罪作りモノトーン
ここ最近香港は、何度目かわからないパンダブームに湧いています。
中国から新たに安安(ゴンゴン濁音は鼻音「ンゴンンゴン」、的な)と可可(ホーホー)が贈られてきたからです。
(名前は香港でまた新たに募集されるらしいですが)
このタレ目に見える可愛らしい模様と、コロンとしたフォルム、白黒モノトーンのクールさとの共存、そんなこんなで本当にたくさんの人を虜にしています。
この愛くるしさで成り立っているのが・・・
パンダレンタル
日本円にして年間約1億600万円(だいぶ昔のニュースだから今の日本円レートだともっとバカ高い事でしょう)。子供が産まれても、死んでしまってもそれぞれ5000万円以上のペナルティ。
命名権も事前に中国の許可を得なくちゃいけないそうです。
所謂パンダ外交です。
少し前になりますが、日本からパンダが中国に還る時、街頭インタビューで、ある人はまるで可愛い子供を旅に送り出すかのように、ある人は涙を浮かべて、ある人は大泣きしながらパンダ愛を熱く語っている様子が報道されておりました。
確かに愛らしいフォルムだとは思いますが、自分のペットでもないパンダに、そんなにも感情移入できる事に
「そ、…そこまで…?😳」
と思いました。
そんな上野動物園の年間売り上げは10数億円、パンダ集客だけで元が取れるのです。
(勿論コロナで大きなダメージはあったことでしょうけども)
結局、
喜んでお金払ってるのは国じゃなくて国民です。
阪神大震災や東日本大震災後も、絶望ムードにつけ込んで「パンダを癒しに」と貸し出し。
プレゼントじゃないんですよ?
お見舞いじゃないんですよ?
そこにあるのは同情や励ましの気持ちではなく、ただのお金のやり取り。
でも、口実を見つけて貸し出してくる方も、そんな大打撃を受けた時にまで大金払って借りる方も、目が$マークですが、皆喜んでお金を払ってくれるからWin-Winという事なのかもしれませんね?
尚、香港にこの2匹のパンダが運ばれてくるニュースが報道されていた頃、同時にひっそりとフィンランドの動物園からパンダが中国に還されるニュースもやっていました。
「年間のレンタル料約1300万香港ドル(今の日本円のレートにして約2億4千万強)が負担出来なくなった為に還されます。」
と淡々と報道されておりました。
何か、香港にはパンダが着いて熱烈歓迎ムードの真っ只中で、まるでパンダの白と黒、明暗が分かれたようなニュースでした。
可愛らしいモノトーン生物の裏では、常に膨大なお金が動いているんだと実感させられました。
私が気になっているのは、「香港は中国なんだからレンタルじゃなくて勿論プレゼントですよね??」って事ですが、
これは寄贈のようです。
ちなみに、香港でパンダが見られる海洋公園(オーシャンパーク)の入場料は一般で498香港ドル(今の日本円にすると約9500円強!)
一方の上野動物園の入園料は一般で600円。
パンダ代を国民に払わせてる事実は変わらないけども、全ての消費において日本は
良心的過ぎる…!
いろいろな物価が高騰する中で、よく、日本の(特に飲食店)経営者達が
「お客さんを思うと値段上げられないよ」
とか言って、「それで本当に利益出てるの?!」と言いたくなるような超安値で消費者に提供しているニュースとかを見ると私の心は、自分の生活が潤う事よりお客さんを思う日本人経営者達が不憫で泣きたくなります。
海外は「ビジネス」商売に対しては非常にドライで「売上を上げてなんぼ」コレが一番の大前提。
「お客様云々」は二の次の次くらいです。
しかも、そのクオリティは日本のそれと比べると下の下の下くらいにも関わらず!です。
いつも言いますが日本人が誰より一番日本の価値を理解できていない!
…すみません、話がそれました。
そうして深堀していくと、動物園の収益は動物園の維持とパンダ代に溶けて、日本経済を回す力にまではなっていないかもしれない疑惑を感じずにはいられませんが、こんなに大人数の人間が喜々としてお金を支払う、このモノトーン生物は、本当に罪作りな凄腕ホストだなと思わずにいられません。
でも、これが実はあの動物も、この動物もそうだった、という事だったら、何か今までもっとほのぼの考えて来た部分が色々ぶち壊されそうで、余り色々な舞台裏を知らない方が幸せていられるのかもしれないな、と思いました。