揺らぎ頃はコロコロ頃
健康を念じて勢いよく混ぜた納豆が少し溢れ、小さな黄金大豆に慌てふためく。
忙しい朝に勝利して気を取り直し靴を履く。
行かないでと泣きべそをかいて追いかけてくれる子供も成長し、くっついて離れ無いのはセーターに付いたヘヤーカーラーだけでも、何時もの様に戸締り点呼をして元気に家を出る。
お歳頃は落とし頃。
コロンゴロンと転げて穴を避ける技の見つけ頃。
コンコロコンと滑って落ちた時に、手を差し出して貰える可愛らしさを保つ事が必須の頃。
お歳頃になり気が付いたら、コロンゴロンと転がるには丸く無ければ転がらない。
青色だった四角が角を削られて六角になり、三角に形を変え、その形をまた合わせて四角になり...。あれやこれやの奮闘期が球体を作るイメージを持っている。
自分はまだ球体に近いラグビーボールかも知れない。
扱い慣れてないボールの個性はどちらに飛んで行くか判らない。ラグビーボールを真ん中にはしゃいだ若い日を思い出す。
足の裏は体のツボの海。いつの間にかタコが住んでいた。足の裏を自分で見た日はいつの日か?
手探り確認で痛いタコを発見。
手の平は体のツボの草原。年齢と共に変化した細い手相と名が付く道に、いつの間にか豆岩が指の根元に並んでいた。
お歳頃は良い頃。
コロンゴロンを楽しみながら
コロコロ コロンと笑う頃。