反対の反対を考える
おはようございます。
末次由紀先生の漫画「ちはやふる」を読んでいると、競技かるたにおいて試合に勝つためにとれる4つの戦略について分析する場面が出てきます。
4つの戦略とはすなわち、
1. 自分が取る
2. 相手が取る
3. 自分がミスをする
4. 相手がミスをする
末次由紀「ちはやふる」25巻 148ページより
です。
ここは、これまで自分が取る/相手が取る(別の言い方をすると自分が取る/自分が取られる)という2項だけでかるたを捉えていた登場人物が、格上である名人を目の当たりにしたことで上記の4項でかるたを捉え直し、名人のスタイルに惹かれていくという読んでいてとても興奮する場面です。考え方の枠が広がったことで、今までとは違う景色が見え始めているのだろうな。
もちろんそれまでだってミスについて考えることはあったはずです。しかし、そのときは「自分が取れなかった/相手が取れなかった」というそのとき持っている2項を否定するという形で考えていたのではないかと思います。一方で新しく現れた第3、第4の選択は他と同じ視点から見た行動として現れています。この違いが、案外大きいのだと感じます。
私はどちらかというと勝負事やゲームは苦手な方です。どうも勝ちについて熱心になれないことが多い。でもそこから一歩引いてみると、勝つためではなく負けないためにできることを考えることができるかもしれないなと思います。勝つのと、負けないのとではものに向かう姿勢が変わってくる。1つ小さなものに分解して分けて考えることが助けになるような気がします。
競技かるたから思いついたので勝ち負けで話をしましたが、あることがらの反対の、そのまた反対(または否定)、を考えるのは姿勢を作り直すための存外よい知恵なのではないかと思っています。
それでは、よい1日を。