスボス、女呪術師を演じているのは、80年代に「ボディビル界の百恵ちゃん」と呼ばれ親しまれた日本のアクション女優西脇美智子が演じています。
霊幻道士6 史上最強のキョンシー登場!!(原題:音樂殭屍)
霊幻道士7 ラストアクションキョンシー(原題:殭屍翻生、新殭屍先生)
道士役:鐘發、錢月笙
霊幻道士 ザ・ムービー 空飛ぶドラキュラ・リターンズ(原題:驅魔道長)こちらも題名からわかる通り、敵は西洋ドラキュラです。但しこのドラキュラは西洋ドラキュラと東洋キョンシー、どちらにもスイッチ可能な変なヤツです。そして、人間がキョンシーに化けて悪事を働いていた集団が吸血鬼に噛まれてホントのキョンシーになってしまう場面もあります。
そしてこちら以降はラム・チェンイン不在後の新しいキョンシー映画です。
霊幻道士 こちらキョンシー退治局(原題:救殭清道夫)2017年
霊幻道士Q 大蛇道士の出現!(原題:新殭屍先生2)2018年
霊幻道士Ⅹ 最強妖怪キョンシー現る(原題:至尊先生)2019年
こちらはキョンシー映画の礎となった元祖シリーズ↓↓
霊幻道士元祖シリーズ(サモハン・ホラー3部作)
『妖術秘伝・鬼打鬼』(原題:鬼打鬼)
『霊幻師弟 人嚇人』(原題:人嚇人)
この話もキョンシーは出て来ず、出てくるのは幽霊です。
『霊幻百鬼 人嚇鬼』(原題:人嚇鬼)
この話もキョンシーは出て来ず、出てくるのは悪霊です。
でも、ウィキによると、それらも全部含めて香港のキョンシー映画と数えられており、映画は36部、テレビドラマは8部あるようです。
興味のある方はこちら↓↓
ちなみに36部のキョンシー映画のうち、ラム・チェンイン不在後に制作されたものはわずか9部(25%)です。
(ただ、このウィキに紹介されている以外でも袁家班制作の「殭屍怕怕」も入っていないので、ここに名を連ねていないキョンシー映画も、もう少しあるのかもしれません。)
ラム・チェンイン以外では、鐘發、錢月笙、陳友、鄭則仕、呉耀漢、元彪(ユン・ピョウ)や錢小豪(チン・シウホー←映画「霊幻道士」の主役です)らが道士役をしています。
変わり種としては「猛鬼差館」、「猛鬼學堂」では歌手として人気が高い張學友(ジャッキー・チュン)や林憶蓮(サンディ・ラム)などが出演しています。
(今回この記事を書くにあたり、ラム・チェンイン以外のキョンシー映画を調べる内に行き着いたのですが私は元々の歌手としてのサンディ・ラムの大ファンだったのでこんなコメディ映画に出演しているサンディがとても新鮮でした。)
こちらはアクション要素がない代わりに更にコメディ要素が強い作品です。
私的には、やっぱり霊幻道士ファンなら、一度は元祖シリーズも見て欲しいなと思います。
こちら『霊幻百鬼 人嚇鬼』(原題:人嚇鬼)の予告編です。
これら元祖シリーズの作品は元々京劇訓練班出身のラム・チェンインの美しい立ち居振る舞いと、中国伝統芸能の雰囲気を楽しめます。
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