夏のバンクーバーランニング体験記と、彼らの尋常じゃないくつろぎっぷり
7月初め、ワーキングホリデー中の彼女を訪ねてカナダは西海岸のバンクーバーに旅行に行き、折角なので現地をランニングしました。
半年ぶり二度目のバンクーバーランニング体験記です。
基本どっちを見ても天気関係なしに綺麗で絵になる街なのですが、やはりバンクーバーの本領発揮は気持ちよく晴れた夏でした。
皆さんも是非行ったつもりで 楽しんで下さい!
なお七月しょっぱなに夏季休暇をとってしまったので、個人的にはもう今年の夏は終わりしました。少なくとも金銭的には完全に終わりました。
今過ごしているのはただただ暑いだけの残暑です。
スタンレーパーク半周&橋を渡りウェストバンクーバーへ
バンクーバーのダウンタウンと直結している、市民の憩いの場所スタンレーパーク内を散策しつつ、公園北に架かるライオンズゲートブリッジを渡り対岸のウエストバンクーバーへ行って引き返すコース。
かなり登りごたえのありそうな橋だったため、前回から気になっていたんです。
①スタート地点はカナダ・プレイス
ダウンタウン内の終発着駅、ウォーターフロント駅を出て数分のところにあるカナダ・プレイスからスタート。
夏の間は連日クルーズ船が寄港するようで、この日も巨大なアラスカ行きクルーズの他計三隻が係留してありました。
②右手には水上飛行機の離発着場
カナダ・プレイスのすぐ横には水上飛行機の離発着場があります。
街中の駅から徒歩数で水上飛行機を眺められるとは…。
ジブリ「紅の豚」を見ながら育った身としては、生きて動く水上飛行機をこの目で見られただけで感無量。ただ、フロートが下に付いてるカーチス型だから飛行艇(Flying boat)より水上飛行機(Sea plane)というそう。バンクーバーから、州都のあるバンクーバー島等各地を結ぶ旅客機で、数分ごとにひっきりなしに離発着していました。
いきなりランニングから話逸れましたな…
③公園からダウンタウンの高層ビル群を臨む
公園東側を走る間は、右手にヨットハーバー、その向こうにそびえたつ高層ビル群を眺めながら進みます。
日本よりは遥かに過ごしやすいとはいえ、夏のしかも真っ昼間だったのでランナーはまばらでした。
その代わり多かったのはサイクリング。レンタサイクルでスタンレーパーク内を一周するコースが人気らしく、自転車やその他電動キックボード、ローラースケート、電動一輪車まで多種多様な輪っか系乗り物が颯爽と駆け抜けていきました。
しまった…無意識に通行人を避けて写真を撮ってしまって、ランナーも自転車も写っていない…。実際には結構な賑わいでした。
④公園北側~森の中を彷徨う
公園の北側に出ると、対岸のノースバンクーバー、ウェストバンクーバー、そしてライオンズゲートブリッジが見えてきます。
今回はあの橋を渡るため周遊コースを外れ島の内部へ。
自然豊かとは聞いていたのですが、想像以上にひっそりとした森が広がっていました。道を外れてものの数分で全く人影のない森の中に入り込み、ワープして全く別のところに来てしまったかのよう。
なにか動物とでも遭遇しそうな雰囲気でした。
そしてシンプルに迷いました。あっちへ行ったりこっちへ行ったりしつつ橋への道を探す。
⑤ライオンズゲートブリッジ
森をさまよい急な坂を登り、なんとかライオンズゲートブリッジまで辿り着きました!
橋の上は道が狭く、サイクリング者に向けた道路標識には、追い越すときは「Ring or Shout! 」の文字。日本であれば叫ぶのはなんだか気が引けてしまうけども…。
こちらでは橋の上に限らず、通り過ぎざまOn your left! とか声をかけてくれたりします。
橋はかなり長く、渡るだけで1kmほどありました。
⑥ウェストバンクーバー
ダウンタウンの対岸北側はウェストバンクーバーやノースバンクーバーと呼ばれ、坂の上まで高級そうな住宅街が広がっています。橋を渡るのにだいぶ疲弊したのでほどなく引き返すことに。
⑦島の中(トーテムポール、ビーバーレイク)
当初は島の西側を回って帰ろうと思っていたものの、暑さに完全にやられてしまい島内を突っ切って帰ることに。
島内には遊べる広場やカフェ、バンクーバー水族館、そしてトーテムポールがあります。
どこの地域のどのような歴史のものとあまり認識もしないまま、ただトーテムポールの存在だけは単体で知っていたのですが、多分「どうぶつの森」で知ったからだと思います。
⑧ゴール地点 オリンピック聖火台
体力が底を尽き、水も尽き、終盤は意識朦朧になんとか帰り着きました。
スタート地点のウォーターフロント駅前で今回は終了。
美しき街バンクーバー
滞在にバンクーバーの街中を走ったのは一回だけでしたが、いやはややはり、信号機なしでどこまでも遊歩道が続いているわ、どこを切り取っても絵画のように綺麗だわでランニングをするには最高の環境でした。
特に水辺にまつわる景色がとにかく良い。都会の高層ビルとセットで、多種多様な橋、クルーズ船の突堤、ヨットハーバー、水上飛行機の桟橋、公園、海水浴も楽しめる砂浜…と多様かつ美しい景色を味わえる。しかもそれがダウンタウンからのアクセスも良く市民の生活の中に溶け込んでいるんだから、もう完璧です。現実に存在するにはあまりに出来過ぎている、と言ってしまってもいいと思います。
私が村上春樹ならぜひバンクーバーに滞在したい。朝はランニングをし、昼はカフェでベーグルやスコーンを食べ、執筆に行き詰ったら水辺の景色を眺め、夜には地ビールを飲んで過ごしたい…。
村上春樹にはなれなくとも、またいつか暮らすように過ごしつつランニングをしてみたい! と思える、素晴らしいコースでした!
おまけ。 バンクーバー民の尋常じゃないくつろぎっぷり
バンクーバー滞在中、街の様子を見て思ったこと。
前回の冬の時にも屋外で散歩などを楽しむ人が多いように感じましたが、夏のバンクーバーの屋外でくつろぐ人の多さはそれ以上でした。
日本と違い蒸し暑さがないからか、公園や遊歩道を犬と散歩したりジョギングをしたりサイクリングしたり、芝で寝転がって日向ぼっこしたりベンチでおしゃべりしたり、テラス席で食事を楽しんだり、夜になるまでとにかく外で過ごしていて、そのくつろぎっぷりが尋常じゃない。
バンクーバーは夏の間は日沈もだいぶ遅く(暗くなるのは22時頃)、滞在していた家の近くの公園を走った時も、平日の21時だというのに散歩したりおしゃべりしたり芝に座ってギターを弾いたり、それはもう素晴らしいくつろぎっぷりでした。
圧巻だったのがイングリッシュベイビーチというスタンレーパーク近くの砂浜で、訪れた時は平日夕方にも関わらず大勢の人が砂浜で太陽と風を浴びながら気持ちよさそうに座っていました。
彼女曰く夏の間は大体いつもこんな感じとのことで、仕事終わりらしき人たちが(もちろん仕事は定時で終わり)こぞってビーチに繰り出しているんだとか。くつろぐことこそ人生の喜びであり目的、というような勢いと熱量でくつろぎまくるカナダ人を前に、自分の日本での生活を顧みるに、君たちはなんのために生きているのか、と改めて問いかけられるようでした。
もちろん日本は駄目、カナダを見習わんといけんと絶対的に言いたいわけではなく、そこは人それぞれの価値観だと思います。
考えた上で、出世は男の本懐だよと仕事に生きるモーレツ社員になるも良し、バカンスのために生きると自他に公言するのも良い。ただ何も考えず優先順位も曖昧なまま、積まれた仕事が終わらないし周りもしてるし、と流されて延々残業するのは違うやろ、と。
カナダの方が聞いたら、そんなに終始くつろぎまくってるわけちゃうわ、と言われてしまうかもしれんですが。
自分の生き方、何に価値を置くのか、改めてよく考え、考えながら生きようと思ったのでした。
しかし、ある程度残業代を貯めないと旅行にも繰り出せない…!
旅行から帰った瞬間、次の旅行への欲が高まっています。
↑前回(冬)の体験記です