『ユン・シャン伝』 中国ドラマ 鑑賞記録
楽しみにしていた 陈晓主演作。ただいま 陈晓を4作品(梦华录、尘封十三载、云襄传、冰雨火)連続視聴中なのだけど、この方は作品毎に全く違う印象で魅了してくれるので混乱せずに鑑賞できるのが、唯一無二な魅力だなーと思うのです。
事前情報なしのぶっつけで、音声中文+iQiyi のAI日本語字幕で鑑賞しました。
それでは早速始めますねー。
※ 2024年7月にチャンネル銀河にて放送が決定したのでタイトルを修正しました(2024/07/19)
登場人物
武侠ドラマ。雲台一門で修行を終えた 云襄は山から降り江湖に入る。密かに目指すは自分の一族を滅ぼした敵討ちだ。その一族での実名は 骆文佳、演じるのは 陈晓。武芸値ゼロ。唯一使えるのは「逃十息」という技で、10呼吸の間だけ目にも止まらぬ速さで敵から逃れることができるというもの。この功夫を使う時の映像はアニメっぽくて面白い。
江湖で出会うのが女主人公の 舒亚男。演じるのは 毛晓彤。武芸達者で男勝りな女侠。云襄と愛し合うようになるが実は敵方 凌渊という組織の、頭目の娘 寇莲衣。複雑な立場ゆえに悩みが多い。
めちゃくちゃ頭はキレるが武功のない 云襄と、めっぽう腕の立つ 舒亚男。男女逆転的な対比の面白さも見所だ。
主役二人の脇を支える個性的な人物たちも魅力的だ。
南都の裕福な商家である苏家の長男、苏鸣玉は純真でおおらかな性格ながら侠客にあこがれて武芸をたしなむ。演者は 唐晓天。
姉の 苏怀柔は跡取りとして家を仕切っており南都商工会の会頭を務める商業界の重鎮。演じるのは 秦岚。
苏鸣玉の恋人となるのが 柯梦兰。云襄と苏鸣玉が運営する賭博場の運営を任される。贱籍であるがとても賢く身の程をわきまえ、冷静に 苏鸣玉をサポートする。演じるのは 许龄月。
云襄を武芸で助けるのは 金彪。演者は 刘冠麟。十両で暗殺を請負うので金十両というあだ名を持つが、素顔は弱者にとても優しい。孤児の養育に自らの稼ぎをつぎ込み騙されたりもするが、のちに孤児院を運営するようになる。非常に人間味ある温かい人物で、刘冠麟の素晴らしい演技が作品に奥行きをもたらしていたと思う。
云襄と同じ雲台出身の両替商 莫不凡とその弟子の 康乔。悪と善の間を揺らぐように飄々としている 莫不凡も物語に彩りを与えている一人だ。 康乔との絆も大事なサイドストーリー。
他にも多くの個性的なキャラたちが織りなす、愛あり復讐あり陰謀ありの非常によく構成されたドラマだ。
重厚な味わいの統一感はあるが、かといって重苦しすぎず時にコミカル。各CPの純愛にも泣かされた。主軸はブレずに貫かれているので、楽しみながらも迷わずに彼らと一緒にストーリーを辿れる、感動作であった。
程よい武侠もの
中国ドラマには大別して現代劇と古装劇、その下層ジャンルとして仙侠もの、武侠もの、などなど沢山の括りがあるが、わたしはどのジャンルの作品かよりも「何が主題として描かれているか」と「その描き方」の方が視聴意欲に影響する。古装が好きとか現代劇の方が好みとか一概にはいえない。
中でも特に、登場人物たちがそれぞれ背負った運命や宿命に翻弄されながら己の進むべき道を模索し、葛藤しながらも友情や義理人情や愛を選び取っていく様を描いた物語が大好きだ。
その視点から見ると、本作はドンピシャ!!
正に好みど真ん中のドラマであった。本当に面白かった!
優れた意匠の数々
随所にスタッフの美意識がうかがわれる。精緻なデザインの衣装、独自の世界観を持った美術、調度、そしてそれらを撮影したポスタービジュアルのセンスなどが、いちいち感性に響く。
被写体(人物含め)が美しい上に照明や構図が本当に見事で、写真集にしてほしいくらい。
ここにも無限に画像を貼りたくなってしまう…
また、このドラマチームは配信ライブ形式のプロモーションを何度もやっていたのが印象深い。俳優同志が仲良くないと視聴者にも伝わってしまうからやっても意味ないので、これができるのは現場のムードがよかった証拠、イコールいい作品、という目安になると常々思っている。
では、それらの素晴らしい画像を、最大限控えめにw貼って締めたい。
どうやら陳暁は最近この物語の前段?(未読なので不確かです)のような小説を書いているようです。ご自身の微博に投稿していて2023年6月21日時点で10まで。名前の雲襄に因んで雲の絵文字のパート数で表しているのがカワイイ。役者として演技も一流で、文章の才能まで発揮されるとは! 素敵な人だなぁ。
視聴過去作の10指には入るくらいのお気に入りドラマです。
AI日本語字幕と拙い中文視聴でもこれだけ楽しめたので、ぜひ日本語字幕でまた鑑賞したいと思っています。
ホント、めっちゃ面白かったので、きっとどこかが権利買ってくれてると期待!
本日もお付き合いいただきありがとうございましたー!