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Covid-19対策に関して、世界の為政者は科学者の声を聴きながら政治を行っているか
新型コロナウイルス、英語風に言えばCovid-19、の感染防止対策を講じる上で、世界の国々のリーダーが、如何に科学者の意見をとりいれながら施策を行っているかについての記事が、英週刊新聞エコノミスト誌にチャート付きで掲載されています。
記事では、世界の24か国のリーダーが科学者の意見を取り入れ施策に反映しているかという視点で、世界中の2万5千人の科学者にインタビューを行った結果がグラフでまとめられています。
科学者の為政者に対する評価に関する指標は3つ挙げられていて、一つ目が、意見を(十分に)聴いてもらえている。2つ目が、どちらでもない。3つ目が、全く或いはほとんど聴いてもらえていない、です。
ベスト5とワースト5をご紹介します。
まず、ベスト5が、
1位 ニュージーランド、2位 中国、3位 アルゼンチン、4位 デンマーク、5位 ドイツ
続いて、ワースト5が、
1位 アメリカ、2位 ブラジル、3位 英国、4位 ロシア、5位 スペイン
ちなみに、日本と他のアジア諸国を見てみると、
中国(2位)、韓国(7位)、日本(17位)
であり、日本の為政者は、自分たちの意見を聴いてくれていない、という科学者からの評価をもらっているようです。いったい、誰の意見を聴いて施策を決定しているのでしょうか。それとも、誰の意見も聞かずに決めているのでしょうか。国民の一人として気になるところです。
記事から伺えることとしては、科学者が、疫学的見地からロックダウンのような移動制限を伴う比較的強めの措置を進言するのに対して、リーダーの反応としては、速やかに従うタイプ、悩むタイプ、全く気にかけないタイプ、などに分かれるようです。
ちなみに、今回の記事は、科学者の意見を聞くか聞かないかのスコアであって、実際の感染者数や死亡者の人数との因果関係などについては、特段言及されていません。
行政機関は、施策の内容を決める際に、学識者や専門家などの外部者の意見を聴くことがよくあります。それは、その道のプロである専門家の意見を聞いた上で、政治者としての判断-より良い判断-を行うためのものだと、私は理解しています。
今回の調査に含まれる24カ国のリーダーの専門家の意見に対する反応は別れました。ただ、大事なことは、リーダーや政権、あるいはその指示を受けた官僚組織が、最終的にどう判断し、どのような施策を具体的に打ち出すかだと思います。
施策がうまくいけば国民から讃えられ、下手を打ってしまうと、何らかの形で責任を取らされ、地位を失ってしまうかも知れません。
為政者は、「疫学的」以外の見地についても考慮に入れつつ、全体的な判断を、しかも最善と思える判断を下すのが仕事です。それこそが時の為政者の国民への約束事(政治)であり、最終的なリーダーへの評価は、そこで判断されるべきなのでしょう。