5.内村さん
体操男子で五輪個人総合2連覇の内村航平(33=ジョイカル)が12日、競技人生最後の舞台「KOHEI UCHIMURA THE FINAL」(東京体育館)を終え、都内で会見した。 主な一問一答は以下のとおり。 -演技を終えて 「僕が主役でしたが、リオ、東京のメンバー呼んで、みんなでつないで、すごく良い演技会。ほとんど試合みたいな感覚でできてて、団体戦をやっているかのような。日本代表で。世界選手権、五輪のような、感覚がよみがえってきました。僕としてはみっともない演技だったなという感じでしたが、前半のゆかの着地はこだわれたのかな。あとはお客さん、あそこまで入ると気持ちも上がるなと。ものすごくいい舞台を用意していただいたと感じてます」 -演出の印象 「種目をライトアップして見せるやり方も選手と打ち合わせて。本来は全部を暗くして、その種目だけを明るくしかたった。それだとあん馬と鉄棒は難しいと。でもメリハリもあったと思う」 -演技自体は 「やはり60点ですかね。最後の最後まで自分には厳しかったです。最初の床運動の着地を決めて『まさか、あるかな』と思ったんですけど、そう思った時点で負けでしたね。試合じゃないとはいえ、人に見せるので、恥ずかしい、みっともない演技みせたくないとやってきたので、それでも、本番でうまく見せられない。だから『ザ・ファイナル』なんだな。6種目やる過酷さ。終わった瞬間から全身痛くて辞めて良かったと。でも、半々だな。今日で試合と同じ刺激が体には入ったので、今後は体の状態は良くなる。技術追求などはやりやすくなるのかな。『もうやらなくてもいいかな』という半面と、『やれそうだなという半面』とみんなに言ってました」。 -今後目指すもの 「体操にいろんな分野で関わっていたい。表にそれが出なくても、体操のイベント、関すること、裏で全部関わっているらしいといううわさ程度で。それがいいかな。体操の事は自分が一番知っておきたいということですね。体操についての勉強、研究をやるはずなので、後輩たちにはよりよく分かりやすく技術を教える、あとは普及ですね、あとは価値の向上もそうです。選手たちの頑張りが必要になりますが、そこも貢献したい。体操というジャンル全てに関わるくらいですね」。 -研究とは 「大学院に行ったりとかは、それは勉強で、勉強は嫌いなので(笑い)。人に教えられるより、自分で進んでやりたい。練習は続けていく。練習の中でこういうやりかたもあるんだと、日々の練習で、いまのところでもいっぱいある。果たしてどれが効率がいいのか。練習の中で研究をしていきたい」。 -演出のこわだり 「まずは(日本では)演出のある大会がないので、きっかけになればいい。あとはお客さんを体育館レベルの(選手と同じような)視点で見てもらいたいと。もらうことで新しい体操の魅力を知ってくれて、リピーターになってくれるのかな。毎回毎回が難しいと思うので、大きな企業に目を付けてもらうというのが一番近道なのかな。これだけのことやるにはお金を出してもらわないと始まらない。まずはいろんな人に見てもらう、小さい輪が大きくなり、つながるはず。まずはこれをきっかけにというのが強い。僕1人でやれるものではないので、今後機会あれば同じように協力してほしいな。今日やってみてアイデアもある。アップデートしていけたらいいなと思ってます」。 -「美しい体操」とは 「体操を見ていると思わせないこと。目指す美しさとはなんぞやと聞かれた時には芸術作品でないといけないと。絵を見ているかのような、流れるような川の流れをみているなど、○○のような、という表現をしてもらえると本物なのかな。体操を見て、見せ方がすごい、ではまだまだかな。マンガで必殺技の時になんか憑依(ひょうい)している。まさにあれ。実際に見ているけど、何かかが憑依(ひょうい)している。漫画的な所まで伝えられる。それが美しいということ」。 -1月の引退会見から今日までの発見など 「『どうしよう、何をしよう』と悩んで、全盛期と比べると技もやってないですが、それでも6種目やることの過酷さを感じた。技をやらなくても、すべてを完璧にこなす。あらためて難しいんだな。それが以前はできていたと考えると、自分が恐ろしくなりました。むなしく、悲しく、より、その頃の自分がいたことを恐ろしく感じた。でも迎えるまでに調子も上がって、イベントやってみたら「6種目できるんじゃないかな」とも考えていたんですけど、今日やってみて無理だったなと。あらためて感じたので。でも、演技として作らなければできるかな。伸身の「ブレトシュナイダー」、今日やります、みたいな。明日はコバチの高さの研究とか。日でテーマ決めると、体に負担少ないし、より集中できるかなと」。
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