そこのリーガル系マーケ担当に告ぐ
本記事は、裏 法務系 Advent Calendar 2024 (#裏legalAC)7日目のエントリーです。大好きな姐さん・マギー住職からバトンをいただきました。姐さん、来年こそ一緒に飲みましょう…!
こんにちは、はじめまして、Miyaです。ヘルスケアアプリを提供するIT企業の法務部でひとり法務・ひとりマネージャーとして働きながら、複業で法務以外のお仕事をやっています。
ありがたいことにここ数年、リーガルテック企業や、法律系出版社のマーケ担当の方から、登壇・寄稿・取材のご依頼を定期的にいただきます。皆さんのお話を聞いていると、各社、わたしのように依頼を受けられる法務部員を常に探しているようです。今回はそんなマーケ担当の方々に向けて、筆を執ってみます。
登壇・寄稿・取材を受けてくれる法務部員を捕まえたいけど、なかなかうまくいかない…そんな悩みに少しだけ寄り添えたら、という話をつらつら。
自分の実現したいことを知る
皆さんは、どんなセミナーをやってみたいでしょうか。どんな原稿に、どんなイベントに、どんな企画にしたいでしょうか。それらを実施した結果、どのような利益・便益を得たいでしょうか。
何はともあれ、すべてはここから始まります。その企画に携わってくれる具体的な法務部員を思い浮かべることが先行してもよいとは思うのですが、まずは「自分の考える最強の企画」を思い描いてみてください。
(本当にあったこと #1)
「Miyaさん、今回はよろしくお願いします。で、どんな内容のセミナーであればお話いただけますか」
ええと…なんでわたしに頼んだの?
相手を知る
皆さんの考えた最強の企画には、法務部員が必要です。「この企画をやりたい、だからこの人に頼みたい!」と思った法務部員Aさんは、どんな方でしょうか。
普段はどの会社でどんな仕事を担当していて、どのSNSでどんな情報発信をしていますか。
周りの法務部員や取引先からの人物評はどんなものでしょうか。
他社の媒体にも出ている方でしょうか。インタビュー記事や寄稿した記事、登壇したセミナーやイベントの記録が残っていたら、必ず確認しましょう。
それらの感想を手土産に、Aさんとコンタクトを取り、会話をしてみてください。Aさんはきっと、あなたが自分の存在を知ってくれていたこと、とても喜んでくれるはずです。
(本当にあったこと #2)
「Miyaさん、今回はよろしくお願いします。Miyaさんって、普段はどんな活動をされているんですか」
ええと…なんでわたしに頼んだの?(再)
(本当にあったこと #3)
「MiyaさんのXのハッシュタグ面白いですね。こないだのnote読みました。余白のサイトも定期的にみてますけど、クライアント増えましたね!」
Oh…全部見られている…うっかり火炎瓶投げないようにしよう…...
法務部員側の事情を理解する
皆さんから「登壇/執筆してくれそうな法務部員をどなたか紹介いただけませんか」とお願いされることもあります。何人か思い当たって声をかけるのですが、何人かには断られてしまいます。
尻込みしている法務部員の話を聞くと、こんな事情を抱えていることがわかります。
経験がない
自分にできるかわからない
人前で話す/書くのは緊張する
会社の規定上、対外活動が認められていない
対外活動にかかる社内手続きが煩雑
上司が嫌がる/ 同僚にどう思われるか不安
依頼元が自社の競合他社にあたる場合、受けられない
興味はあるけど、忙しい
どれぐらい時間を取られるんだろう…
さあ、ここは皆さんの腕の見せ所です。
会社の規定はどうにもならないかもしれませんが、「経験がないからこそ、踏み出してみませんか」「緊張しないようリハーサルしましょう、一緒に台本作りましょう」「こんなテーマだったらいかがでしょう」「お手間を取らせないよう、こちらでここまで支援します」という熱意や具体的な対応を提案できたら、Aさんは皆さんの依頼を受けてくれるかもしれません。
伴走者として、ひた走る
法務部員は、(一部のインフルエンサーやインハウスロイヤーを除き)ごくごく普通の会社員です。
百戦錬磨のセミナー講師でも、すぐに出版できるレベルの原稿をすらすら書けるライターでも、マーケティング戦略に精通しているわけでもありません。言葉を選ばずにいえば、皆さんの業界の常識が通じる相手では必ずしもありません。その領域のプロフェッショナルである皆さんと対等にやりとりできることは多くありません。
なので、皆さんの貴重なノウハウやナレッジは、ぜひ共有してください。わからないなりに真面目に頑張る法務部員と、企画の成功に向けて「最後まで」「一緒に」走っていただけたら、とてもうれしいです。
MiyaさんをMiyaさんたらしめた、マーケ担当の言葉
わたしが社外で法務部員としての発信をはじめたのは、某リーガルテック企業のマーケ担当の方の熱意からでした。
「Miyaさんは社内でこんな活動をしていると伺いました。それは弊社のこの取り組みにフィットします。この取り組みを通じてMiyaさんの活動や思いを発信してくださったら、他社の法務の方の助けに、絶対になります」
4年前、彼女と出会ってこの言葉をもらわなかったら、今のわたしはありません。一歩踏みだす勇気をくれた彼女に、本当に本当に本当に感謝しています。
ひとりの法務部員の人生を変えるのは、もしかしたら皆さんかもしれません。
本日の1曲は、もちろんこれです。「ただちに熱くなれ」。おあとがよろしいようで。
お読みいただきありがとうございました。明日はbkremoteさんの記事をお楽しみください。Happy Holidays!