サバ読む高層ビル
今日は、香港の超高層ビルが、エラいサバを読んでいたのに驚いた、というお話。
香港はご存知の通り、超高層ビルが立ち並んでいます。
狭い香港は土地が足りない分、高さでカバーするしかないとばかりに、居住用のマンションでも50-60階あるものも増えてきて、どんどん高く狭く(← 一戸辺りの実用面積がね)なって来ている傾向があると思います。
昔、まだこれだけ人口密度が高くなかった頃は10階もない低いマンションも多かったのですが、そういった低いマンションの老朽化に伴い、低いマンションを崩して超高層マンションへの建て替えが着々と進んでいます。
ビルの高層化に伴って、今建設される建物は6階以上だとエレベーターの設置が義務付けられていたりします。(実際の条例では、建築高度が30Mを超えない、とかもっと細かい条件も定められていますので、ばっくりとしたイメージで捉えてください。細かい事が知りたい方は、「香港建築条例」で調べれば色々出てきます。)
数年前、私が習い事で通っていたビルが、昔建てられたビルで、9階の部屋まで階段を上がらなくちゃいけなかったのがなかなか大変でした。
詠春拳の道場として使っていたので、基本皆体育会系で、「これも鍛錬だ」とヒイヒイ言いながら通っていましたが、私達以上に高齢の師匠が9階を上がるのが大変過ぎて、数ヶ月でそこを使わなくなりました。
現時点の建築条例は6階以上ある建物にはエレベーター設置は義務付けられているようですが、あくまでも条例成立以降の建築物対象なので、実際には上述の道場のように10階前後のビルでエレベーターのないビルも老朽化しながら混在しています。
(→早い話、現時点では今の条例に適合していないどんなビルでもありますよ、と言う事。)
さて、そんなエレベーターですが、香港では大抵は奇数階、偶数階のエレベーターに分かれています(←居住用の場合ね。商業用は低いフロアと高いフロア、例えば1-8階、8-22階と言った具合に分けられていたりするのもあります)。
私が今住んでいるマンションは築40年くらいなので、奇数階用、偶数階用の2台しかないのですが、比較的新しいビル(←と言っても多分ここ10数年くらいの話。そういう専門的な事を話すのが主旨ではないので細かく調べてはオリマセン。あらかじめご了承ください。)はそれにプラス、「消防員エレベーター」と言って火災や事故などがあって消防隊が突入する時にそのビルのどの階にも止まれるように、確認できるように、と言う各駅停車の普通列車みたいなエレベーターの設置も義務付けられました。
が!
日本が4と9を4(死)9(苦)と嫌うように、香港でも4と死の音がどちらも「セイ」なので嫌う傾向にあります。後はイギリス領だった名残なのか、「13」という数字も忌み嫌われています。
すると、69階まであるビルに行った時。
各階で止まるエレベーターがこんな事に↓↓↓
あれ?香港はイギリス式で地上はグランドフロアのG階ですが、G階と一階もない?!と思われた方も多いかもしれません。
たくさんの住居用ビルは下がショッピングモールだったり地下鉄駅直結だったりで、その分のフロアがノーカウントだったり、地形的に坂道の途中で、坂で高くなった分のフロアを差し引いて3階スタートだったり、5階スタートだったりする「上げ底」ビルディングも多いのです。
そしてこの「自称69階建てビル」は下の上げ底2階分もなければ、4,14…などの4絡みフロア、そして40階台は全カット、50階台に入ると、54階のみならず何故か53階もなし!の実質48階しかないと言う…。
「各階」と言いながらあまりのスカスカっぷりに何だか笑ってしまいました。