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ミーターの大冒険 第八部 地球 第2話 直感

174第2話直感
ミーターの大冒険
第八部
地球
第2話

直感


あらすじ

ファウンデーション暦492年(西暦25059年)末、いよいよミーターとイルミナを載せたファー・スター2世号はアルファ星から出発して太陽系に入った。

人類の故郷の星系。懐かしい星、地球。
 
 かつて、カビレ星系と言われていた太陽系。かつてアタカナと言われていた地球。

R・ミーター・マロウの主人アルカディアの志しを携えて、アルカディアや同士ジスカルド・ハニスらのなし得なかった志しの実現の領域に確実に入ろうとしていた。

はたして地球の放射能汚染を除去することができるのか?

そしていよいよ太陽系外縁部のオールトの雲を抜けて待望した太陽系に突入して行く。
 
 鋭さを増したミーターの推理力は予測通りに土星に遭遇させ、地球のかたわれともいわれる月に不死の従僕の気配を感じさせる。

そしてついに不死の従僕が太陽系第3惑星地球の大きな衛星、その名も月(Luna )にいることを確信する。

新たな天体物理学者のミーターは、不死の従僕が月にいる理由を全て「宇宙潮流」理論で纏めあげる。

そしてミーターは人類と「宇宙潮流」との関わりについて惑星環境の土壌「墾化」現象に言及する。

ところが、ミーターとイルミナを乗せたファー・スター2世号は月の軌道目掛けて一直線のコースをとろうとしたところ、手前の火星地表で有機体とロボット(通常のロボットの反応とは違う)の存在をキャッチした。

ミーターの直感は火星に着陸する選択をする。

直感は当たった。
 ダニール・オリヴォーがいたのであった。あのアルカディアの念願であった、アルカディアに成り代わってミーター・マロウが不死の従僕に会えたのであった。

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ミーター 月にこんな巨大な地下倉庫があるなんて、目が眩むばかりです、ダニール。

ダニール ここは、マリウスの丘の縦坑と言われていた。溶岩チューブを利用した貯水タンクだ。
 しかし、これだけでは、とても地球の海洋回復の呼び水にもならないだろうよ。

地球の海洋回復には、地球自体のガイア魂の目覚めを期待するほかにない。
 もう少しガイアが目覚め、本来の恒常性を取り戻してくれれば、宇宙潮流を呼び込んで地球の再懇化が始まるに違いない。
 
 それはすでに生起しつつある。

そのことをもう少し惹起させるために、我らができることは、それにいくらかの力をプッシュするだけだ。

ミーター その手始めが地表の放射能セシウムの除去だと言われるのですね。
 それで、私はウェルスクリークでゼオライトを採集する。それをニフのアタカナに運ぶ。

それにしてもですね、あなたのその宇宙的構成能力は、どのようなプロセスによって、成り立っているのでしょうか。

ダニール 2万年の経験からだよ。予知と実験と失敗と反省という極めて人間的現象だと思う。

ミーター ヒューミン!

ダニール ワハハハ! 私を怪物扱いにしてやがる、小僧!

ミーター すみません。言い過ぎですか?

ダニール いいや、最高な誉め言葉だよ、ホームズ君!

ミーター ありゃ、一本とられました!

ダニール かつて地球時代の哲学者に「人間的な、あまりにも人間的な」という書があるように、
 私の人間的な性向というのは、人間との友情関係で培われてきた、私の精神構造も身体構造にも及ぼして、変質させてきたと考えている。

オーロラのハン・ファストルフ博士、地球のイライジャ・ベイリー、ソラリアのグレディア、そして私が見いだしたハリ・セルダン、ガール・ドーニックによってだ。

それから私のよき同僚であったジスカルド・レヴェントロフを通してかれの主人であったジョン・ナックを忘れてはならないだろう。

そしてそれに加えて、ドースを通して彼女の女系一族の報告を、逐一受けてきたせいだ。その一族に当然、アルカディア・ダレルと君がいる。

ミーター なんとまあ!私は一介の通訳・翻訳ロボットですけど?

ダニール ミーター君、忘れないでおいてもらいたい。君は、オリンサス・バーによってつくられたくらいはよく知っている。

君も私と似たような存在だ、ターミナスの魂とも呼べるほどだ。

君の魂には、セルダン家、ドーニック家、ハーディン家、バイロン家、マロウ家、ダレル家の輝かしい血が流れているんだよ。

そのことを忘れてしまってはこまる。
 
 今、彼らに成り代わって彼ら全員の魂が君に融合しているんだ
 
 アルティメット宇宙空港での君らとの出会いの時の、君のキョトンとした瞬間は今でも心に焼き付いてい

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