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未来の世界
未来の世界ではCDを買わなくても良いらしい。
お好みの音楽は新譜から旧譜、洋楽邦楽、ロックポップス映画音楽にジャズにクラシック、歌謡曲から世界の果ての手に入りにくいワールドミュージックまで全てオンディマンドで聴けてしまうという。
そう。まるで、渋谷のタワーレコード全館を自分の掌中に収めたようなものである。それだけでない。一生賢明買い集めた海外盤シングルB面のレアな曲も、いつのまにかデラックスエディションと言ってアルバムの後に追加されたりしている。昔ギンザNOWという番組でレコード掴み取り大会というのがあったが、掴み取りどころか、フロア箱買い、全館在庫引取りで、おまけにマニア向けのシングル盤まで至れり尽せりで目が回りそうだ。
そして、今、ここにあるラジオからダビングしたmaxellのUDIIテープ。多分、NHKのFMから適当にダビングして、曲名も分からず愛聴している曲が幾つかある。おそらく曲名も分からず一生終わると思っていたのだけど、未来の世界では、携帯端末に音を聴かせるだけで曲名を瞬時に検索してくれる。おまけにアナログレコードをハイエンドオーディオ並みの音質で再生してくれるロスレスオーディオで月々安い価格で聴くことができる。まさに夢のような毎日だ。
そんな機械があれば、どんどん音楽に詳しくなれるし、おごずかいの制限なくどんな音楽でも聴くことができる。
未来は街中にも趣味のよい音楽愛好者が増えていて、ミャージシャンやリスナーも毎日がとても楽しいことだろう。おまけに、自分の好みに応じて選曲すらカスタマイズしてくれるという。
嗚呼、IT技術とやらの進歩は素晴らしい。好きな音楽がいつでも手に入る。CDを買うことに沢山のお金を使わなくて良い。好きなアーティストの曲を好きなだけ辿れる。素晴らしい未来だ。そんな未来が早く訪れて欲しい。そうしたら、僕は寝る間を惜しんで音楽を聴き続けることだろう。
空間オーディオ。信じられない。ほっぺをつねってみる。未来が今だ。新しい時代が来た。今、はっきりとそれを感じる。