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キョン活:キョンシー映画「殭屍翻生」がややこしい件

こちら、ふとしたきっかけで、二回目を見る事になった林正英(ラム・チェンイン)が出演していない方のキョンシー映画です。

ラム・チェンイン

さて、ここからはこの映画紹介に入る前の長い前置きです。

ラム・チェンインファン、もしくはキョンシー映画愛好家でもなかったらこの前置きの長さには耐えられないかもしれません。(レビューより長い前置きって・・→すぐに隙あらばラム・チェンインの事を話したがるオバハン)

キョンシー映画の最高傑作「殭屍先生(霊幻道士)」の道士役ラム・チェンインが健在の時に、全くバラバラに独立したキョンシー映画が寄せ集められて、「霊幻道士シリーズ」と呼ばれているという話は以前の記事でもお話しました。

それについてはこちら👇

このシリーズの中でもラム・チェンインが出ていないものもあるので、
何を以て「霊幻道士シリーズ」となるのかは不明瞭な部分があります。

では・・・

【霊幻道士シリーズの定義とは:】

〇キョンシー映画?


→いいえ、ラム・チェンインが道士役をしていても、相手がキョンシーではない作品もあります。

〇ラム・チェンイン出演作?


→いいえ、ラム・チェンインが出ていないのにシリーズに入っているものがあります。(ラム・チェンイン亡き後は仕方がないにしても)

そこらへんについては以下の記事にまとめてあります👇

そこから導かれる推測的結論:

〇サモ・ハンキンポー製作またはラム・チェンイン出演のいずれかが満たされる場合。(ラム・チェンイン健在の期間限定の条件

ラム・チェンイン亡き後は、サモハンホラーと一世を風靡したサモ・ハンキンポ―も、すっかりホラー映画というジャンルを撮らなくなってしまっています。

シリーズ5作目は、ラム・チェンイン自らが監督も務めましたが、監督・主演が大変だからか、キョンシー映画で監督をしたのはこの一作だけです。

そう言う事を語っていると、永遠にレビューに入れなさそうなので、そろそろ本題に入りたいと思います。

殭屍翻生(New Mr.Vampire)
ラム・チェンインは出ていませんが、サモハンホラーのレギュラー陣が数多く出演しています。

まずは錢小豪(チン・シウホー)。
今作品では、棺桶に入った死体が身につける装飾品を盗む墓荒らしの役で登場します。

言わずと知れた霊幻道士の主役の一人


道士役には鐘發(チョン・ファッ)と錢月笙(チン・ユッサン)の二人。

こちらが兄弟子役の鐘發
こちらが弟弟子役の錢月笙

この二人が兄弟子(チョン・ファッ)、弟弟子(チンユッサン)の役で出ていますが、兄弟子の弟子役で呂方(デビッド・ロイ)も出ています。

左から鐘發、呂方、錢月笙

デビッド・ロイは私の好きな霊幻道士シリーズ三作目でキョンシー兄弟の兄キョン役を演じていました。キョンシー映画としてはそうそうたる面々です。


弟弟子が兄弟子に恥をかかせてやろうと、陰でキョンシーを操って嫌がらせします。
見た目はコミカルですが、とにかく噛み付く事だけに集中しているのでなかなかエグいです。



 1986年に撮られた作品で、霊幻道士が大成功を収めた翌年に撮られたものです。
ヒロインは、霊幻道士同様、ホラーの女王、王小鳳(ポーリン・ウォン)です。


この作品でもポーリンは死人役。色々なタイミングが合った上に、チン・シウホーと口づけた事で、精気を吸収して半分だけ生き返ってしまいます。
チン・シウホーの精気を吸って生き返った為、シウホーと全く同じ動きをするのですが、アクロバット的な動きも二人揃ってするので、それだけでも見ごたえがあります。

作品としては、キョンシー映画全盛期なだけあって、アクション要素もストーリーもしっかりしており、こちらの作品では警察隊も非常に統制の取れたいい働きをしています。見ごたえ抜群。

警察隊VSキョンシーのお約束の構図


キョンシー映画好きの方は見ても損はないでしょう。

ただし、霊幻道士シリーズの仲間入りをしていないのは、先ほど僭越ながら私が導き出した推測的結論を両方満たしていないから、と言う事なのかなと思います。

 なんと面白い事に、こちらの作品を監督しているのが陳會毅なのです。

陳會毅?誰?と思われた方も多いかもしれませんが、

陳會毅は、こちらの記事⤴で紹介した通り、当時、ブルース・リーの右腕がラム・チェンインとするなら、こちらは左腕としてブルース・リー アクションの一翼を担った方(現在71歳でご健在)です。

同じ時代をこの業界で生き抜いてきたラム・チェンインの戦友?ライバル?的存在と言えるでしょうか。
でも彼は、俳優というよりはアクション指導や監督など裏方の方がお好きだったみたいです。

そういう大人の事情(?)、霊幻道士と同時期でありながら、こちらは当時、日本で上映もされなかったようです。
でも作品としたら本当に楽しめるいい作品です。

あ!あと、特筆すべきは、映画を広東語で見るとラム・チェンインファンの皆様はきっと小さな喜びを感じられるかと思います。

何故なら、道士役の鐘發の声は、霊幻道士1でラム・チェンインの声を担当していた初代ラム・チェンインの声優、金貴その人だからです!!


しかし、ややこしいのはこのネーミングで

・殭屍生(Mr.Vampire)(←ラム・チェンインの方)
・殭屍生(New Mr.Vampire)(←ラム・チェンインじゃない方)
*すみません、私がラム・チェンインの大ファンである為に、わかりやすくこのように区別しております。

狙ってなのか・・・、こんなに紛らわしい名前が付けられています。
そして、この英語の題名New Mr.Vampireを、逆に中国語で直訳してしまうと

「新僵屍先生」


となってしまうわけですが、これがまた霊幻道士シリーズ7
霊幻道士7_ラストアクションキョンシー 
原題:新僵屍先生/英文題:Mr.Vampire1992)

*何故7になって満を持して1に戻るかのような題名:新僵屍先生とつけられているかと言うと、シリーズ2以降、色々なキャスティングや職業にばらけて来たところ、この作品で1と同じ設定、道士の師弟の組み合わせ;
ラム・チェンインが道士の師匠、チン・シウホーとリッキー・ホイがその弟子という黄金トライアングルが復活しているからです。

なので、英語題を逆に中文に訳したものと、霊幻道士シリーズの原題が重複してしまっている事で、ラム・チェンイン作品と勘違いしやすくなってしまっていると思います。

ちなみにネットで見たら、この
殭屍生の邦題が「ドラゴンキョンシー」と出てきましたが、中身は違います。
正しくはドラゴンキョンシーは「大家發財(中には殭屍翻生という表記もあり)」であって、調べていくうちに出て来た「再来!キョンシーズ」が殭屍生の邦題なのか?と思いきや、どうやらそうでもないみたいで、
「ドラゴンキョンシー(再来!キョンシーズ)」という二つ名を持った作品が別にあるようです。(こっちは見た事がない感じだったので、追々探してみたいと思います)

ちなみに、「大家發財(殭屍翻生)」は殭屍生の続編らしいですが、監督も違い、チン・シウホーも出てこない上、ベビーキョンシーが出て来るのが大きな見分け方になるかと思います。

この記事を書くにあたり、霊幻道士のウィキなどを見ると、霊幻道士シリーズがどんどん更新されているので(見たら「キョン活」の中で霊幻道士シリーズとは知らないまま見たものっぽかったですが、記事にして残して行かないと自分でも記憶があいまいになっていくのを実感した為)そちらの追跡もしながら、細々とレビューなどしていきたいと思います。




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