デュオリンゴがとことん「無料」にこだわるワケ
Duolingoの特徴
Duolingoは世界で5億人のユーザーが使う語学アプリです。ゲームの特性・ゲーミフィケーションを生かした設計が大きな特徴ですが、もうひとつ、とてもユニークで明確な特徴があります。最初から最後まで無料で楽しめる学習コンテンツを提供していることです。
フリートライアルが終わったら有料版に切り替わるとか、ある程度いったら課金しないと進めないとか、有料版と無料版とで学習コンテンツに差があるとか、そういった類のことは一切ありません。最初から最後まで無料ですし、学習コンテンツに差はありません。
マネタイズ方法
どうやってマネタイズしているかというと、一つは広告です。アプリに広告を表示して、そこから収益を得ています。もうひとつは、PLUSと呼ばれる有料サブスクリプションの提供です。PLUSでは、広告を非表示にできたり、ハート(ライフのようなもの)が無限で使えたりします。つまり学習体験をスムーズにしてくれる機能が有料版で提供されるイメージです。Duolingoはコンテンツではマネタイズせず、機能でマネタイズするよう努めています。そして意外と、広告よりPLUSからの収益の方が多いのです。
Duolingo創業の背景
私たちは、経済力に左右されずに、より良い教育機会を得ることができる世界の構築を目指しています。
経済的不平等は、人類が直面している最大の問題の一つであり、教育こそが世界中の人々の生活を向上させるための一番の方法だと、創業者CEOのルイスは常々言っています。
ルイスはグアテマラの出身です。グアテマラは貧しい国です。お金持ちの家に生まれたら優れた学校に通うことができるのに、貧しい家に生まれたら読み書きもろくに学べないような状況を目の当たりにしたルイスは、教育の不公平性に問題意識を抱えていました。
こういった貧しい国において「語学」は、貧困から抜け出すための方法の意味合いを持ちます。日本のそれとは比べ物にならないくらい「サバイバル」の側面が強いのです。しかし言語を学ぶには通常、お金がかかります。それも、高価なお金が。貧しい人々にはそのお金がありません。なので貧困から抜け出せない。そんな矛盾をルイスはずっとみてきました。
調査から行き着いた結論は「外国語の習得は仕事を得るために最も効果的な方法のひとつ」です。外国語を学んでいる人は世界で12億人もいます。そのうち8億人は「より良い仕事に就いて、貧困から抜けだすために英語を学んでいる」人たちでした。それなのに外国語の学習方法は、多くのお金がかかってしまうものばかり。
その背景から彼は「完全無料で外国語を学べる方法はないか?」と仮説を立て、誰もが無料で簡単に外国語が学べるDuolingoを立ち上げたのです。
2020年現在とこれから
現在、グアテマラでは、一部の公立の学校にDuolingoが導入されています。
収入の少ない家庭の子どもたちも、Duolingoを使うことで英語学習の機会を得ることができています。
DuolingoはCEFR(言語レベルの評価基準)の主にA1〜A2(初級者)を主にカバーしています。世界中の誰もが簡単に無料で外国語を学べるためには、入り口の門戸を広くしておく必要があるからです。日本ではすでに学校で英語を学習している方が多いので、少し物足りないと感じる部分もあるかもしれません。それでも、手のひらで新たな言語を学ぶ体験というのはとても面白いものです。
我々の次の目標は、CEFR「B2」のレベルをカバーすることです。「B2」とは「その言語で仕事に就くことができる」とされているレベルです。プロジェクトの原点である「外国語習得は仕事を得るために最も効果的な方法のひとつ」を真剣に追い求めています。
ユーザーがDuolingoで学んだ言語を使って仕事を得ることが可能になり、できることなら給料の高い仕事に就ける世界をつくる。そんなビジョンに向けて、プロダクトをアップデートし続けています。もちろん、学習コンテンツは無料のままで。
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