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ととのう孤独

最近ときどき個室サウナに行くようになった。
サウナ室に寝転び、好きな音楽をかけ、気が向いたらサウナストーンに水をかけ、ロウリュなどをする。目を閉じてただじっとしたり、ストレッチしたり、呼吸を整えて瞑想したりする。
サウナ初心者、水風呂はまだ苦手。満足できる量の汗をかいたら、シャワーを浴びて水を飲んで外気浴。この繰り返し。2時間はあっという間だ。

個室だから自分の他には誰もいないし、誰も声をかけてきたりはしない。服も着ていないしお化粧もしていないから、当然すぐには外に向けた活動はできない。物理的にPCやスマートフォンを触ることのできない環境に身を置き、たったひとりの時間を過ごす。
この環境を作るために、わざわざお金と時間を使って個室サウナに行くのだ。ばかげている?

でも、そうでもしないと外界と自分の隔たりは作れない。都心で24時間働き続けることにフルベットした身は、知らず知らずのうちにぼろぼろになっていることに気がつく。この状態ではよいパフォーマンスは望めないし、向き合う他者のニーズを優先しすぎたあまり、自分を大事にできていなかったことに落ち込みだってする。戦い続けるために必要な孤独だってあるのだ。

孤独は人を滅ぼす。でも、選択できる孤独を知っている人間は、しなやかに強い。高温多湿の空間でひたすら頭をからっぽにすることに集中して、そのあとひとつひとつ自分の抱えるタスクや課題について分解する。分解して、サウナ室のほわほわした蒸気に浮かべ、それぞれのことをゆっくり眺められる状態にする。そして、そっと彼らを汗とともに水に流す。

芯まで温まった体と、すっきりした思考で外に出る。素敵なサウナを紹介してくれた秘書にお礼とともにこんなことを話したら「そうそう!そういう女性経営者が多いんですよ!だからみやさんは気に入ると思ったんです」と言われた。
世の女性経営者(サンプル数は知らないけれど)の時間の使い方と、孤独の楽しみ方の一を知る。


本日の1曲はaloneをテーマに…クリスマスといえばHome Aloneだよね。イギリスのフォーキーで美しい和声で今年のホリデーをはじめましょう。素敵な1年のしめくくりとなりますよう。


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