マンパワーの割合を上げよ
11年前に参加した住環境セミナーのメモを再掲。今読み返しても原則論は変わっていないと思う。
家の相談は建築・設備・エネルギーをトータルで扱える建築家に頼むこと。
最適室内温度は22℃±2℃(ISO=国際基準)。気温の数値と体感温度は異なることがある。重要なのは体感温度。体感温度とは、空気温度(気温計の温度)と壁の表面温度を足して2で割った温度。気温計が最適温度でも寒く/暑く感じるのはこのせい
空気の移動速度と体感温度の低下は比例する。冬は室内空気を大きくかき混ぜないことが原則。つまりエアコンやファンヒーターで暖房するのは効率が悪い。
大きな窓がある場合、下にヒーターを置いて窓沿いに弱いな上昇気流を作るだけで室内気候は劇的に改善し、快適かつトータルで省エネになる。
冷たい床に足を乗せると、瞬間的に血圧が大きく上昇する。住居での年間死亡者は18,000人、その多くが風呂とトイレであることにもっと注目すべき。
部屋の仕切りには断熱材が入っていないことがほとんど。部分暖房よりも全館暖房の方が効率がよい大きな理由のひとつ。
一旦冷えきると(温まると)再び温める(冷やす)のには大きなエネルギーを要する。適切にコントロールされた「つけっぱなし」は無駄ではない。
木材は多くの面で優れ、かつ日本ではやりかたによって地元に金を落とすことのできる数少ないマテリアルのひとつ。既製品・二次製品は便利だが、アラブや東京にお金を支払うだけになってしまうことに要注意。
付加価値の低い作業は機械化などで人手をかけず、付加価値の高い作業では逆にマンパワーの割合を上げていくことが大事。この使い分けを徹底しないと地域経済が疲弊し、結局自分も損をする。経費削減のために人件費(単価)に手を付けるのは最後の手段。