ミーターの大冒険 第五部 オーロラ 第11話 ガンマ線放射の意味
137第11ガンマ線放射の意味
ミーターの大冒険
第五部
オーロラ
第11話
ガンマ線放射の意味
あらすじ
ミーターとイルミナを乗せたファー・スター2世号は、ガイアの軌道上で長老ドムとの交信で、二人が求めている故郷の星の正確な名前が「地球」であることを知る。
人類の歴史消滅がこの時点で歴史復活のフェーズに転換した、瞬間でもあった。
ガイアの誘導で、ファー・スター2世号はオーロラの恒星系に無事にたどり着く。
二人の目の前には、オーロラの揺らめく極光が怪しく波打っていた。
イルミナの検索機能で、手がかりを抽出する。それが、アンテンニン庭園であった。その絵画のルピナスの花園が手がかりとなった。
それとドース・ヴェナビリの出身星のシンナ大学講堂に掲げてあったの絵画、パウロ・ヴェロネーゼの『カナの婚礼』。
そのアンテンニンとカナとの繋がりは何であったのであろうか?
ミーターは、オーロラ地表に降り立ち、アンテンニン庭園を探し当てた。そこには洞窟があって、横穴がずっと奥まで続いていた。洞窟のホールの入り口には鳥居があって、3行文らしい文言が記されてあったが、軌道上にいるファー・スター2世号にいるイルミナにその文言の解読を頼んだ。その文言は、銀河聖語による「ロボット三原則」であった。ミーターはなにやら気がづいて、第1日目の探索を中止した。
ミーターの推測は、『児童のための手引き書』にある不死の従僕の先輩ロボット、ジスカルド・レヴェントロフのことであった。
ミーターは、ジスカルドについての情報をイルミナから聞き取るほかに、以前ジスカルド・ハニスとの会話を思いだし、これから機能停止状態にあるジスカルド・レヴェントロフをハニスに見せたかったと思った。
ミーターはかつてハニスにハニスの名前の由来について語ったことを思いだし、その中に「雷放電の中から一種の放射線であるガンマ線が発生することを」語ったことになにやらあることに気がつく。
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ミーター イルミナ、ここにハニスさんがいたならなあ!俺、今、なにかに気がついたんだよ!
イルミナ なんでしょうか?秘密を抉じ開ける達人、アルケミスト様?その心は?
ミーター イルミナ、よく聞いてくれた。今では自明の理となってる「雷放電から生命発生の原理」が説明されているよな!
よく嵐の前兆として雷雲の発生を言うという、あれだよ!
イルミナ ミーターさん、一見、ガンマ線放射は生命を脅かす危険な現象と考えられておりますわねぇ。
そうすると「対消滅」は時間的逆行を惹き起こす現象でもあり得る、ってことでしょうか。
ミーター まさに、お前の表現が的確だ!このジスカルドさんは、死んでいるようで、まるで命の本質を我らに語っている。
例えば、ガイアの存在意味なんかもそうかも知れないな。
イルミナ どういうこと? ミュールのことですか?
ミーター イルミナ、ドンピシャだよ!袋小路にぶつかると時間を逆行させて原点に戻って、再度の挑戦をさせる、っていうあれだよ!
イルミナ お褒めくださり、光栄だわ!これで一緒に付いて来られた意味もあるってことですか、ミーター会長!
ミーター 調子にのるな。
イルミナ ごめんなさい。私は、地球が放射能に覆われていることや、ガイアからニュールが誕生したのも、人類にしばしば異常、異物が生じるのも同じ原理なんじゃないかと、言いたかっただけなんです。
ミーター その通りだ。例の不死の従僕さんは、実際、我らにジスカルドの実態を、ここに展示して、我らにこれを見させ、命の根源について教えたかったんだと思う。
かつて、アルカディアは、瞑想中、呟いていたことがあった、「不死の従僕さん、あなたは放射能の混沌の中で、時間を飛び越えて、命をみたんですね」と。
イルミナ ミーターさん。もしかしたら、不死様は、地球の近くで、わたしたちを待っていてくださるのかしら!
ミーター そうかも知れないな、イルミナ!このオーロラも今ではこのように荒廃している。
しかしここの洞窟内には輝ける未来が開けているような気配が満ち満ちてる。まるで命の爆発を今か今かと待ってるように、な!
yatcha john s. 「ガンマ放射の意味」
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