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思い通りになんてならないんだよな〜タコピーの原罪を読みました〜

新年度を迎え、新生活が始まる皆様も沢山居ることでしょう。
例に漏れず僕もそのひとり。
毎年この時期に新たな目標を立てるのですが、夏頃にはそんな話どこへやら。自分の思い通りになんてならないんだなと感じます。

とか言いながらも懲りずに「新たな目標を立てて実行に移す」ということをバカのひとつ覚えでやることにしました。
それは「話題のものに触れてみる」というもの。

今回は話題になりまくった漫画『タコピーの原罪』を読んでみることにしました。

タコピーの原罪とは


タイザン5氏が、ウェブコミック配信サイト『少年ジャンプ+』で2022年3月25日まで連載されていた漫画です。
連載直後から反響が大きく、僕も名前だけは聞いたことがありました。
SNSを覗くと「タコピーがやばい」「タコピーがすごい」などとエンヤコラどっこいしょとなっている光景を何度も目にしました。

僕は本当にそういう世の中の1大ムーブメント的なものに疎いです。
つい最近も「ワンピースがヤベェ」なんて大騒ぎしていたのに、僕はワンピースの記憶が、黒猫の執事が本当は悪いやつで上陸してくる坂みたいなところで戦うところまでしかありません。
(冗談抜きで漫画はそこまでしか読んでいない)

友人にも何度も勧められているのですが、最近はオススメされることも無くなりました。「どうせお前読まないもんな」って言われますし。
悲しいもんですよ。人から諦められるということは。僕が悪いんですけど。

早速読んでみました


というわけで、単行本がつい先日発売されたので購入し読むことに。
まず驚いたのは単行本の値段。600〜700円くらいしたのではないでしょうか?漫画って今こんなにするんだなと驚きました。

事前情報は知っていました。ハッピー星から来たタコピーという宇宙人が、しずかちゃんという女の子と出会い、ハッピー道具という不思議な道具を使ってその子をハッピーにする的な話なのですが、それがなんかゴニョゴニョみたいな。
可愛らしいタコピーの絵柄と、それに相反するショッキングな内容のギャップがウケたのかなと思いました。
いじめ、不倫、DV、自殺、毒親などの題材を見て「野島伸司みたいだな」と呟いたのは僕だけではないでしょう。

考察を見てみた


今の時代は便利ですね。ちょっと調べれば考察サイトやあらすじがすぐわかるのですから。
ということでさまざまな人の考察を見てみましたところ

これは要するにドラえもんなんですよ

という解説に出会いました。
お恥ずかしい話、そう言われなければ僕はこれがドラえもんだなんて1mmも思いませんでした。
人外が秘密道具で困ってる人を助ける=ドラえもんですものね。確かに確かにと感心しました。
だけれど内容はショッキングなものなので「悪夢版ドラえもん」だなんて言われたりしてるそうですね。
社会的な闇を切り取っている内容ですし、考察動画を見てるとすごい話に膨らんでいました。哲学的なとか知的で〇〇批判だとか。
恐らくそうなんですけど、僕にはそれもあまりピンと来ませんでした。

きっと僕がバカだからなのだろうと思います。

僕の感想


「すごい難しい話してるなぁ」と思いながら考察を眺めていましたが、僕が思ったのは

「自分の思い通りにはならない」
「純粋というのは時に残酷」
「無知の恥」


ということでした。

しずかちゃんも家族と幸せになりたいという気持ち。まりなちゃんも一緒。
でもそうはならない。現実は残酷で悲しいものになっています。
タコピーもそうです。「ハッピーにみんななろう!なればいい!」と幸せの押し付けと布教をしていくのですが、それも上手くいかない。

全てがみんなの思い通りになっていないのですよね。

それぞれの感情や憎悪、相手を思う気持ちの全てが噛み合っていない「不協和音」がこの漫画のリズムというか、世界観を作り上げているんだと思います。

次に「純粋というのは時に残酷」というもの。
ここで言う純粋は「エゴ」とか「わがまま」と位置付けます。
読み進めていくとわかるのですが、全員が自分の事を考えているのです。自分の幸せを。

それを痛感したのは第9〜10話にかけてのところ。
ネタバレしないで書くと、押し付けるんですよね。責任を。それは自分が嫌だからではなく「自分の目標や幸せのため」にやっているのではないかなと思いました。相手のことなんて考えてないんですよ。

ですが、それは純粋だからなのです。純粋に自分の幸せ、ハッピーを追い求めたらそうなります。思考回路のバグです。

それが最後の「無知の恥」につながります。
タコピーの言動などがそれの最たるものです。人間の倫理観や感情などがわからないが故にの行動がたくさんあります。それにより事態が悪化することも。
ですが僕はタコピーのことを悪く思えません。それは「相手に何かをしてあげたい」という気持ちがあるからです。総じて僕はタコピーのことがめちゃくちゃ可哀想だなと思いました。
僕も良かれと思ってやることがあるけれど、なんだか上手くいかないという経験を沢山してきました。
求めてないんでしょうね。タコピーに幸せにしてもらいたいだなんて思ってないんでしょうね。

そう思うと悲しくなってきました。タコピー。可愛いのに。


なんだかまとまっているようないないような文章になりましたが、僕のタコピーの原罪の感想文として上納させてください。
結論として「なんだか奇妙な漫画だな」といった感想でしょうか。
初めて『四丁目の夕日』を読んだ時のような、なんとも言えない気分になりました。

以上、話題のものに触れてみようでした。


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