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なんだよ、ほんとうにただのつぶやき。


いつもながらすみませぇん、今日の一曲聴きながらどうぞ(*´Д`)
ジョージ・ウィンストンさんの「あこがれ/愛」です。


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雨の日に、露天風呂に入るのが好きだ。

雨の滴が水面に弧を描き、波紋がまるく、何層にも広がってゆく。広がって行ったその先で、そこかしこから広がってきた幾層もの丸い輪っかにしゅんしゅんとぶつかって、それはどこかに吸収されてお湯の何処か奥底へと消えていってしまう。空からの雨が延々と降り注ぐ限り、けれど、同じ形が2度とは現れない、奇跡のようななんでもない光景は延々と産まれては消える。そんな光景を永遠に眺めていると、なにか大切なことをすっかり忘れていたのではないかという気持ちになり、でもだからといって思い出そうとも思わないのだ。大切なことをすっかり忘れてしまうのはいつものことで、私は忘れてしまうことにいつもいつも溺れていたいのだ、きっとそう。だから思い出さなくていい、大切なことなんて本当は何一つ、思い出さなくても良いのだ。私は、忘れていたい、忘れていたいのだ。ずっと。何ひとつ、本当のことなんて知りたくはないのだ。

お風呂から上がって、外をぷらぷらと散歩をする。本屋さんに立ち寄り、本を買う。喉が渇いたのでタリーズに入り、アイスのロイヤルミルクティーを買ってから、ふかふかのソファーにからだをうずめる。本を読んだり、ひたすらぼーっとする。ただただ、道行く人たちを観察するのが好き。

二歳くらいの男の子がお母さんに連れられて、近くの椅子に座る。お母さんはひどく疲れた様子で椅子に座ると何処か遠くのほうを、見つめたままぼうっとしていた。
わたしは、わくわくしながら男の子のほうを見る。
やった!案の定彼は私の顔をがっつりと見つめてくる。こういう子が大好物だ。
少しのあいだ、私たちは見つめ合う。
彼と私のあいだには何も存在しない。お互いがお互いを必死にさぐりあう。
こいつ一体何者だ?野性にも似た本能の探りあい、好奇心や興味のぶつかり合い。
わたしは、少し真顔で見つめたあとニヤッとわらう。都会の人混みの中で、誰も彼もが他人には干渉しない。じっと瞳を見つめても、真っ直ぐキラキラした瞳で見つめ返してくれる人間てのは、いったいいくつまでなんだろうか。
そんな純粋で儚くて小さくて強い、こども という生き物が好きだ。

少し、見つめあったあと、私から視線を外す。


私は小さくあくびをして、
また本に目を落とした。




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ジョージウィンストンの曲を初めて聞いたのは小学生の頃。
衝撃だった。
「あこがれ/愛」という曲だったけれど、私は知り合いのお兄さんが持っていたそのアルバムのジャケットを見て即座にアルバム名を記憶。
そこには「オータム/ジョージ・ウィンストン」の文字。
私は早速翌日レコード屋さんにお小遣いを握りしめて、向かった。
店員さんに尋ねる。
「すみません、オータム・ジョージ・ウインストンさんのレコードをください。」
店員さんは首を傾げて少し考えてから、ぷぷっと吹き出して言った。
「ああ、はいはい、ジョージウインストンのオータムというアルバムが欲しいのね」


小学生ながら、恥ずかしくて顔を赤らめたことを思い出しました( *´艸`)




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