実録! 炎上プロジェクト2 ~社長がパワハラクソ野郎で炎上~
前回、有料記事としてお届けした「実録! 炎上プロジェクト ~一つの会社の終わりまで~」が好評だったので、エンジニアとして私が携わったプロジェクトのうち、見事に炎上爆発し散っていった案件についての経験を語る。
今回お届けするのは、社長がパワハラクソ野郎過ぎて大炎上した案件だ。
プロローグ~悪夢の花見接待
「いやあ、それにしてもみんな美人だね~! 御社は社員を顔で採用してるよね!」
缶ビールを片手に恥ずかし気もなくそう言ったのは、秋葉原に居を構えるIT系ベンチャー企業の社長であった。40がらみで、LMFAOのレッドフーに似ていた。いわば、チャラい、色黒、眼鏡のアフロである。
都内の公園である。桜の木の下に敷かれたシートの上で、私は他の女性社員二人と「ハハハ……」と乾いた笑いを返す。それ以外どう反応すれば良いのだろうか?
ある晴れた日に、私たち三人の女性社員は(自社の)社長から呼び出され、レッドフーが主催するこのクソ花見に参加するよう命じられたのである。自由参加とは言われたが、入社したばかりだった私にとってはほぼ強制だった。
同伴した営業は、「女性がいるとレッドフーさんも喜ぶと思うからさ!」などとセクハラ発言をかましていた。まあ、女性がいると気分が良くなるタイプの男性が結構いることは事実だ。
私は承諾しながらも、この時点で「ホステスじゃねーよ」とすでに内心気分を損ねている。
そこに来て、言うに事欠いて顔採用だと? 顔以外取柄が無いって言いたいのか? 他の二人は知らないが、私に関していえば実力採用だと認識している。事実二人より給与も高い。
私は根っからのエンジニアとしてプライドを持って生きていたので、私の頑固な職人魂が目の前のレッドフーに対する憎しみを募らせる。
さらに、レッドフーは手癖も悪く、他の女性社員のスマホを勝手に奪い、無理やり自分の電話番号をねじ込んでいた。
合コンじゃねーぞ。
怒髪天を突き、絶対にレッドフーとは二度と関わらないと固く決心した。
悪しき運命の糸、つながる
常駐先の会社で業務に勤しんでいた私は、一本の電話を受けた。
『どう、元気?』
ファンキーなノリで話し始めたのは自社の社長である。嫌な予感に背筋を寒くしながら、彼の話を聞いた。
『あのさあ、レッドフー君から受注した開発案件に入って欲しいんだけど、どう?』
嫌です!!!!!
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