考える葦、を考える人。
私が勤めているスナックの常連さんと話していた時、彼は私に「人間とは考える何であるか、知ってるか?」と尋ねた。
「人間とは考える葦である、ですよね」
フランスの思想家、パスカルの名言。
続けてその言葉の意味を問われたので、人間は弱い植物のひとつだが考えることができる葦という意味だと返事をした。
男性は満足そうに「一般的にはそう言われているが、僕はこう思うんだ」と続ける。
この葦はナイル川に生えている。
年に一度必ず氾濫するナイル川、しかし葦はそこから動くことができない。
氾濫するのを知っているにも関わらず、逃げることができない。
それは人間にも言えることだと思うんだ。
ああ、なるほど。と思った。
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