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フロンティアなのはなにか?〜大学の看板を前に考えた
毎週月曜は非常勤で北大に行っているのですが,授業をしている教室の近くに「フロンティア応用科学研究棟」なる建物があります。
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北大に行って3年目になるのにこれまで気にしたことがなかったのですが,先週見て「あれ?」となりました。
2つのフロンティア
この「フロンティア」が何なのか。私は「フロンティア」なのは「応用科学」だと思ってました。つまり,いろんな応用科学があって,その中で「フロンティアなもの」を研究するわけです。でも英語を見るとFrontier Research in Applied Sciences Buildingとなっていて,「フロンティア」なのは「応用科学」ではありません。
この関係は樹形図にすると分かりやすいです(と言いながら書いたらけっこう分かりづらい)。
まず,私が最初に考えた「フロンティアな応用科学」の研究という場合は次々に単語が付いていくイメージです。
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次に英語の場合,応用科学の「フロンティアな研究」と考えるなら,Frontier Researchと(in) Applied Scienceがそれぞれくつついて上でまとまるイメージです。
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2つにはこういう係り受けの違いがあります。
もっとも英語の方の意図をなるべく日本語に反映させ,次のように考えることもできます。
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この意味だと英語の方の係り受けも同じようにできます。
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これが正解なのか分かりませんが,建物のページを見ると,ノーベル賞受賞がきっかけになったようです。
この功績を継承し後進を育成するため、2014年3月に我が国の先端的応用化学を応用物理・環境工学と融合させた物質科学の、更なる発展を目指した研究・教育拠点「フロンティア応用科学研究棟」が、本学工学系団地に整備されました
それを考えると一応正しいのかもしれません。
「棟」にも謎が
このように英語と矛盾のないようにするためには「フロンティア応用科学研究棟」というのはおそらく「フロンティア応用科学」+「研究棟」というよりも,「フロンティア応用科学研究」+「棟」と考えることになります。
でも,「研究棟」としたい欲もあります。こう考えるのは「文学部長」が「文学部」+「学部長」の2つの「学部」をまとめているのと同じ発想です。
看板ひとつで言語学者はここまで考えるという例でした。