WBC 栗山監督は 森も守ってる!?
侍ジャパン WBC優勝おめでとうございます!
WBCの興奮と感動が、まだまだ醒めませんが、侍ジャパンを優勝に導いた栗山監督は、日本の森も守っている!?というお話です。
感動のWBC
準々決勝 イタリア戦
意表をついた大谷のセーフティバントと、岡本の流れを決めた3ランホームランとダメ押しの2点タイムリー、止めの吉田のホームラン!
準決勝 メキシコ戦
7回まで0−3の重苦しい雰囲気を吹き飛ばした吉田の同点ホームラン!
9回裏 4−5の局面で、
ヘルメットを飛ばして激走した大谷のツーベースヒット!
そして、それまで3三振と不調にあえぐ村上の起死回生のサヨナラ打!!
決勝 アメリカ戦
先制された直後の2回裏、覚醒した村上様の同点ホームラン!
そして、岡本の勝ち越しホームラン!!
1点差の9回表ツーアウト、手に汗を握るトラウトとの勝負を三振で締めた大谷の雄叫び!!!
どのシーンもリアルに思い出すことができます。
野球のバットは何の木でできている?
ところで、数々の感動シーンを生み出したバットって、何の木でできているか知ってますか?
バーチ
大谷選手が使い始めたことで一躍注目のイエローバーチ。
カバノキ科シラカンバ属の広葉樹で、いわゆる「樺(カバ)の木」です。
現在、日米で主流のメープルに比べ、しなりと柔らかさに優れていて、
打った瞬間、球とバットが接触する時間が長くなり、打球をコントロールしやすいそうです。
吉田選手も使っているそうで、
メキシコ戦での内角低目をうまくバットコントロールしてライトポール際に放り込んだ同点3ランは、バーチ材のバットだったからかもしれません。
メープル
カエデ科の落葉広葉樹で、カナダとアメリカで産出されます。樹液はあのメープルシロップですね。
とにかく硬く、反発力があり、バリー・ボンズ選手がメイプルバットでホームランを量産したことで注目され、日米で今一番使われているバットです。
ホワイトアッシュ
モクセイ科トネリコ属の広葉樹で、北米全域に植生し、アメリカトネリコとも呼ばれます。
しならず反発力があり、強く速い打球を打つのに適しているそうです。
気候が乾燥した地域でその威力を発揮しやすいこともあり、多くのメジャーリーガーが使用しています。
イチローや松井もMLB移籍した時点で、アオダモからホワイトアッシュに変えたそうです。
アオダモ
モクセイ科トネリコ属の落葉広葉樹で、別名コバノトネリコ。
北海道から九州までの山地に広く分布し、湿気の多い日本に適した素材で、野球選手なら一度は使ってみたいと憧れる、日本が世界に誇るアオダモバットが作られています。
材質が柔らかく、粘りもあり、振ったときにしなりが出るので、アベレージバッターが好んで使い、NPB時代のイチローも使っていました。
アオダモバットに使える木は「樹齢70年以上」
バット用には、北海道の太平洋側で、雪が少なく寒さの厳しい寒冷地で育ったアオダモが一番だそうです。
でも、アオダモの木は成長が非常に遅く、
バット材として利用できるのは「樹齢70年以上」の木材ですが、
これまで計画的な植林や管理がされていなかったため、
近年数が激減し、入手困難になっています。
100年後のアオダモバットのために栗山監督も植樹
そんな貴重なアオダモが近年激減していく一方で、未来の野球の為にアオダモの林をつくろうという団体があります。
「アオダモ資源育成の会」
「アオダモ資源育成の会」は、2000年から毎年、北海道の各地でアオダモの植林活動を続けています。
そして、栗山監督は、2002年に名前が同じという縁で野球場を作った北海道栗山町の栗の樹ファームで行われる植樹に、
2015年から2019年まで毎年欠かさず植樹活動に参加しています。
(2020〜22年はコロナで中止)
植樹したアオダモがバットになるのはまだまだ遠いですが、
イチローや松坂や田中将大の活躍を見てプロ野球選手を目指した子どもたちが、今回のWBCで活躍したように、
何十年後かのWBCで、栗山監督が植えたアオダモのバットでホームランを打つシーンが見られかもしれません。
おまけ…「かっとばし!! プロジェクト」
「アオダモ資源育成の会」のHPを見ていたら、木製折損バットをアップサイクルする「かっとばし!! プロジェクト」という取り組みがあることを知りました。
毎年、プロアマ合わせて10万本もの木製バットが折れ、焼却されていますが、全プロ野球球団、社会人野球、学生野球の関係団体と、日本通運株式会社の協賛で福井県の木材加工の株式会社兵左衛門へ一括収集し、お箸などに加工、売上の一部を植樹などに利用するそうです。
こういう取り組みも素敵ですね。
最後までお付き合いいただきありがとうございます。