受験で身に付けたことは合格後も役に立つ
こんにちは、山藤あるとです。
受験生活では、ひたすら合格までに必要なことを追い求めることになりますが、そこで身に付けたスキルや思考法、得た経験など、合格後に役立つものも多いです。
合格後も役立つような普遍的な方法論を身に付けたから上手くいったのかもと思うこともあるくらいです。
合格後に役立つ思考法
逆算思考
逆算思考は日常的に特に意識せずとも使っている印象です。
仕事のほとんどは期限があると思いますが、公認会計士の仕事も、決算のタイミングなどで周期的に期限がやってきます。
公認会計士の監査業務でも、複数のクライアントを担当することは一般的であり、同時並行して進行していきます。
それぞれに間に合うように仕事をする必要があり、そのためにはこの時期にはこの仕事をしておこう、といった全体を俯瞰して段取りを考える必要があります。
この感じは、ある種、複数の試験科目の勉強を切り替えながら同時進行していくことと似ている気がしていて、実務でも役立つ思考が受験生活を通して身についたのだと思います。
期限がはっきりしないものも期限を決めてしまうことで、全体のスケジュールを俯瞰しようとする習慣もついたなと思います。
逆算思考からの派生
受験勉強を振り返ってみて仕事でも思うのは、結局コツコツやるのが大事、ということです。
例えば、帳簿をつけるというのはなんだかんだ大変です。
領収書整理等も含め作業な部分が多くて時間もかかるため、なるべくやりたくないという人は少なからずいらっしゃいます。
(だからこそ、記帳代行というサービスが成り立つともいえます)
もちろん、専門的な知識がある分、専門家がやった方が時間がかからないとかはありますが、効率に差がある程度です。
個人的には、専門家だからといって楽しんでやっているわけでもなければなるべくやりたくないという気持ちもないわけではないです。
ただ経験上、やりたくないからといってためてしまうと後が大変ということを知っているからこそ、コツコツやれる、全体を俯瞰して考えるとコツコツやる方が楽なのである意味楽な方を選んだ結果コツコツやっている、という感じかもしれません。
立替経費の経費精算も、日々やるにはちょっとした手間ですが、ためてしまうとひと仕事になり、放置しておくと大仕事になります。
大仕事にならないように逆算してちょっとした手間のうちに片づける、というのは逆算思考から派生した発想かなと思います。
PDCAサイクル思考
受験勉強は、大きく4つのステップを回して目標に近づいていくものだと考えています。
①目標を立てる
試験でいうと、大きいところではいつ合格するか決めることです。
日々の勉強では、今日克服する課題とか勉強の計画などを決めることも目指すポイントを定めるという点ではこのステップです。
②現状を把握する
答練の成績などから、自分の位置を把握します。
③原因を分析する
目標と現実のギャップについて、それがなぜ発生するか、原因を分析します。
科目別や論点別、細かいところではこの答練のこの解答欄等、さまざまな大きさでギャップを考えます。
ここが甘いと④の対策も中途半端なものになりがちです。
勉強している割に成果がついてこない時は、ここが不十分な可能性があります。
④対策を考え実行する
③で分析した内容を踏まえ、それを改善するための対策を検討し、実行します。
自分の課題を改善できる勉強内容を考え、実際に勉強し、また①に戻ります。
いわゆるPDCAサイクルですが、限られた時間内で最大限の成果を出そうとすると、しっかりと意味のあるサイクルを回す必要があります。
受験生活という環境は、そのサイクルを大きいところから小さいところまで何度も繰り返していくことになるため、PDCAサイクルを実践して身に付けるのに適しています。
PDCAサイクルの留意点
PDCAサイクルは、受験勉強を通して身につけたものではありますが、目的達成のための道筋という点では、受験勉強に限らず使えます。
他で活用する際も4つのポイントすべて重要ですが、分析のステップがあまり意識されない傾向にある気がしますので、特に大事にしてほしいところです。
例えば、「○○といった問題点があります(目標と現状)が、どうしたらいいと思いますか?(対策)」というケースではやはり分析のステップが飛ばされています。
問題点が生じている理由を検討しなければ、その対策も考えにくいだけでなく、考えた対策が有効かどうかも判断しにくいでしょう。
対策のステップは、問題点解消に対する一つの答えを考えるものです。
答えは問いに対応したものでなければなりませんが、問いが適切でなければ答えもおのずと適切ではなくなります。
分析のステップは、その問いを適切に設定する段階といえます。
問題点がある、というだけでは問いとしては不十分です。
その問題点は改善する必要があるのか、なぜ改善しなければならないのか、どの程度改善しなければならないのか、等、答えられる問いになるように噛み砕くことが重要です。
少しズレたことを考えたり話し合ったりしないためにも、4つのステップをしっかり踏む意識を持っておくことは、いろんな場面で役に立つはずです。
合格後に役立つスキル
電卓スキル
実務ではパソコンも使うようになるため、電卓を使用する頻度は減りますが、必需品の一つではあります。
受験勉強中ほど電卓は使わないので、さすがに衰えたなと思いますが、周りの人からすると驚かれるくらいにはまだ打てているようです。
それくらい染みついたスキルとして合格後も役立ちます。
要約スキル
また、理論科目の勉強を通して、本質は何か、要するに何が大事なのか、といった観点で物事を理解するよう取り組む姿勢が身についていると思います。
そういう押さえどころをまず見抜ければ、その後の理解もはかどりやすいです。
会計士試験合格後も、新しいことを勉強する機会はたくさんあります。
このような勉強は試験とは違い、すべて記憶してしまうほどきっちりやらなくてもよいとも言えますので、いかに早く要点を押さえるかが重要です。
いわゆる要領が良くなるといったところでしょうか。
回答を書く際にも、覚えたものをそのまま吐き出していては長くなりすぎることもあり、出題者の意図を踏まえつつ回答を要約してコンパクトにする、といったことを繰り返した結果身についたように思います。
時間管理スキル
他には、時間の使い方にも意識が向くようになった気がします。
この辺りは自分ももっと上手に時間をやりくりできるように工夫を重ねていこうと思っているところですが、多科目を同時並行して勉強する際のバランスのとり方が参考になっていると思います。
仕事となるととにかく終わるまで時間をあるだけ使ってしまいがちですが、ある程度品質を保った上で期限内に終わらせることも大事です。
こういう、「スピードも質のひとつ」という発想も受験時代に培われたもののように思います。
まとめ
・逆算思考は全体を俯瞰して考えられるようになる
・PDCAサイクルをしっかり回せるようになれる
・ポイントを素早く押さえられるようになる
・時間の使い方を意識するようになる
私の経験での合格後も役立つことをいくつか挙げましたが、人によって他にもいろいろあるでしょう。(集中力を持続させやすくなった等)
受験勉強中の今の努力は、たとえ受験を諦めることになったとしてもすべてが無駄になるわけではありません。
受験生活中は近視眼的な視点になりがちですので、こんなふうにちょっと引いた視点で考えてみるのも、ちょっとしたモチベーションにつながったりするのではないでしょうか。
最後までお読みいただきありがとうございます。
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