ファンタジー小説が好き
もっぱら海外ファンタジー文学が好きである。
特にトールキンの指輪物語に代表される、緻密に世界観が練られたハイファンタジーが大好きだ。紙の上にありありと広がった彼方の世界で、あたかも匂いや質感まで想起する圧倒的なリアリティが読者を異世界への小旅行にいざなう。
一方、世界観の考証が曖昧なナーロッパ(なろう系小説でよく舞台になるなんちゃって中世ヨーロッパ)系のファンタジー作品はあまり好みではない。
破綻していても構わないから、最低限の文化、通貨や食料、社会や政治、暦のことまで考証して欲しいと思う。人間は社会や文化に根差すものなので、文化が違えば全く異なる精神構造を持つ可能性が高い。そうした未知の人々と触れ合うのもファンタジー小説のだいご味なのだ。
そんな私が最近読んで面白かったのは、毒見師イレーナシリーズと、
最近アニメ化もされた火狩りの王だ。
どちらもシリーズ作品だが、一巻が一番面白いので、もし興味があれば一巻だけでも手に取ってみて欲しい。
なろう系の小説であれば、本好きの下剋上が好きだ。世界観がしっかりしていて、キャラクターも良く、ストーリーにも目が離せない魅力がある。
とここまで書いて、指輪物語以外は全部女性主人公のファンタジー小説になってしまった。
以前レビューを書いたドラゴンの塔やアディ・ラルーの誰も知らない物語も女性主人公だし、基本的に強くてカッコいい女性が好きなのでどうしても愛好するのはこの手の小説になってしまうのである。
少し味わいの違うところでは、タニス・リーのファンタジー小説も結構好きだ。恐ろしくも美しい超常の者たちが織り成す物語は、非常に耽美でどっぷりと世界観に浸る魅力がある。
逆に日本の人気作家、東野圭吾とか村上春樹などは読んでいない。正確に言うと村上春樹の1Q84ぐらいは読んだことがあるのだが、つかみどころのない文章が苦手で二度と読むまいと思い、東野圭吾に至っては手に取るたびに背表紙のあらすじを見て読む気を無くし、本棚に戻す日々だ。
どうもリアルな現実社会が舞台だと、気持ちが萎えて読もうという気になれないみたいなのである。私の場合、本に求めるのが現実逃避なので、ある程度の虚構が含まれないと興味が持てない。現実のままならなさ、くだらなさは身に染みて分かっているので、フィクションの世界でもそれを味わう必要はないだろうと敬遠してしまうのである。
一方、海外の小説はファンタジーでなくともある程度想像の余地があって、私にとっては読みやすい。そういった理由でも海外文学が好きだ。
つらつらと書いてみたが、やはりファンタジー小説が好きだ。夢中になれるファンタジー小説を常に求めている。海外のファンタジー小説は訳が無かったり、絶版になっているものも多いのが悲しいところだが、今後ともハマった作品があればレビューを書いたりしていきたいと思う。
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