ミーターの大冒険 第四部 オーロラへ 第9話 セーシェルの夜空の煌めき
126第9話セーシェルの夜空の星々のきらめき
ミーターの大冒険
第四部
オーロラへ
第9話
セーシェルの夜空の星々のきらめき
あらすじ
ミーターとイルミナを乗せたファー・スター2世号は、ターミナスの図書館と18000年前の航海日誌にない謎の天体に遭遇する。
そのとき、突如その天体から通信応答を求めて来た。
それは、ガイアの長老ドムからであった。彼の自己紹介は「わたし/わたしたち/ガイア」であった。ミーターはあらかじめおおよそのことは了解していたように質問していった。
ドムは、二人が求めている故郷の星の正確な名前が「地球」であることを明かす。
ドムは、ミーターがダニール・オリヴォーの地球探索の際に、「時間をも感応できるようになった」ということにさらなる詳細を聞きたいことを察知して続けて陳述する。
人類の歴史消滅がこの時点から歴史復活のフェーズに転換した、と理解してもよい。
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ドム ミーターさんが、知りたいと願っておられることは、地球の放射能のことですね?ミュールの特異性は、極度の放射能恐怖症でした。
それゆえわがガイアは、この大課題について特に注意を払って来ました。というより、ミュールの存在がかえって銀河復興、つまりセルダン・プラン、ドーニック・プランの実現への手がかりをくれたのです。
そしてガイアが深い眠りから覚めて、銀河に最初に干渉しはじめたのは、ミュールとプリーム・パルヴァーとが遭遇したロッセム星においてからでした。ガイアは密かにパルヴァーを背後で加担しました。そしてミュールを退けることができたのです。
それ以来、それまで第2ファウンデーションがとってきたシステムに似たやり方で銀河全体に忍び混んで行ったのです。第1ファウンデーションのターミナスは勿論、第2ファウンデーションにも干渉の糸を伸ばして行きました。
ミーター ところで、不死の従僕が地球で「時間も感応できるようになった」という経験をした経緯について教えて頂きたいのですが。
ドム ごもっともです。ガイアの存在意義は、そこからはじまるのですから。
長の長が、ニフに到着した際のことです。ニフにはそもそも、ある伝説があって、女性神がニフの島やニフ人たちを創造したというのです。それもその女性神は太陽の化身とか。ニフの西側にあったキナの記録には、ニフから貢ぎをもたらしたのも天文に詳しい女王であったと言われています。
そして、その女王よりずっと後の時代に、ある武人に太陽の色の木花を捧げた女性の話しがあって、不死の従僕はその女性の心に感応したと言うのです。その時に「時間も感応できるようになった」と発せられたとレオナルド様は仰せられました。
そしてすぐ不死の従僕はレオナルド様にガイア創造の指示を出されたのです。
ミーター う~ん。伝説のような作り話のような!
それで、「わたし/わたしたち/ガイア」のあなた方は、その木花の「ヤマブキ」とも言われる由縁があるのですね。
ドム 左様。イルミナさんが、お聞きになったガイアの女性の名前についてのご質問は的確でした。
イルミナ ドムさん、もしかして、銀河全体に派遣されている方々も全員が女性のガイア人というのは、「あり」なんじゃないんですか?
この「セーシェルの夜空の星々のきらめき」のように、ですね!
ドム 全くその通りです。流石、立て板に水のイルミナさん!
yatcha john s.
Photo 勿論、三人の会話は、ファー・スター2世号とガイアとの通信ですが、『ファウンデーションの彼方へ』に出てくる詩のタイトルに『セーシェルの大空の星々のきらめき』という文の捩(もじ)りとして載せたもので。