JRock 3/3
2011年に公開された、LAのEB famメンバー、JRockのインタビューです。
前回からの続きになりますので、前回分を読みたい方は下記からどうぞ。
JRockインタビュー 1/3
▽該当動画(9:11~)
▽このノートで主に学べること
1.ジャッジする時に見ている3つの大切なこと
2.その3つの関係性
※内容を損なわないよう、喋っていることをなるべくそのまま書き起こしているため、分かりにくい表現があることもございます。ご容赦ください。
ーーーーーーー〈インタビュー〉ーーーーーーー
≪ジャッジする時に見ている3つの大切なこと≫
バトルをジャッジすることに関してはとてもシンプルで、
3つのことだけを見ている。
1つ目は音楽性。
オンビートで音楽と繋がりが見えなければ、もうダメ。
予選通過もできないと思う。
僕はビートと繋がっていることを求めてる。
せめてクラップみたいに。
ビート間が繋がっていて、音楽を感じて踊れていれば完璧、大好きだよ。
2つ目は、スタイルへの理解度の深さを見たい。
もしタットだけ、ロボットだけをするなら、そのスタイルをしっかり理解していることを見たい。
「コンテストはブガルーしないと勝てないよ」
っていう人もいるけど、それは違う。
オンビートで、何かのスタイルをしっかりと見せることが大事なんだ。
ただ、気を付けてほしいのは、
もしウェーブをするなら、ほかにもウェーブする人は五万といるってことだ。
君が始める前から、ウェーブに夢中になった奴はたくさんいるさ。
だから、まあまあなウェーブをして、
隣の人がかっこいいブガルーをしたなら、
君は負ける。
もしハイレベルなウェーブをして、
隣のひとがまあまあなブガルーなら、
君の勝ちだ。
つまり、君がStyleを理解してるってことを示さないといけない。
その理解度が深いほど良いんだ。
例えば、ラウンド毎にビートに合わせて
スタイルを変えていったら、
凄く興味が沸くよ。もっともっと見たくなる。
「わあ、クレイジーだ、音楽と繋がっているし、スタイルもレベルが高い」
「音楽に合わせてスタイルを変えることもしている!」
っていう感じでね。
最後(3つ目)に見たいのは、パフォーマンスだ。
オーディエンスと敵に向かって、
パフォーマンスするようなダンサーが見たい。賢くね。
敵のダンスを見て、アンサーをかえすような。
その時には、エネルギーと、その場で創り出すようなものが欲しい。
今までしていたようなスタイルの通りじゃなく、
「え、何今の?!」ってなってしまうようなね。
≪3つの大切なことの関係性≫
ただ、僕にとってこの3つは順番じゃなくちゃいけない。
パフォーマンスが最初に来てはいけない。
僕は「何か新しいもの見せてよ」っていうようなジャッジとは違うんだ。
これは自己中心的なジャッジの仕方だ。
ダンスが一番先に来るべきで、ジャッジは王様ってわけじゃない。
ダンスバトルでジャッジすることは、例えれば飾りくらいのもので、土台に来るようなことじゃない。
大切なことは、音楽に対して素晴らしく踊ることだ。
今は2012年、音楽に対して(君自身が)最高じゃないといけない。
ただこうする(軽くヒットを打つ)だけじゃだめだ。
こんなことは子供だってできる子がたくさんいるでしょ。
(大事なことは)クレイジーな音楽性、スタイル、パフォーマンス。
そして、クレイジーな個性。
もしオンビートで踊っておらず、基礎を知らず、
ダンスを勉強していなかったら、
どうやって個性を創るの?
どうやって自分らしく踊れるの?
少し厳しく聞こえるかもしれないけど、
ジャッジをするときはダンスに対して責任を負ってほしい。
君に教えてくれた人に対しても、
君が踊り始める前に踊っていた人たちにも。
そして、君がこれから教えるであろう若いダンサーにも。
もし(ジャッジするときに)ただ座って目新しいムーブを見ようとしているのでは、何も教えることにはならない。
そんなのは「なんでも思い通りに動いてみなよ!」って言っているのと同じだ。
このジャンルはそういう実験的なダンススタイルなんかじゃなくて、
Poppingであり、その中にあるスタイルが全てなんだ。
≪JRockがジャッジをするとき≫
僕はジャッジするときは公平に見ているよ。
すべてのスタイルが好きだし、ジャッジするときはすべてのスタイルを見たい。
そして音楽に対してダンスを楽しんでいる人を見ていたい。
僕は常にベストなダンスをした人を選ぶだけだ。
ダンスをしっかり理解していれば、そのベストな人が勝つだろう。
実際は(バトルに勝つには)別にベストな”パフォーマー”じゃなくてもいいんだ。
パフォーマンスっていうのは飾りのようなもの。
もしほかの参加者が音楽性とスタイルを持ち合わせていなかったら、
パフォーマンスや個性無しでもバトルは勝てるよ。
でも、自分も相手も同程度の音楽性とスタイルがある場合、
一方がオーディエンスにパフォーマンスをしたらどっちが勝つと思う?
もちろんパフォーマンスをした方だ。
だから、3つの大切なこと(音楽性、スタイルの理解、パフォーマンス)は順番に獲得するべきなんだ。
それがPopの練習方法だよ。
もし初心者ならば、最初は音楽に合わせて首を振るだけ。
これができなきゃPopはできないよ。
(首を音に合わせて振る)
どんなにこれができない人がいるか知ってる?
みんなこういうと笑うけど、6年間、週二回毎回教えているよ。
振付を教えれば皆できるのに、リズムに合わせて首を振れって言うとできないんだ。
なぜなら、2つ目(スタイルの理解)や
3つ目(パフォーマンス)に先走ってるからだ。
ーーーーーーーー〈おわり〉ーーーーーーーー
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