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『英語の発音と綴り』ご恵贈御礼
著者の大名力さんから頂きました。
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目次は紀伊國屋のページから。
第1部 発音編(音を作る仕組み;日本語の発音、音の分類;“同じ”音、“違う”音;英語の音節)
第2部 綴り字編(英語の文字の由来と各文字の読み方の基本;弱音節の母音字の発音、黙字のe、重子音字の働き;複数の読み方を持つ文字、黙字とその歴史的由来;英語の綴りの体系を理解するためのポイント)
終章 英語の文字・綴りの表音性と表形態素性
文字どおり前半は主に音節までのレベルに焦点を当てた音声学と音韻論の解説である。新書でここまで詳しく音韻、音声を説明したものもあまりないと思う。音声学の説明としてはもちろん、後半の話を理解するとき適宜参照するのにも使える。
余談だが、黒木さんの「イッヌ」の話はこの本にも載ってるのだけど、記事では紹介し忘れてた。
詳しい話は本を読んでいただくとして、黒木さんとは違う側面の解説なので興味ある方は一読を勧める。
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後半は副題にあるような綴りと発音の対応について解説されている。私は音声学・音韻論の研究をしているが、実は英語の発音はかなり苦手で綴りと発音の対応でちょくちょく大きな間違いをしていた。
自分の子供が必要そうなときに下の本で自分も勉強したけど、非常に断片的な知識のままでいた。
なにぶん今の仕事についてからphonicsがあることを知ったくらいなので、ここでの解説は知識を整理する上でとても役立った。
解説は音声、形態はもちろん歴史のことなども含めかなり詳しい。その上で最終章でも全体の内容を再整理するなど、理解のための工夫が凝らされている.
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makeやvoteなどのいわゆるマジックeが持つ表形態素的な働きなどは私は考えたことがなく、とても勉強になった。
ところで上に書いた「やらかし」の一つに"acoustic"を「アコースティック」と発音するというのがある。ouはhouseの[aʊ]やcountryの[ʌ]があるがacousticのカタカナ発音がアコースティックなのをずっと英語でも使ってしまっていた(発音記号では[uː])。本書を読んでまだこれがなぜなのかは分かってないけど、そういう自分の発音のくせを考えながら読むのもいいだろう。