叱られたから嬉しくなった
会社に入った頃、
とにかく電話対応が嫌いだった。
社会人として慣れてなかったのも
理由としてはあるけどそれ以上に、
僕みたいな若造にする話しか?
と思うことを話してきたり、
脇道に逸れてばかりで
本題になかなかいけなかったり、
そういうのが面倒だと思ってた。
確か2年目の時だったと思う。
僕がいつも通りスタッフと電話をした後に
疲れからため息をついていると、
先輩が近寄ってきて「大丈夫か」と
声をかけてくれた。
この先輩は以前の記事にも出てきた
ウーロンハイ先輩である。
声をかけてくれたことが嬉しくて
僕はついつい愚痴ってしまった。
よく分からない難しい用語使ってくるし、
素人にそんなこと言われてもわかんないっすよ。
僕がそう言うと、
一瞬にして表情が変わった先輩が言った。
素人?
お前今自分のこと自分で素人って言ったか?
そんなん言ったらあかんよ。
僕が発した "素人" には
正直そんなに深い意味はなかったんだけど
先輩は僕を叱ってくれた。
自分の格をさげるな
自分をプロだと思え
そしてその責任を感じろ
そう教えてくれた気がした。
認められた気がしてなんだか嬉しくなった。
今では僕も電話対応に慣れ、
なぜ僕にこんな話をするのか
→ そりゃあ窓口が僕なんだからするよな
なぜ脇道に逸れるのか
→ そこで拾えるものもいっぱいある
と思えるようになった。
たまに後輩がなんの悪気もなく
"素人" という言葉を使う時、
僕は自分が叱られた時のことを思い出して
少し可笑しくなる。
教わったことは後輩にも教えていきたい。
僕たちは素人じゃない。
プロなんだ。誇りを持とう。
僕が何者になるか、あなたに見届けてほしいです。