『天启异闻录』 中国ドラマ 鑑賞記録
今年の完走1作目がこちら。視聴動機は主演が 黄轩だから。私にとってはこの方が出てればまず間違いないと思わせてもらえる不思議な信頼感の俳優さんです(笑)
さらに微推しの 芦芳生も出演となれば観ないわけにいきません!
ところが蓋を開ければVFXの怪物たちが暴れまくる、ぶっ飛びドラマでした(笑)
タイトル通りの "異聞録" その感想は、、
魚を食べない孤島が舞台
島でお魚食べられなかったら飢餓必至だろう。なぜかこの島では食べてはいけないことになっている。
明の天啓年間、錦衣衛の 褚思镜(黄轩 演)は軍人の 伯颜(吴樾)と共に奇病が流行っている 鳥暮島の調査に向かう。
かつて双子の弟 褚思钰(黄轩の二役)もこの島で行方不明になっており、褚思镜は密に弟の行方も追うことになる。
島では病人は隔離されているが、それ以外にも不穏な現象が起こっている。
何やら謎の生物がうごめいている気配で…
ミュータントたち
ポスターにはいないけど、本作で重要な役割を担うのがミュータントたち。怪物、化け物、クリーチャー、etc 何と呼んでいいのか分からないが、突然変異の生き物らしく、人間が魚を食べると ”それ” に変質してしまうという疑惑あり。
ミュータントの外見は一つではない。 亀型、蜘蛛型、トカゲ型、などなど色々バリエーションがあって楽しい(といっていいのかな?笑)
非常に不気味な外見で、しかもタフ。やっつけてもなかなか絶命しない。
それらがCGで大暴れする画面はまるでハリウッドのB級作品(といっていいのかな?笑) 時々中国ドラマだということを忘れそうになってしまう。いや、茶化してるわけではなく本当に楽しいのだ。
村人の中に一人の女の子 沈淙(王圣迪 演)がいる。彼女がキーパーソンだ。父親は下級軍人で島に定住している 沈让(芦芳生 演)なのだが、どうやら彼もミュータント化しているらしい。
そして遂に 褚思镜も徐々にウロコ化してくる。時間がない!
島の秘密
なぜ奇病が流行っているのか、その原因と 弟 褚思钰を探し当てること。その二つの命題を背負って 褚思镜が奮闘する。
彼と 沈让、伯颜が連携してミュータントと闘うアクションシーンがめっちゃカッコいい。
彼らを助けるヨーロッパ船の船長 安杰丽卡 アンジェリカ(张榕容 演)もいる。彼女は 佛郎机といわれているが、スペイン人? ポルトガル人?
明の時代の人々はポルトガルとスペインを合わせて 佛郎机(フォランジ)と呼ぶことが多かったそうで、明代のポルトガルとスペインの混合名だそうだ。
(昔少しだけかじったスペイン語力で聴き取った限り、彼女がしゃべっているのはスペイン語。なのでおそらくはスペイン人だろうと推測する)
更に島にはもう一つ謎の "邪教" という闇が存在する。ミュータントの原因は魚ではなく、こちらなのか?
なぜなら彼らは特定の能力を持った人物に操られているらしいからだ。
さらにもう一つ秘密がある。ネタバレになるのでこれ以上は内緒だが…
テーマは何か
かなり異色のドラマであり、筋書きが整っているとは言えないが、ビジュアル的にも面白い作品で爽快に終結した。
特にVFX部分はかなり苦心のあとが見えて、他のドラマにはない魅力を放った意欲作だと思う。
ラストの落としどころは、怪奇現象を扱ったプロット上あれが限界かと思われる。回収できていない伏線は目につくが、バラエティーに富んだミュータントたちと褚思镜、沈让、伯颜の戦いぶりが見応えあったのでヨシとしたい(笑)
描かれる兄弟愛、父子愛、バディー愛も薄っぺらではなくて、よかった。
また最近視聴した 漫长的季节(ロング・シーズン)でも活躍していた 蒋奇明が 邪教の仕切り役 贺子礁に扮しており、怪しい魅力を発揮している。
双子二役に挑んだ 黄轩はその演じ分けも見事で、持ち前の気品が作品に説得力を与えており流石であった。
深読みし過ぎかもしれないが、人間のエゴや環境破壊に警鐘を鳴らしているようにも思える作品だった。
本作でも芦芳生が素敵でよかったです。彼の独特の優しさというか、温かみが好きです。
物理的な接点はないけれど、勝手に家族との諸々でご縁を感じる方です。日本国籍でもいらっしゃるので応援しています。またいろんな作品で出会いたいな。
今回も拙文をお読み頂きありがとうございました。