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林業のキャリアパス

「4月から社会人大学院に通うんです」
「どうしても勉強したくて放送大学に入学しましした」

そういう同世代の知人・友人が何人かいて、recurrent education (リカレント教育、学び直し)という考え方が日本にも紹介されて久しいけれど、実際に一歩を踏み出す人は率直に尊敬する。

先日某アカデミーのスタッフと雑談をしていて、今思い返せば、大学で学ぶということは、「ものごとを筋道立てて考える」ことを身にけるという意味があったんだなあ、という話になった。

すなわち、論理的思考のこと。もちろん大学を出てなくとも身についている人はいるし、出ても身についていない人はいる。だから出ればよいというものではないが、大学に行くことの意味の一つとして、なるほどと思った。

知識や情報はたくさんあるけれど、何を言っているか分からないと言われる、あるいは何を言いたかったのか分からなくなってしまう、という人は、リカレント教育にその動機付けをしてみてもよいのかもしれない。


自身の仕事の立ち位置はこの年度初めでは変わらないが、周辺で異動や退職などが重なり、相対的にはいろいろ変化がある。

日本の林業は、賃金や労働環境の問題と同時に、キャリアパス(職歴をどう重ねていくか)が示せていないことが人材確保の根本的な課題ではないのか、と随分前からスイスの林業関係者には指摘されていた。

これは経営者としてとても重い課題で、いま自分の結論は、それは業界ぐるみの職業訓練と一緒に取り組んでいかないと解決できないということ。なぜならば、今の時代、キャリアパス形成と職業訓練、あるいはリカレント教育は切り離すことができないから。

逆に言えば、ここのハシゴが外されるようなことがあれば、それはこの業界を諦める時なのだろうなと考えている。キャリアパスなんて自分で開発していくものだろうという価値観もあるかもしれないが、それはちょっと雑な議論のような気がする。

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