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私の声は消耗品なんで(音声配信とそこに至るまで)

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声の質なのか、声の出し方なのか、声が老化と共にどんどん出なくなるので、ここに記録しています。歌っているのもあれば、朗読しているのもあれば、話しているのもあるのですが、音声にまつわ…
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#雑談

生きねば

P.N:明星一号さんの詩を朗読させていただきました。 P.N:明星一号さん/note title:薄明光線 https://note.com/myojyo_1/n/ncbb14a84ac8d 今回朗読させていただいた詩はこちら↓↓ https://note.com/myojyo_1/n/ncbb14a84ac8d 視界がただただ黒い。 この場所自体が酷く暗いのか、瞳そのものをベンタブラック色に塗り潰されているのか、その判別すら出来ぬ程に黒しか見えない。 感覚的に水中に浮いている事はわかる。 体に水がぶつかりチャプチャプと音がする。 波風が立つ音、水滴が落ちる音などはない。 あとは襟足まで濡れた感覚がある。 肩ほどまでは体が浸かっているが、足は地に着いていない。 浸かっている水はドロドロとしている。 真水のようなサラサラとした心地良い肌触りではなく、硬水より少しハッキリとした重みを感じる。 足で水を蹴ると、固まり切っていないゼリーの様な粒が肌の上を転がっていく感触がある。手足で漕いでみると、水自体に重みがあるせいか、しっかりとした手応えがある。 如何せん、視界がただの黒であるため、目標物とできる物が一切無く、進んでいるのか、ただただその点を右往左往しているだけなのかもわからなかった。 ふと「何故、浮き続けていられるのだろうか。」と疑問が頭を過ぎった。 それまで気に留めていなかったが、肌から伝わる感覚的におそらく着衣をしている。一枚のシャツとボクサーパンツのみだが、たっぷりと水を吸って体に纏わりついている。浮力に意識を向けてから、襟足まで濡らしていた水が、少しずつ口元にかかる様になる。おそらく少しずつ沈みかけている。手足でもがけばもがく程に、水が口元にかかる頻度が上がり、少しずつ呼吸するが難しくなっていく。私は水に溺れた事がないが、これがおそらく溺れるという事なのだろうと思った。 体力が消耗されていき、自分の体に動きを強いる事ができなくなり、外から襲い掛かる力に全てを委ねるしかなくなる。口の中が水で満たされ、空気が気管を通り抜ける心地を全て失った。脳の中まで浸水し水や気泡が満たされたかの様なイメージが脳に浮かぶ。 すると、ブラックアウトしていた視界に横一閃の光が射し、その光が上下に広がり今度は真っ白になった。 天井のシーリングライトが目に映り、無造作に置かれたデジタル時計に目をやる。朝の十時半を少しまわっている。私を挟み反対側にある窓に目をやると、数日続いた雨が止んでいるようだ。窓に顔を近づけると熱気を感じた。外では雲に邪魔されしばらく顔を出せなかった日差しが、数日分の仕事を取り戻そうとするかの様に世界に初夏の熱気を浴びせているのだろう。先ほどの黒い世界が夢であったと認識した。 昨夜は死を願って眠りについた。 これから先の人生に希望を見出すのに疲れてしまった。成したい事が特になかった。誰か新しく関係を築き、また仲違いするのが怖くなった。その内容のない愚痴を聞いてもらいたい友がもういなかった。 そんな考えが脳内を満たし、そのまま私は夢に溺れたらしかった。 寝汗でシャツとシーツが酷く濡れている。上半身だけ身を起こし、シャツを脱ぎ捨てるが、新しいものを取りに立ち上がる気力がなく、湿り気で冷えてしまったシーツの上にまた背中を預ける。ベッタリとした感触が心地悪い。 腹が減った。少しばかりの尿意がある。血なのか腸液なのか、下腹部から何かが流れる音がぎゅるると鳴った。体はまだ生きたいと言ってる様に思えた。小便を済ませたら顔を濯ぎ洗いたてのシャツを着て、一先ず飯の支度をしよう。 “生きねば”と思った。 P.N:明星一号さんの詩は、生きづらい気持ちを抱えながらも、懸命に、光を見出そうと藻掻く赤裸々な心が描写されていて、読むと何だか優しい気持ちになります。 朗読の申し出を快諾くださったP.N:明星一号さんに感謝を込めて。

富山弁なあんなんなん

富山弁ちゃあ、そんなに訛りもひどくないしい、別に聞き取る分にはナンの苦労もせんと思がいけどお、文字で見たらあ、もしかしたら~あ、ちょっこ~ぉ わかりにくいトコもあっかもしれん思て~え、音声にしてみたがいちゃ。 今noteで公開中の自作小説「吸血師Dr.千水の憂鬱~だから私は吸血鬼ではないと言っているだろう~」の中で、富山弁のセリフがたくさん出てくるのですが、その実際のニュアンスはどんなものなのか、というのをご紹介いたします。 声質と早口で若干聞き取りにくい箇所もある点、予めお詫び申し上げます。

リアル・ドナドナ ~♪売られて行くよ?~

話の中に出てくる中国語は「加油jia1you2!(頑張れ!)」です。 まあ、勉強するには柔軟性も必要だという教訓話? ドナドナの歌詞はこちら↓↓ ある晴れた 昼さがり いちばへ 続く道 荷馬車(にばしゃ)が ゴトゴト 子牛を 乗せてゆく かわいい子牛 売られて行くよ 悲しそうなひとみで 見ているよ ドナ ドナ ドナ ドナ 子牛を 乗せて ドナ ドナ ドナ ドナ 荷馬車が ゆれる 青い空 そよぐ風 燕が 飛びかう 荷馬車が いちばへ 子牛を 乗せて行く もしもつばさが あったならば 楽しい牧場(まきば)に 帰れるものを ドナ ドナ ドナ ドナ 子牛を 乗せて ドナ ドナ ドナ ドナ 荷馬車が ゆれる NHK みんなのうたのドナドナはこちら↓↓ https://www.youtube.com/watch?v=mAovGoD7XXY

ハザカイよりお詫びとご挨拶

リベンジde音声配信 昨日の初の音声配信でダウンロードできなかった方、大変にすみませんでした。 また、たくさんの方がフィードバックくださった事、本当に有り難く思いました。 皆さま本当にありがとうございました。

香港のゆるゆる住宅事情

香港在住の二人が香港の住宅事情についてゆるゆるとお喋りしています。 今回はYoutuberのミシェリーをゲストにお迎えして、ミシェリーの指導&監修のもと「音声ファイルの編集」作業にも挑戦してみました。 ・・・大変でした(オバハン的にはなかなかの高難度) こういうのを毎回やっているYoutuberさん達ホンっトにスゴイです。この地味に大変な編集作業を次回自分一人で出来るのかと言われると甚だ疑問・・・😅 ま、ボチボチ頑張ります。 香港の賃貸契約期間ですが、現在一番オーソドックスなのは2年です。 最初の一年目はフィックスで、双方とも契約内容に拘束される期間を「死約(死んでいるように動かせない契約期間)」と言い、後の一年は、双方が定めた期間の事前通知(例えば一か月前通知など)で自由に解約できる期間を「生約(フレキシブルに動かせる契約期間)」と言います。 が、地価動向にタイムリーに乗りたい投資目的のオーナーや、物件を売って外国に移住を考えているオーナー、逆に借り手が外国人である場合の駐在期間など、借り手側の事情で1年契約もあるようです。まあ、とにかく当初は2年契約であっても、一年の「死約」期間さえ超えれば「娘が結婚するから出ていけ」等色んな事情で有無を言わさず追い出される事もよくあります。 ちなみに話の中に出てくる引っ越しなどに大活躍する大きくて丈夫な袋(この記事の写真。中に入っているのはミシェリー)は、「ホンバラン(紅白藍)」という名前で赤白青の広東語をただ羅列しただけの愛称で親しまれています。

私が北京語を喋る時

前回、香港在住同士でYoutuberのAvianViewチャンネル、ミシェリーさんと一緒に香港の住宅事情について音声配信しましたが、その時ミシェリーさんが私に音声ファイルの編集方法を教えてくださいました。 AsianView https://note.com/asianviewhk45/ Youtubeチャンネル:https://www.youtube.com/c/AsianView  なので、今回の音声配信で初めて自分で音声ファイルの編集に挑戦してみました。つまらない話ではありますが、音声のつなぎ目やBGMを入れるタイミングやボリューム調整などをいじるのは、なかなか面白かったです。や、っていうか、改善の余地はまだまだたくさんあると思います。 BGMがうるさすぎる、声が大きすぎる、等、お気づきの点ございましたら、コメント欄で教えてください。 これは北京語を勉強してる人あるあるかな~。 とにかく、日本語というのは発音するのに口をほとんど動かす必要のない言語なんですよね。 これは北京語と中国語に限らず、英語講師をなさっているハヤチカさんのところでもお話になっておられました。その記事はこちら。 https://note.com/hayachica/n/nc179556853d6 でも音声記事で思うのは、やっぱり色々なものが自由にコピペできない不便さでしょうか・・・。お名前にリンク貼れないとか。

補足解説 Adoさん「うっせぇわ!」の広東語バージョン

この音声記事は、先に紹介したAdoさん「うっせぇわ!」の広東語バージョンを紹介した記事に補足説明として埋め込みたい為に作成した音声記事です。 https://note.com/yipkon1102ys/n/nbdcdfc6cb6f5 こちらの音声記事は「補足説明したい」という衝動に駆られたまま、下書きも何もなく、フリートークを入れているため、噛み噛みな上に、音の面白さに一人盛り上がりするおかしなテンションの私がいますが、たまにはそういうのもイイかと思い(どんどん自由人化)そのまま出します。 (単に手間をかけたくなかっただけですが、BGMもわざわざつけなくても良かったのか、それでもやっぱりつけた方が聞き易いのかも謎。) 日本語オリジナルでは「はああああっ~~?うっせぇ、うっせぇ、うっせぇわ!」の「う」の音が前拍の刻みで入るのを広東語の「屌呀?收皮收皮啦嘈(ディウア?サウペイサウペイラッチョウ)」の「屌呀」動詞の「屌(ディウ)」と末尾につくはずの語気助詞「呀」をバラシて埋め込む事で、本来日本語の「うっ」と詰まる音と広東語の「サウ」という音が同じポジションになるところ、半拍ずらしたことで、日本語の「せぇ~」という伸ばす音と広東語の「サウ」のタイミングを合わせる事で、ちょっと音質が近づき、音格差を減らしています。 技ありな音の埋め込み! ちなみに末尾の「~啦嘈(ラッチョウ)」という箇所も本来「~啦(ラ)」というのが過去形を表す意味のない音なので、正しくは「~啦(ラ)、嘈(チョウ)!」と分かれるハズが語呂合わせの音として、また此処でも、本来末尾につくハズの「~啦(ㇻ)」という音が、拍の頭の音に来て、更に本来繋げて使う事のない動詞が、語気助詞の後にくっついているという面白い現象。 ちなみに「嘈(チョウ)」は、それ一文字で「うるさい!」を表す単語です。 でも本来「~啦嘈(ラッチョウ)」では繋げません。 但し、日本語で「うっせぇ」が3回リピートされているのに対して、広東語の「收皮」が2回リピートで終わってます。半拍遅らせた所に3回詰め込むと完全に字余りを起こしてしまうからでしょう。 その結果、音が足りなくなってしまった帳尻を合わせるのに 純粋な音遊びとして、足りない最後の1音を埋めるのに、「うっせいわ」という意味でもある「嘈(チョウ)」で埋めたらチェケラッチョ的な音になっちゃって、日本人的にも音的に面白いかもしれませんね。 (そもそも、そこまで細かく音を検証しながら聞く人はいないでしょうけど) という、またマニアック極まりない事を音声配信しています…_| ̄|○

詩の朗読 「人になる」

詩)人になる kesun4作  https://note.com/kesun4/n/n74b943a6f79b ヘドロとなって這いずり回る 時には空気の中に隠れ 時には海の上に浮かび ある日は電車の中で ある日は工場の隅で ギョロリとした目で辺りを見回し 匂いを嗅ぎ取って聞き耳をたてる 私は人でありたい 人の形が分からず 人の温度を知らず 人の匂いや声もわからない それでも人でありたい 人でありたいと願っては 貪欲に草を喰み 額を擦り付け泥水を啜る 人を知らねば人にはなれず 来る日も、来る日も人を探す 人にならねば 人にならねばと 流体の異形は 整った形をした入れ物に入り 溢れ出さぬように 足りぬ事がないように 誤魔化した笑顔を振りまいた 這いずり回る…はいずりまわる 喰み…はみ(食べる事) 擦り付け…こすりつく 流体…りゅうたい(スライムみたいな状態) 作品を読ませてくださったkesun4さんに感謝を込めて。