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自社売却を目指すオーナーへ

M&Aというと後継者のいない中小企業のオーナーが事業承継として企業譲渡をする。というイメージが浸透してきたが、それと合わせて最近では成長戦略の1つとしてM&Aを活用される事例も増えてきた。ただどちらも会社規模や売上規模がある程度ないと譲渡案件として動かないのも事実である。

買手が見つからない

中小企業のM&Aは仲介業と呼ばれる企業と、フィナンシャルアドバイザー(FA)と呼ばれる会計士や税理士、コンサルなどが担当する場合があるかと思います。中小企業の案件でも手数料が見込めない案件はほとんどの仲介業者は相手にしないのが現状です。この規模に満たない譲渡案件が多くを占めており、国が目指す年間6万件の事業承継数に届かない大きな理由である。これら小規模案件の受け皿はプラットフォーマーと呼ばれるマッチングサイトが担っている(詳細は前記事「群雄割拠のM&Aプラットフォーマー」参照)が、実際の譲渡オーナーがそのサービスを使えていない。このように小規模の譲渡案件がポツポツ出てきても、買手が見つからず休廃業せざる得ない結果となる。

売れるサイズにまとめてみよう

では仲介業者が扱える規模までサイズをアップしてはどうだろう?
飲食店や美容室を例にあげてみると、各地域どこにでも店舗が存在している。各社1社だければ売上や利益も少ないが、3~5社くらいが一つにまとまれば年間純利益で1億円前後まで引き上げることができる。これを1つの会社にまとめることができればスケールメリットも出て利益率も上がるし、地域のブランド価値も上がる。企業のサイズが大きくなることで、晴れて譲渡企業としての価値が出てくる。売上規模も純利益もある程度になるため、M&A仲介業が扱える案件になり各オーナーが初めに目指した企業売却が可能となる。地方の零細企業はまず地元での再編を経ることで全国区の企業から買収オファーがいただけるだろう。

誰が旗振り役になるのか?

商店街で同じ業種の店が業務提携や合併をする際に誰が旗振り役になるのか。
企業のサイズを大きするには数社のオーナーの中から誰か一人を代表にして会社をまとめる必要がある。ここが1番のネックになる部分であるが、衰退の一途をたどっているお店同士がいがみあって牽制しててもなんの生産性もない。若くて将来のビジョンを持たれている方が中心となって再編をされることをお勧めする。再編後にEXITとして、他社へM&Aをしてもらう際にオーナーの資質も企業価値判断に加味されるため適任な方を選んで欲しい。企業の所有権は変わっても、それまであったお店やサービス/商品はおそらく大きく変わることがないと思うので、地元の方もそんなに拒否反応を起こさずに受け入れてほしい。そのお店がなくなる方が死活問題だからだ。

最後に

今回の記事では、小さい企業をどうしたら一般的なM&Aができるサイズに持っていくかの内容を書かせていただいた。街を歩いていたり、飲みに行ったりする際にもう少し経営的に改善できるのではないか。とか、規模が小さいから商売として成り立っていないと思うことも多々あったため今回ここにまとめてみた。一つでも良いお店や企業が無くならないためにも上手にM&Aを活用してほしい。

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