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【異常事態】元教員からみる教育に投資できない国・日本

今日、ふとGoogleアプリを開いてみるとオススメ記事に出てきたのはとあるニュース。

輪島市立小9校を3校に再編案、人口流出加速の恐れ…地震で損傷の全校を修繕する余裕なく

読売新聞オンライン

石川県では、能登半島地震によって損傷した輪島市立の小学校を全校直せず、再編成して集中的に直そうという案があるらしい。

きっとただならぬ理由があると思い、全文を読んでみることにした結果、ポイントは下記の3点となる。

  1. 少子化と地震による人口流出で児童数 減↓

  1. 規模の大きい市中心部への1箇所集中

  2. 修繕する財政的余裕がない

「1」の少子化は全国的な話である。少子化が原因での統廃合は稀な話ではないだろう。地震による人口流出も残念な話ではあるが、致し方のないのかもしれない。

「2」の規模の大きい市中心部への1箇所集中も地方ではそういった傾向も強いことだろう。便利なところへ流れていってしまうのは必然といえる。
ただしこのような状況になる以前に、行政は手を打たなければならないだろう。

-未来を作る公的機関の危機

ここから私が感じる問題点について話していこうと思う。

「3」は私が最も声を大にして伝えたいことである。
統廃合する理由に「修繕費がないから」ということがあってもいいのだろうか。

日本の識字率は世界トップクラスであるのは、学校がどの地域でも平等に与えられるからである。そんな公的機関が不可抗力である自然災害で失われていいのだろうか。

-元教員このことについて何を思う

結論から言えばこのような事態は有り得る話だということだ。

学校の予算というのは常にカツカツである。
たしかちょうど今ぐらいの時期に、来年度に導入したい備品を各教科担当主任がリストに書き、学校事務に提出している頃ではなかっただろうか。

学校ごとに割り当てられる予算は限られており、高額備品はどんなに必要であっても申請が通らなければ既存の備品で対応しなければならない。

そんな現実を知っている教員であれば、修繕費が工面できないのも当然であることは容易にそうぞうできるだろう。

-再編成・修繕案は妥当か

私は全く妥当だとは思わない。

引用元のニュースに輪島市内の小学校分布図が掲載されている。西部地区、中央地区、東部地区で現存する9校を3校に統合する案が挙がっている。

内訳
西部地区(2校→1校)
中央地区(6校→1校)
東部地区(1校→存続)

上記のように再編成予定であるということだ。
地図を見てもらえば分かるが、中央地区に関してはもう少し何とかならんのかと思ってしまう。

この再編成案には正直デメリットしか感じられない。懸念される事項をあげてみることにしよう。

・通学困難な児童が出る可能性がある
・児童数に見合った教室数が用意できるのか
・児童の引き継ぎをする教員の負担

パッと思い浮かぶだけでも3つあった。きっと他の視点を持てばより多くの懸念事項が出てくることだろう。

-子どもは国の宝だ

これからの未来を作っていく子どもたちにとって学校は必要不可欠だ。
通学が困難になることで教育が担保されない地域が存在するなんてことがあってはならないだろあ。
学校が教育の場として、子どもたちの居場所の選択肢として、これからもあり続けるには、修繕に惜しみなく費用を注ぎ込むことが大切なのではないだろうか。

参考

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