ミーターの大冒険 エピローグ 20 「ムン·イン·コンパー」
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コンパー ミーター君、ハニスさんの留守中、ごめん。ぜひ、ラベンダーの館に来たくてね。オリンサスさんのことは残念でした。それから、君をだいぶみくびっていたようで、あやまりたくってね。もう一つ、ターミナスにいる以上、アルカディアの面影に会いたくてね。なにしろ彼女のことはあまり知らないからね。彼女は銀河復興のシンボルであり、彼女の心意気を知ることは、これからの僕らの活動の支えになるに違いないからね。
もう一つ、オリンサスさんが息を引き取る前に、あなた方へ言伝てをする約束をした。ミーター君に、直接伝えないといけないと思ったからね。君はオリンサスさんによってつくられと聞いている。
それから、今、私は銀河図書館のバーチャル機能改造に取り組んでいるのは知っているよね。君をよく知れば、オリンサスさんの手法の参考になると思ってね!
ハニスさんから聞いている銀河復興の時が近づいてる。銀河復興の糸口は故郷の星に行くことから始まるってね。私にも、ちょっとだけ力になれるかも知れないと思った。小さい時、父から聞いたことを思い出してね。
まず、それはね、ちょうど銀河の反対側に大きく輝くカノープスやシリウスという恒星のあるシリウス星系のことなんだ。そこに行くのに、シンナックスを経由するのが一番近い。そのシリウス星系にオーロラという故郷の星の候補があるらしい。その他にも、その候補地は数多くある。
しかし、従来言われているような、ジョーダン、オビジャン、クォミルやラメットという学者の文献では、不明確なんだよ。
ミーター ちょっと待って下さいよ。そう藪から棒に言われても、それと、オリンサスさんの伝言となんの関係があるというのですか?オリンサスさんは、その故郷の星がどこにあるか知っていたと言うのですか?知っていたのに、以前は黙っていたというのですか?
コンパー ミーター君、誤解しないで欲しい。僕が知っていたのですよ。それをオリンサスさんに話した。オリンサスさんは、それを君たちに話したかったんだ。でも伝えるのに命がもたなかったんだ。
ミーター あなたが知っている、と言うのですね。
どういう風に。
コンパー シンナックスの先にコンポレロンがある。その向こうにガイアがある。ガイアは、僕の父の故郷コンポレロンの向こうにある。その先がセーシェル星系のセーシェル、その先がオーロラ、そしてアルファ。シンナックスの先がシリウス星系だ。
僕は父から聞いている。人類の故郷は、きっとシリウス星系にあるってね。
ミーター ああ、それについては、大体のことは、同じふうに、アルカディアやハニスさんからも聞いていますよ。
コンパー しかしね、探索の旅に出て行かなくては、何も始まらないのでは?ミーター君。
ミーター そうは言っても、航宙船がない。
コンパー やっと完成したよ。ファー・スター2世号。
君がコントロールする。探査装置は完璧だ。
ミーター コンパーサん。いつ、どうやって。ハニスさんと一緒にですか?
https://youtu.be/cUSl1dc_qCc
yatcha john s. 『ミーターの大冒険
』 エピローグ 20 「 ムン・リ・コンパー 」