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「Inverted Angel」感想~What BINDS us?~

noteに登録するだけしてずっと放置していたyellowzです。(書きかけの話はありますが)これが初投稿。
本日は今話題のADVゲーム「inverted Angel」の感想をば。



推理もの?それともホラー?「Inverted Angel」はどんなゲームだろう?

所謂「自然言語処理」(LLMの方が手に取る形としてはなじみ深いのかも)を用いて、突然押しかけてきた彼女が「誰」かを探るADVゲームです。
地雷系彼女とイチャイチャできるわけではないので注意。


…押しなべた書き方をしないなら、彼女と自分を「関係づける」ことがゲームの本質部分です。
 そもそも人間って何をもって定義されるものなんでしょう?という話は、人工知能やアンドロイドを作る研究者の議論の的として、長く論ぜられていますが、このゲームにおいては「関係」が1つの答えとして置かれている。そんな気がします。
「人」を定義するものは「関係」であり、「関係」は「状況」から象られ、「状況」は意志の発露たる「言葉のひとかけら」によって紡がれていく──
彼女にどうあってほしいかが人次第であるからこそ、
「人のプレイを見るのが面白いゲーム」というのはとっても現代的なゲームですね。そこはかとなく「7 Days to End with You」に触れた時の感覚を思い出しました。


(ネタバレ注意)シナリオの所感ピックアップ

ざっくり到達順、かつ印象に残ったものをPU。
一番好きなのはNOISEREDUCTION。





1.Chocolate Hideout

ありふれた発想からもっともたどり着きやすいこと、最後の問いの答え、の2点から正道を感じました。すでに構築済みの「関係」があり、自分が(あるいはプレイヤーが)知らないだけというのは、ゲーム的で個人的にはとっつきやすい運びでした。
(自分=コンピュータ説を疑ってウイルスを調べたのは内緒)
このルートの裏にある答えもそれはそれで美しくて結構好き。

…実はこの因果律の終着点、現時点では真相にたどり着いていない扱いです。作者様のツイートを見るに意図があるようですが、果たして…?

2.NAIL&VAIL

直訳するとヤリ逃げダイナミック。大方察しがついたのですぐ扉を開けました。これがなかったら次に気づくのも遅かったかもしれません。

3.Fool on the Sugar Board

ないわけないよね、肉体関係√。と思って試していたら見つけたやつ。ここの分岐もすぐ取れたので人の屑の才能があるかもしれない
最終問題が動機は推定できても答えが全く分からず、滅茶苦茶焦ったのもいい思い出、何を隠そう俺は推理小説を読まない人間です。
祈りながら打った「自分が殺す代わりに」が通ったのは驚きましたが。さすが自然言語処理。

4.Rusty Caramel Cage

単なる知らない人どころか悪人じゃないかなという入口で入ったら…凄いですね。ここでこのゲームの「状況」が生み出す「関係」の面白さに気づいたような気がします。
ここらへんでinvalid angelも取った気がするのですが…流し過ぎて記憶から抜け落ちています。

5.Cheesecake Hallucination

ここらへんからチラとでも攻略を見たやつ。
いきなり入れた人はまめに調べ物をする人なんだと思います。誰ですの!おなかが減って煮込みバウムクーヘンを調べたおばかさんは…
おまけに最後の回答も気づかないと難しい。NGワードに一番引っかかったルートでした。こういう「関係」もありだよね。という意味で結構好き。

6.NOISEREDUCTION

本当は最初に踏むはずだった、なのに忘れていて調べるまで気づかなかった「状況」。初見で踏んでたらひっくり返ってたかもしれません。故に一番強く印象づいていて、好きな√(なのか?)

7.Scarlet Icecream

個人的に一番想像から遠かったルートでした。サスペンス慣れしている人向けかも。
 まずルート確定の選択肢に気づけず、次に1個目の問いに真逆の回答をして突破をするありさま。「~ではない」という否定形を「~である」との一致率が高いと見ているのかもしれませんがびっくりしました。
 とてもじゃないけど愛という言葉に換言しがたい「関係」。ですが、関係から自分がプレイヤーと全く乖離した存在として組みあがっていくのはこのゲームならでは。

8.Inverted Angel

多くは語りませんが、たくさんのチューリングテストをこなして、恋人を求めては多くの「関係」を見出して、最後に得る「関係」がこれなのがとっても好き。他ルートを見ないと見られないという条件だけ心にしまって、自分の目でたどり着いてほしいですね。
はたして、今後エンディングが増えたときに見る朝焼けは、どんな景色なのでしょう。


因果律の終着点に到達しました

色々書き連ねましたが、今時だから作れるような、そして値段に対して遊びごたえも豊富で、雰囲気も素敵な良いゲームでした。

今たどり着けない因果律も順次増えるとのことで楽しみにしています。
入口はいくつか見つけてるけど…個人的にはそれ以上にChocolate Hideoutの真相が気になります。



今後もなにがしかの所感は一縷の言葉として残していきたいですね。気が向いたときにまた。


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