・U23アジアカップ 出場各国の二重国籍選手、国外組など

・U23アジアカップ 出場各国の二重国籍選手、国外組など


年始のアジアカップにおける各国の二重国籍選手を研究したら、なかなか反響を貰った&結構楽しかった()ので、U23アジアカップの参加各国も調べてみた!


・グラフ

今回は、各国の登録メンバーにおける国外組/二重国籍選手/A代表経験者数、更に各選手の所属クラブでの出場率(出場試合数/大会開幕前までの全試合数)を算出してみた!

*データソースは、TransferMarkt、懂球帝
*春夏制の国(というか日中韓)は、昨23年シーズンの成績。
*ただし一部海外の下部リーグ、ヨルダン、クウェート、イラク、タジク、ベトナム国内リーグはデータなし。日本でいえばドイツ下部の佐藤恵允、大学生の内野航太郎、大学生だった関根大輝は出場データなしなので省く。

なお日本は二重国籍無いが、ハーフの選手をカウント(即ち小久保怜央ブライアン、野澤大志ブランドン、藤田譲瑠チマ、佐藤恵允)。


・国外組数

日韓は招集できなかった選手が多いため実質はもっと多いだろう。(イガンインや久保建英もこの年代なのか・・)
オーストラリア、オランダ逆輸入ラッシュのインドネシア、タジキスタンなどが多い

・二重国籍

国情もありオーストラリア、カタールが多いのは順当。アジアカップのA代表同様にイラクの北欧系が多い。北欧系といえばイラン、シリアだが、U23は予選敗退しているのか・・

・A代表経験者

多い国=若手が育ってるorA代表が意識的に若手積極登用しているか
今大会優勝候補筆頭と見られるウズベキスタン、タジキスタンは前者か
サウジアラビアはA代表監督マンチーニがW杯予選で若手を積極的に選出、UAEも同様に国内リーグであまり出ていない若手がアジアカップやW杯予選に出ている。
最多のインドネシア、ベトナムは両方かな。U23の半分がA代表とかトルシエジャパンみたい、末恐ろしい。有望な国々といえよう

・出場率

急いで手集計&先発/途中出場が同じ1でカウントするため完璧ではないが、オーストラリアはほとんどの選手が国内リーグでスタメン級。日韓ウズも基本的にクラブで主力か準主力級を揃えてる印象。
サウジ、カタール、UAEなど国内リーグが外国人天国なので若手の出場率が伸び悩んでいる印象(数字はそこそこだが、途中出場の比率が高い)
最下位の中国、23年はほぼ毎月合宿&実質強制なので、選手は殆どクラブにいない状況。


グループA

・カタール

W杯、アジアカップに続く国際大会開催。
、、なんでいつも開催国なんだ、アジアカップ2連覇って1回目も隣国UAEだし、毎回毎回ホームならそりゃ結果出るわ」というのはさておき、、安定した成績を残している。今大会にはアジアカップ優勝メンバーも2名。
国外組3人はいずれもスペイン下部のCD Calahorra B。まあカタール資本かなんか入ってるんでしょう。
二重国籍は6人とそこまで多くない。Ali Nader Mahmoud、Mustafa Mashaal、Fares Saidがいずれもエジプト。Abdulla Al-Ali(カンボジア)Nabil Erfan(バングラデシュ)と珍しい国も。出稼ぎ労働者の子供とかかな?
またLotfi Madjer、名前を聞いてピンときた人もいるだろうが、アルジェリア代表のレジェンド、ラバ・マジェールの息子。父が92年カタールで引退後ずっとカタールで生活、息子はカタール生まれカタール育ち。

・オーストラリア

殆どの選手がAリーグで主力級、バイエルン内定の怪物FWイランクンダは招集外も、国外組も多く強そう、、と思ったら。0得点でグループリーグ敗退。どうした、、??
例によって二重国籍が多いが、A代表と異なるのは、英国圏がいない。アフリカやその他欧州の選手、スリランカやマルタ、ニュージーランドといった珍しい国が多い。
Callum Talbot(マルタ)Jake Girdwood-Reich(ドイツ)Jacob Italiano、Mark Natta(イタリア)Lucas Mauragis(リトアニア)Keegan Jelacic(NZ)Adrian Segecic、Nicolas Milanovic(クロアチア)Alou Kuol、Garang Kuol(南スーダン)Mohamed Toure(ギニア)Nishan Velupillay(スリランカ)


・ヨルダン

アジアカップ準優勝で脚光を浴びた。Mohannad Abu Tahaはその時のメンバー。
国内リーグの情報ないが、それほど外国人も多くないし出番は確保できてると推測。
Mohammad Abualnadi (パレスチナ)Tony Awad(カナダ)、隣国パレスチナは兎も角、カナダは珍しい。どういう経緯なんだろう


・インドネシア

出ました、今アジアで最も旬な国?
旧宗主国オランダからの逆輸入&純国産の若手を積極登用したA代表はアジアカップ決勝T進出&W杯3次予選も通過濃厚。勢いそのままU23アジアカップでもオーストラリア、ヨルダンを食ってGL通過!
A代表は平均年齢が20代前半、U23も過半数の14人がA代表経験者。
Nathan Tjoe-A-on、Justin Hubner、Jenner、Struick、いずれもオランダとの二重国籍。
セレッソ大阪所属のHubnerは、4/17に日本でルヴァンカップ出場→翌日カタールでオーストラリア戦に出場。若いっていいな。
純国産でもArhan(昨年ヴェルディ、今年韓国の水原所属)Ferdinan(ベルギーのDenize所属)など多くの若手が育っており、未来明るい。
帰化はやはり血縁関係あり&若い間に限る。即効性が違う。


グループB

・日本

多くの欧州組が招集できなかったのは残念だし、グループリーグもあんまりだったけど、それでもなんだかんだ五輪出場権を獲得するんだろう。
欠場した欧州組、ざっと久保建英、鈴木唯人、鈴木彩艶、三戸舜介、福田師王、福井太智、佐野航大、、羨ましい限り。
また大学生(筑波大の内野航太郎)が選出されているのは、16か国中唯一のはず。日本の高校、大学サッカーのレベルは世界的にもかなーり高い。

・韓国

多くの欧州組が招集できなかったのは日本同様。招集できたのはチョンサンビン(アメリカ・ミネソタ)とキムミヌ(ドイツ・デュッセルドルフ)のみ。
比較的2部所属選手が多い(5人) Jリーグ所属がいないのも意外。
KリーグでU21政策実施している影響もあり、MFから後ろは昨年20~30試合出場してる選手が揃う。FWは出番が少ない印象。
A代表同様、純血主義。日本や中国でも社会的に混血が増えているのでもっと出てきてもおかしくないのだが、あまり多くないのか、お国柄なのか?

・中国

別途記事に書いた通り、リーグ無視して合宿しまくりのため選手はクラブで出番得られず、出場率は参加国中最下位。ボランチのレギュラー2人、賈非凡と段徳智は昨年リーグ合わせて出番が40分。先発DFの梁少文、阮奇龍は昨年からクラブで出場ゼロ。
前評判の割に日韓相手に善戦、UAEに勝利でき、案外健闘した。
・・けどそれで滅茶苦茶な合宿や、控えGKのFW起用などが肯定されるのが恐ろしい
二重国籍はいないが、昨年U-20アジアカップでも活躍したウイグル族3名が主力級で活躍。もっと下のU-18代表にはアフリカハーフの選手がおり今後日本同様増えていくだろう。
国外組、正GKの負傷離脱で追加招集された李昊。アトレティコマドリードからスペイン下部へレンタル中。試合経験積んで成長を期待。杜月徵、18歳ながら中超で40試合以上出場(FWなのに0ゴールだが)前所属クラブ解散後フリーだったが、先般ポルトガル下部リーグと契約。金より成長を選んだのか、いい移籍見つからず暫定なのか?


・UAE

A代表経験者8人だが、殆どの選手はクラブで出番得られていない。
エース格のSultan AdilはA代表のスタメン確保しアジアカップで2得点だが、所属のKalbaでは出場14試合(先発5試合)0得点。
Hazem Mohammadはシリアとの2重国籍、彼はアルアインで1試合しか出ていないがA代表でW杯予選出場。意識的に若手を登用しているようだ。
現在国内リーグでは外国人選手だけでなく、帰化前提とした他大陸出身の10代後半~20代前半の選手が激増。次回大会あたりは他大陸出身選手が増えそうだが、同時にそれでいいのか?とも思ったり


グループC

・サウジアラビア

前回王者、UAE同様にマンチーニ率いるA代表が若手を積極登用している影響で過半数がアジアカップやW杯予選に出場している。ただスター溢れる国内リーグで出番限られるない選手が多いよう。
例によって国外組はいないが、Rayane Hamidou(マラウィ)Ahmed Al-Ghamdi(カナダ)が二重国籍。また奇抜な国々、ファミリーヒストリーを聞いてみたい。出稼ぎ労働者系か、戦乱を逃れたか、またはインテリ留学生とかの家系なのか。

・イラク

A代表同様に欧州からの逆輸入が増えている。Josef Al-Imam、Amin Al-Hamawi(スウェーデン)Kumel Al-Rekabe(スイス)Roman Doulashi(ドイツ)Ali Al-Mosawe(デンマーク)Blnd Hassan(オランダ)
Josef Al-Imamなどはスウェーデンの3部でプレイ、どうやって見つけているのだろう。
ただこのチームのエースは、純国産のAli Jasim。ACLで4得点、A代表でもスタメン。
戦乱のイメージ強いが、国内リーグもすっかり復興しており移民系以外は殆ど国内リーグでプレイする。この国も未来は明るそう。

・タジキスタン

地味ながらも、U16アジアカップ準優勝している世代。先のアジアカップでもベスト8に入ったメンバーも多くA代表経験者9人。黄金世代か。
旧ソ連ということもあり、二重国籍3人はいずれもロシア。国外組もロシア、ジョージア、ウズベキスタンとCIS諸国が多い。

・タイ

GL敗退も緒戦でイラクを破ったのは今大会屈指の波乱か。この試合でアシスト決めた Erawan Garnierが注目。フランス・リヨンの下部組織に在籍する18歳で母がタイ人。今後に期待。またPhon-Ek Jensenはデンマークとの二重国籍。
エース格のTeerasak Poeiphimaiは21歳ながら今季国内リーグで12得点。アジアカップにも出場しており、今後が期待される選手。

グループD

・ウズベキスタン

前回準優勝、今大会優勝候補筆頭と思う。昨年U-20世代はアジア制覇&世界ベスト16。日韓が欧州組の主力招集を断念した中で、欧州CLにも出場したKhusanov(フランス・ランス)、ロシアの強豪でスタメンのFayzulaev(ロシア・CSKAモスクワ)、Erkinov(UAE・アルワハダ)、Rakhmonaliev(ロシア・ルビンカザン)、Yuldoshev(カザフ・カイラト)と重量級の招集に成功したのは大きい。てかずるい
半分がA代表経験者、また五輪代表が同国1部リーグに参加(OlympicFK)している関係もあり、ほぼ全員が早くからクラブで主力級なのも大きいか。
近年の年代別代表は、アジアでは日韓並かそれ以上の成績を残しており、W杯初出場へ道は明るそう。

・ベトナム

近年の若手路線が継続、平均年齢は参加国中最年少。10人がA代表経験者。国外組や二重国籍はいないが、自前の育成がうまく行っているとも見える。
トルシエが率いたA代表はアジアカップ惨敗&W杯予選敗退濃厚で苦しい状況だが、全体的に若いし未来はまだまだ明るい。ただもう一歩抜け出すにはイラクなどのように欧州系選手のフィジカルが必要になるかもしれない。

・クウェート

78年W杯出場し、80~90年代はアジアトップクラスだったが、近年は協会の内紛でW杯予選締め出されたり低迷し、アジアカップにすら出場できないことが多かった。00年代以降の弱体化は中国より上かも。
国外組は不在、Mahdi Dashtiがイラン出身。国内リーグ含め情報少ないが、古豪復活を期待したい。

・マレーシア

こちらもA代表同様二重国籍が増えている。
Nooa Laineはフィンランド出身、昨年はフィンランド1部リーグ23試合1得点。今年はマレーシアのセランゴールに加入。
あと二重国籍はFergus Tierney(スコットランド)Daryl Sham(フィリピン)だが、共にマレーシア最強ジョホールDTの2軍所属。
全体的にクラブであまり出番を得られていないようだ。
注目選手はJ3・横浜SCC所属のLukman Hakim。昨年ベルギー、アイスランドでもプレイしており、面白いキャリア。

スコットランド🏴󠁧󠁢󠁳󠁣󠁴󠁿系のTierney


平均すると各国、2.7人国外組がいて、二重国籍は2.9人。どの国も2,3人国外組や二重国籍が当たり前にいる。アジアサッカーもグローバルな時代になった。

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