アルゼンチンタンゴと挫折と思いやり
アルゼンチンタンゴのパレハ(ダンスパートナー)と組んでから2ヶ月ほど練習する中で、あまりに毎回の練習で挫折することばかりなので、一度だけ、練習をお休みさせてもらったことがあります。
組んだ当初からレベルが違い過ぎるので予想はしていましたが、「相手に申し訳ない」という気持ちが日増しに強くなったというのが、お休みをもらった一番の原因でした。
私、パレハの足を引っ張りまくりじゃない?
今の状態だと、私がレベルアップするまで、パレハは私の練習に付き合ってるだけでは?
というか、ちゃんとできるようになってから、一緒に練習した方がいいのでは?
という気持ちが大きかったです。
そんなとき、パレハの返答に救われました。
アルゼンチンタンゴは1人じゃ踊れない
「踊りは2人で作りあげるものだから、お互いさまなんだよ」
どんなにレベルの高いリーダーでも、1人よがりで踊っていたら、フォロワーはただリーダーに振り回されるお人形でしかない。
そうじゃなくて、どうやったら2人で踊れるか、レベルが違うならどう相手をフォローしたら踊れるか、お互い思いやることもアルゼンチンタンゴの一部。
そういう風に言っていました。
テクニックが追いつかないのは一朝一夕じゃ解決しないこと。
上手くいったりいかなかったりを繰り返しながら徐々に変化するものだから、自分は長い目で見て、パレハを組むことを考えて決めたから、気にしなくていい。
そんなパレハの言葉をお休みもらった期間に噛み締めて、気持ちを立て直すことができました。
お互いさまの思いやり
そういえば、組み始めのころ、「音楽性の部分では君に頼らせてもらうから」と言われて、複数のビデオクリップや音楽を分析して、色々と話し合ったっけ。
私にとっては、小さい頃から音楽に馴染みがあるせいか、タンゴの音楽を聞くときは個々の楽器の演奏が自然と独立して耳に入ってきます。
何というか、複数の楽器が同時に演奏されていても、何の楽器がどのパートを演奏しているか、聴き分けるのは特に苦にはなりません。
でも、彼にとっては耳にタコができる位、繰り返し再生しないと聞こえない楽器もあるそうで...(師匠のマエストロに言われて、3日で100回聞いた曲もあるとか。)
そんなパレハと音楽の話をするとき、一度も、面倒くさいと思ったことはありませんでした。
相手が分からないのなら、私に分かることは、何でもシェアしたい。
彼も積極的に試行錯誤しているのは感じられたので、私の方もわざわざ時間かけて分かりやすい説明を考えたり、図を描いて整理してから説明したものです。
相手も、そういう気持ちなのかなと。
私も全力で頑張っているから、積極的にサポートしたいと思ってくれたのかなと。
アルゼンチンタンゴ、知れば知るほど奥が深いです。
そして、人間性が良くも悪くも、赤裸々になってしまう踊り...
お互いの思いやりで完成させるダンス、どんどん増えていくといいな。