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【POP YOURS 2023】胸熱ラッパー5選

2023年5月27日(土)・28日(日)は、あの世へ行く前の病床で思い出すだろう2日間となった。
国内最大級HIPHOPフェス「POPYOURS」だ。
1ヶ月経った今でも熱が冷めないほどの持続性のある熱量だった。(本当はもっと早くnoteあげたかった…!)

去年、各人席が決まっていたのに対し、今年はオールスタンディング席だったため、動員数も去年の約2倍の1万6000人だったらしい。観客の熱気もさることながら出演ラッパーも熱すぎる面々だった。その中でも特に食らったラッパー5人を紹介する。(個人的な偏愛を大いに含む)

2日間のタイムテーブルは以下の通り☟

1.guca owl(1日目)

LIVEパフォーマンスとドスの効いた力強い声にとんでもなく食らってしまった。音源より生歌がいい!抜き方といい、観客の煽り方といい、すべてのライブパフォーマンスが完成されており、会場のボルテージが一気に上がったようだった。途中でしゃがみ込み、観客の注目を一身に集めていたのも計算されているのだろう。

特に好きなのは彼のリリック。彼の物事に対する解像度の高さ、彼なりの生きることに対する哲学が垣間見える。

君は今guca (自由か)?
どん底にこそユーモア
あたかも金があるように
振る舞いなよRealはそう変わらない
真面目も間違いではない だけど
頭使い 最短ルートじゃ
ロマンがないだろ?

guca owl「ROBIN」

ハードな生まれでもなく、ドラッグや女に溺れるような過去も彼にはないが、若者の代弁者として妙に刺さる言葉を並べてくる。それは心のどこかに仕舞ってあった「何者かになりたい」「自由になりたい」という若者の願いを開放し、行動へとアシストしているようだ。


2.LEX(1日目)

LEXのワンマンか?と勘違いするほど、LEXの溢れ出るカリスマ性に魅了されるLIVEだった。令和の尾崎豊のような孤高さをまとっている彼は、ラッパーというよりアーティストと表現した方がしっくりくる。そんなアーティスティックなLEXだからこそ、あの中学生男子のような黒髪短髪さえも様になるのだ。
さらに素晴らしいことに、今年は妹のLANA、そしてそのバックダンサーとして姉のLILIも出演を果たしているのだ。3人とも出演しているなんて、全私の細胞が歓喜で湧いた。

最後の曲、『Stay feat.KM』での彼の言葉に食らいまくった。というより気づいたら泣いていた。
「俺ら大丈夫だぜ。そんなの平気。そんなの平気だから。」
ありきたりのような言葉だが、LEXから放たれるその言葉は本当に大丈夫だと思わせてくれるパワーがある。彼自身が一番そう信じているのかもしれないし、彼が親から頻繁に掛けてもらった言葉かもしれない。理由は分からないが、説得力が秘められている。「私、この先も大丈夫だ」と心にそんな安心感を与えてくれたLEX、ただただありがとう。同じ時代に生まれ、あなたの音楽に出会えて本当に嬉しい。


3.BADHOP(1日目)

もう言葉での説明は不要だろう。J-HIPHOPの一時代を築き上げた彼らのパフォーマンスは、圧倒的な格の差を見せつけた。
諸事情あり出演キャンセルとなっていた¥ellow Bucksの出演というまさかのサプライズ。粋すぎる!会場が沸かないわけがない!

そして、重大発表。正直、解散についてはあまり驚きはしなかった。BADHOPとして行き着きたいところへ到達し、それぞれ次のステージへ進むのだろう。今後はどんな形でHIPHOPを盛り上げるのか楽しみでならない。彼らの生み出した楽曲・切り拓いた道は、きっと今後も若い世代へ影響を与え続ける。
にしても、スパッと終わりを決断できる、その度胸と心意気がイケメンすぎるな。

4.Tohji(2日目)

登場前から観客が前へ前へと詰め、周りからはTohjiの名前を叫ぶ声が多く聞こえていた。自らボルテージを上げ、盛り上がる準備をしている様子からもTohjiの人気の高さが読み取れる。

1曲目から『Super Ocean Man』という爆盛り上がり曲!みんなで叫び踊り、海外のお祭りに参加しているかのようだった。

Tohjiの楽曲はまるで意味が分からないのだけど、なぜか彼の創り出した世界観に惹き込まれてしまう謎の魅力がある。頭にこびり付くキャッチーなフックに、踊り出したくなるようなトラック、思わず何度も見てしまうMV。これがアーティストの凄みというものなのか。


5.Awich(2日目)

そして、最後にJ-HIPHOP界の女帝。2日目のヘッドライナーとして、期待値を超えるような仕掛け・豪華な客演を呼び、姐さんの底知れないパワーと野心を感じた。

特に、『GILA GILA』での上昇するステージ、スクリーンに映し出されるメカニックAwichのインパクトは、強烈なものだった。YouTube配信を見ていた方やその他SNSでその一部を見た方も記憶に鮮明に残るほどだろう。

全体を通して、海外アーティストのLIVEを彷彿とされるようなパフォーマンスだった。さすが、グラミーを目指すだけのアーティスト!

今回披露した“どれにしようかな”という楽曲で、男性性を強調したようなマッチョな男性の服をはだけさせる演出に対して賛否両論あるが、私個人としては「いいぞ!もっとやれ!」という感じだ。男性の存在を蔑ろにするというわけではなく、それほど分かりやすい提示をしなければならないほど、日本においてジェンダー問題は深刻なのだ。女性だって自力で欲しいものを手に入れることができる、嫌なことは嫌と言っていい。それをAwichは日本・アジアの一女性として世界に発信し、女性をエンパワメントしている。まさに亜細亜の希望の子(本名の亜希子=Asian wish child)。

まとめ

最高の一言に尽きる。アーティストのパフォーマンスももちろんのことだが、フェスがコロナ前のスタイルに戻ったことがとても嬉しい。

コロナで制限される生活に慣れ、それが普通となっていたが、心ではフィジカルな繋がりを求めていたのかもしれない。こうして見ず知らずの人とHIPHOPというカルチャーを通して一体となれる経験はやはり何にも変え難い。生身の人間が醸し出すエネルギーは凄まじいパワーがある。それは決してオンラインでは感じ取ることができない。リモートが主流になっている私たちにとって、リアルで人と人とが繋がる、その喜びを分かち合うことは幸福そのものに直結すると感じた。

さて、これを糧に日々の生活を生き抜くぞ。来年もPOPYOURSに参戦し、記憶に刻み込み、そして墓場まで持ってくからな✊🏽

▶︎まだまだPOPYOURSの公式YouTubeで当日のパフォーマンスがアップされるからぜひ聴いてみてね☺︎

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