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『尚食』 中国ドラマ 鑑賞記録

尚食
尚食 ~美味なる恋は紫禁城で~
配信 2022年2月22日 芒果TV
全 40話

トップ画像 尚食 公式微博


現地配信時から美味しそうなお料理に興味をそそられてた本作。WOWOWで放送になったのを機に鑑賞しました。
ラブストーリーかと思ったらそうでもなく、かといって歴史ドラマでもなく、あれれれれ???

バレて困るほどのネタはないと思われますのでネタバレはありません(笑)
短くサクっといきたいと思います!




主要キャスト 尚食 公式微博


主役

主人公は明朝第五代皇帝宣徳帝 朱瞻基と、その2番目の皇后となる 姚子衿
演じるのは 許凯吴謹言

中国ドラマでよく舞台となる明の第三代皇帝 朱棣(永楽帝)の御世から第四代仁宗(洪熙帝)朱高熾を経て 朱瞻基までが描かれる。史実には忠実だが朝廷や政治の現場シーンはほとんどない。
なので 朱瞻基は凛々しくてめっちゃカッコいいのだが、お仕事場面が少ないせいか今一つインパクトに欠ける。書斎で絵を描いたり散歩したりと余裕(ヒマそう)に見えてしまう。実際は猛烈に忙しかったのであろうが。
とはいえ 許凯の佇まいあるいは演技力の賜物か、威厳のある皇帝っぷりはとてもとても素敵だった!


明代の衣装がよく似合う許凯! 尚食公式微博


姚子衿は宮廷の食を司る尚食の女官なのだが、実は幼い頃に 朱瞻基の許嫁となっている。前半は尚食で女官仲間と共に美味しそうなお料理を作る。
その背景では出世争いや皇帝皇后の食生活、健康問題等々、様々なエピソードが登場し物語を彩る。

朱瞻基は姚子衿のことが大好きなのだがその愛を大そうコジらせており、二人は終始意地を張り合っている。

その姚子衿という人、よく言えば自立していて気丈。反対に言えば自我が強い。決して男性に頼ろうなどどは思っていないので相手の身分が皇太子であろうと皇帝であろうと、極端に頑な。ちっともなびかないのだ。
そりゃ朱瞻基だって手を焼くだろう。

姚子衿の公的なタイトル、孝恭章皇后孫氏の性格は実際どうだったのか…
他のドラマでもやはり気は強そうだ。でもその立場なりの迷いや弱さも描かれていて魅力があった。
しかしこのドラマの場合、俳優の演技によるものなのか演出なのか分からないが、終始一貫してとにかく強い。迷ったり、後悔したり、弱ったりする場面がほぼ、ゼロ。
いつもアゴを心持ち上げ気味にして、どんな時でも窮地に陥っても余裕の笑みを浮かべて、誰にもできない解決を「どうよ?」と言わんばかりにサラリとやってのける人間離れした能力。周囲からは「情け深い」と評価されるが、全てが計算ずくに見えてしまう。
自分の気持ちも周りへの対応も、難なくキレイに処理してサッサと自分だけ前に向かっていく自信たっぷりなこの人、わたしはあまり好きになれなかったなー。


いつも自信たっぷりな笑みを浮かべる姚子衿  尚食公式微博


最初は皇妃(2番手)になることを頑なに拒否し、ずっと尚食の女官でいたいと求愛を拒みつづけていたのに、どういう理屈を付けたのか分からないがなし崩し的に皇妃となる。あれ?なりたくなかったんじゃないの?と視聴者置いてけぼり(笑)
そしてまたしてもバッサバッサと手柄を上げて、ついに皇后の座へと上り詰めるのだった。

皇太后に公然と盾つくわ、皇帝に説教するわ、傍若無人に不遜な笑みを浮かべつつやりたい放題。
冊封用の儀仗や玉璽を燃やしちゃっても皇帝は笑って許してるのだから始末が悪い(笑) 上に立つものは自ら原則をしっかり守り、上下の分をわきまえないと規律が乱れるんじゃない?と思わざるを得なかった。

邦題のサブタイトルにもある通り本作はラブストーリーなはずだが、主人公二人が終始意地を張り合っているのでちっともキュンできなくて困った(笑)

そのあたりがどうも共感できず、かといって歴史ドラマでもなく、もうお料理だけを頼りに40話乗り切ったのであった(笑)



最初の皇后 胡善祥 尚食公式微博



脇役

胡善祥(演じるのは张楠)は最初の皇后で後に病弱で子がいないことを理由に長安宮に退居させられる。善良で自分の立場をわきまえつつ行動する姿に好感が持てた。

何瑞贤演じる 殷紫萍は尚食の女官で姚子衿の親友。この人も善良で情け深く、最後には努力が実を結ぶ魅力的なキャラだった。

游一帆という人。演じるのは 王一哲錦衣衛の指揮官だが、実は漢王(朱棣の次男、朱瞻基の叔父)の子という設定。
姚子衿に想いを寄せていたり、生い立ちが複雑なせいでヒネくれてしまい悪だくみをしたり…と、同じく 王一哲が演じた『大唐流流』の陳吉/覆水のような、今一つ存在意義がよくわからない搔き回し役。
設定が凝り過ぎていて演じにくいのか?いつも無表情な上に演技が画一的。演出の問題なのかもしれない…と思ってみたり。

その他、尚食にも後宮にも朱瞻基の周りにも、いろんな登場人物が出てくるが、主軸に大きく絡む人はいない。
キャラクターも状況も描き込みが浅いので話が上滑りしてしまう。


右端が殷紫萍 尚食公式微博



やはり本作の影の主役は、題名の通り「お料理」なのだろう。
紫禁城の台所、尚食で作られる贅を尽くした見事な宮廷料理が、毎回これでもかと登場し、目で楽しむだけとはいえとても楽しかった。

ドラマ公式微博にはそれらお料理の画像が沢山アップされている。お料理の名前がちゃんと記されているのも、いい。
せっかくなので「主役」の晴れ姿をいくつか貼っておきたい。


尚食公式微博



尚食公式微博



尚食公式微博



尚食公式微博



尚食公式微博



尚食公式微博


あぁおいしそう!!
まだまだいっぱいあるが、キリがないのでこの辺で(笑)




配役が被りまくっている『大唐流流』と同時期に鑑賞したせいで、つい無意識にドラマとしての出来が気になったり、俳優さんの演技力がありありとわかってしまったりと、本筋以外のことに注意がいってしまいました。

暫らくこのチームの作品は敬遠しようかなと思います。
明代の衣装はとても素敵でした。

いつになく温度低めな感想でしたが、お読み頂きありがとうございました!


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