【相場概況】1月BOJ金利据置、いつマイナス金利解除?
元メガバンクトレーダーのfurukayです。
今年の日銀動向について考察していきます。
昨日(1/23)は日銀政策決定会合(BOJ)があり、金利据え置きが発表されました。
昨年末時点では、12月FOMCでFedピボット(ハト転)が確認されたことで、Fedが利下げに転じる前にマイナス金利を実施しなければ極度の円高は避けられない、という思惑から今月のマイナス金利撤廃の声が上がってましたが、年初の能登半島地震に対する配慮や、年初からの株高に対して冷や水をかける必要がない、という判断からか、今回は見送られたのではないかと考察します。
今回のBOJでは展望レポートという日銀見通しも公表されてます。
注目すべき点は物価見通しです。
コアCPIに関しては、以下の通り 24年度下方修正、25年度上方修正となっております。
植田総裁は記者会見で「マイナス金利解除、物価目標が見通せる状況になれば検討する」と発言しており、市場では2026年度の物価目標発表がある4月がマイナス金利解除のコンセンサスとなっております。
ここからは個人的な見解ですが、私は以前金融政策正常化は秋の総裁選後というスタンスでしたが、早ければ市場コンセンサス通り 4月にあるのではないかと考えております。
日銀の目標は言うまでもなく「物価(インフレ)の安定」です。
これまでのインフレは【コストプッシュ型】に拠るものでしたが、これは日銀が望むインフレではなく、本来であれば【賃金上昇型】によるインフレが期待されるものでした。
2024年度の物価見通しからもわかるように、【コストプッシュ型】インフレは一服し、
10月比下方修正しております。
また、2025年度の物価見通しは足元の大企業賃金引上げ報道を受けて【賃金上昇型】インフレを織り込んで、若干ながら上方修正しているように見受けられます。
3月春闘で大手企業のベア(3%程度?)達成を確認し、4月のBOJの展望レポートで26年度の物価目標で2%程度になることを公表すれば、ロジックとしてはマイナス金利解除は違和感ないかたちとなります。
より保守的に考えると「中小企業の賃金動向まで確認する必要があるのではないか」という声もあるかと思います。
そのケースで行くと7月の賃金統計まで中小企業まで賃金上昇圧力が波及していることまで確認し、7月のBOJの展望レポート発表とともにマイナス金利解除になるのではないかと思います。
ただし、秋には日本の総裁選や米国での大統領選、それに先駆けたFRBの利下げ (2024年:Fed年3回利下げ見通し、市場年5~6回利下げ見通し)があることを考えると、Fedが3月・6月と仮に利下げをする中で7月のBOJの利上げは難しいのではないかと考えます。
また、日銀には政治面でも追い風が吹いており、保守派の安部解散という流れがある中、金融政策正常化は依然よりもやりやすくなっており、また株高・円安という今のマーケット環境も政策変更を後押しする材料となっております。
よって、私のビューとしては4月にいったんマイナス金利解除。
その後しばらく「緩和的な金融環境」を継続する想定。
過去30年の歴史では利上げサイクルはできて+0.5%ということなので、今回もその程度と想定しています。また大手生保の負債利回りは2%なので、長期金利が2%を超えて大きく上昇することも想定し難いです。
まとめ
<今後のBOJ>
1/23(展望レポート有)今回据え置き
※植田総裁「展望レポートない会合でも政策変更はありうる」
3/18
4/26(展望レポート有:2026年度物価見通し発表) ←市場コンセンサス
6/14
7/31(展望レポート有)←中小企業賃金次第?
9/20
10/31(展望レポート有)←総裁選後?
12/19
以上です。