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山への「想い」のこと
もう11年前のことになるが、どうすれば林業に携わる人々の想いを継承していけるか、という議論をした際に、スイスの方々に教えていただいたこと。改めてここにメモしておこうと思う。
山に関わり続けてきた人たちの想いは大事だけれど、忘れてはならないのは、これから山に関わる人たちの想い。つまり、経験も地位もない若い人たちのそれ。未来は彼ら彼女たちのものなのだから。
要注意なのは、「想い」と「手法」を混同しないこと。「我々は今までこうやってきた」という前例主義に陥ってしまっては前進や変革はあり得ない。日本の林業が上手くいっていて輝かしい未来が待っているのならともかく、そうではないのであれば、今までのやり方は変えるしかない。
もし「想い」が意識改革や体質改善の助けになるなら、積極的に支援すればよいし、逆に、足かせになるなら「新しい想い」が必要なのだろう。
いずれにしても、我々はそれらの「想い」から出発するのではなく、原点に戻ってゼロから考え直した上で、新たなシステムを再構築し、解決策を考えたい。そして、それらと山に関わる人たちの想いを両立させて行かなくてはならない。
フォレスターの仕事とは、例えばそういうこと。