日日是好日
- Prologue -
月が沈む。朝日が昇る。
光に包まれていく街が始まりを告げる。
♪~
朝を知らせる優しい音。
「ありふれた日々と、ありふれない君と。」
3分25秒、その音は止めずに。
君の優しい声に包まれて、今日が始まった。
気だるい体を起こしたら、スマホとスピーカーを繋げて音楽を流す。好きな曲を詰め込んだお気に入りのプレイリスト。選ばれたのは君のオリジナル曲と、君が作詞作曲をしたすとぷりの楽曲がほとんど。特に意識せず直感的に選んだはずなのに、君が作る曲ばかりなのが不思議で、でもとても筋が通っているようにも思えて面白い。
私はいつだって、君の音に惹かれている。
これは 君と生きる私の「今日」と、
共に紡ぎ続けたい「これから」の話。
- Monologue -
身支度をして、お弁当を作って、朝ごはんを食べて、ゴミ出しをして、学校へ向かう。憂鬱な気持ちと朝特有の倦怠感を背負って、電車に揺られながら車窓を眺め、呆けてみる。
わざわざ早起きして今日と戦う準備をしているなんて馬鹿らしいと思ってしまうが、ルールの上に成り立つルーティーン化された生活なので仕方がない。どうにかこの時間をやり過ごそうと、君の声に溺れる。
これがありふれた、私のごく普通の一日。
電車を降りて重い足取りで向かう学校。
授業が始まる前、音楽の再生を止める瞬間が私は一番嫌いだ。朝起きてからここまでずっと私を鼓舞してくれていた君の声を手放すのは、すごくすごく名残惜しいから。
嫌いな瞬間で名残惜しいものだけど、そう思えるのは私が君の音に救われている証明であり、今日も私が君を想っている証拠だ。
「おはよう。一緒に頑張ろうね。」
お互い交わす何気ない一言。
今日何が起こるのかなんて誰にも分かりはしないけど、嬉しいことや辛いこと、そして誰にだってある失敗や成功。何があろうとも、やってやろうと思えてしまう。
君の何気ない一言が、私の太陽なんだ。
そうやって、今日も君と進んでいく。
- Epilogue -
身体を包む疲労感。
心に溢れる達成感。
君の声を聴きながら眺める夜空を照らす月、
そして瞬き煌めく星々は、儚く優しく美しく、
広いこの空で繋がっていることを教えてくれる。
目まぐるしく繰り返し更新されていく日々に
不安になったり、立ち止まる瞬間もあるだろう。
忘れたい「過去」がある。
描きたい「明日」がある。
でもそれ以上に、
一生懸命生きて大切にするべき「今日」がある。
そんな尊い今この瞬間を、私は君と紡ぎたい。
希わくは、明日を君と生きていたい。
変わりゆく季節の中で、
唯一つ変わらない幸せをありがとう。
るぅとくんの10周年目も、きっと傍に居るよ。
2024.04.19 1120characters 〰️✍🏻💐