見出し画像

占う想うと笑う

木々が葉の色が衣替えする頃、乙女達が寒そうに笑顔で並ぶ風景の先は美味しいスイーツか、推しのイベントか占いが多い様に思う。寒さは同じなのに自己発電出来る乙女力に共感のハイタッチをしたくなる。
占いは裏側にある心を解放出来るから人気なのかもしれない。
  占いか...最近行って無いな_

友人と並んで占って貰う時はせっかくだからの気持ち半分と、裏側にある本音半分のせめぎ合い。
同じブースに入っているのに、
  「聞かないでね。」      「うん、わかった。」
謎の約束をして、友の悩みを自分の事に重ねて聴きながら、悩んだ時の教本を増やして行くのかも知れない。
期待を込めるだけの悩みには、手当て用に軽めの質問を用意している逞しい乙女達は、独自の占われ方のマニュアルを持っている。

同じ存在感を探せない立ち位置の占い師から微粒子の光を放つ言の葉を渡され、受け取れた人が色をつけて行く様にも見える。
素敵な人が待って居ると言われ、友と大騒ぎしてはしゃいだ日々から時が流れてもまた占い師の前に座る日がある。
 「はい、こんにちは。
       何を見ればよろしいですか?」
真っ直ぐな問いに欲が溢れて上手く表現出来ずに
、欲の結末はお任せコースに収まる。

 「若い頃には、友達と占いを楽しみました。
 毎回、言われていた言葉がありまして...
 貴方は晩年に良くなると言われました。
       今、その晩年なんですがね。」
 「えっ?」
眼鏡を取って大笑いする占い師さんと大笑い。
弾ける会話でその日はキラキラの1日になるのだから占い師さんは魔法使いの様だ。
今日も誰かが座る椅子で、立ち上がる時は笑顔になるのだろうな...。




いいなと思ったら応援しよう!