
大河ドラマ「べらぼう」にみる広告と集客
こんにちは。又森芳美です。
2025年の大河ドラマ「べらぼう〜蔦重栄華乃夢噺〜」を皆さんご覧になっていますか?
江戸時代の広告プロデューサー、蔦重こと、蔦屋重三郎の物語です。
下火になった𠮷原を、本の力で再興させ、たくさんの文化人を世に広めていく物語ときき、興味がわいたのと、出演しているキャストが好きな俳優さんばかりだったので、毎週楽しみに観ています。
蔦屋重三郎とTSUTAYA(ツタヤ)の関係はある?
蔦屋といえば、あのTSUTAYAを思い出しますが、血縁関係はないそうです。
創業者の増田宗昭会長は、祖父が使っていた屋号が「蔦屋」だったそうで、「蔦屋書店」というクラシカルでメジャーな響きで決めたそうです。
増田会長が、蔦谷重三郎のことを知ったのは、開業してから知人に聞いたことがきっかけで、その功績を知り、自身が目指すビジョンと重なったといいます。
増田会長にとっての、わかりやすいロールモデルとなっており、企業理念をまとめた冊子にも、蔦谷重三郎が版元として使っていた印を企業のシンボルとして載せるほど、影響を与えた存在であることであることは間違いないようです。
増田会長のインタビュー記事はこちら
蔦重のメディア戦略から学ぶ
現在、7話までが放送されましたが、彼の手法は、現代のビジネスにも通じるヒントが満載です。
※以下ネタバレありです。
ターゲットを絞る
蔦屋重三郎は、吉原のガイドブック「吉原細見」を出版しました。
「吉原細見」は、単なる遊郭の紹介ではなく、吉原で遊ぶ男性客のニーズを徹底的に分析しています。
・吉原のすべての遊女の最新情報
・懐に入れたときに厚みを感じないよう、従来の半分の厚みにする。
彼らが本当に知りたい情報を盛り込み、携帯性を上げました。
これは、現代でいうペルソナを明確にした上で、その層に響く内容に特化していたと言えます。
私たち経営者も、闇雲に広告を打つのではなく、自社のサービスや商品を必要とする顧客層を明確にし、その層に合わせたメッセージを発信することが重要です。
他者の力を借りる
「吉原細見」は、単なるガイドブックではなく、吉原の文化や歴史、遊女たちの魅力を伝える読み物としての要素も持ち合わせていました。
・序文の執筆を江戸の有名人・平賀源内に依頼。
これは、現代で言う本の帯の推薦人や、インフルエンサーの影響力を使うことにあたるでしょう。
競合ひしめく現代において、自社の強みや独自性を明確にし、それを顧客に伝える術が必要です。
顧客体験を重視する
蔦屋重三郎は、顧客が吉原でどのような体験をしたいのかを徹底的に考え、「吉原細見」の内容やプロモーションに反映させました。
・遊郭の店の並びと同様の配置で記載
私たちも、顧客が何を求めているのか、どのような体験を提供すれば満足してもらえるのかを常に考え、サービスや商品に反映させることが重要です。
変化を恐れない
蔦屋重三郎は、常に新しい手法やアイデアを取り入れ、時代の変化に対応しました。
・今の倍売れる細見を作れば、地本問屋仲間に参入できる約束を取り付ける
・既得権益をもつ地元問屋の妨害にも抗う
ドラマの第七話は、地元問屋の妨害にひるむ女郎屋の主人たちを、やる気にさせる蔦谷重三郎の熱意と心意気が名場面です!!
蔦谷重三郎の、常に変化を恐れずに新しいことに挑戦する姿、𠮷原を再興させるという熱い想いに何より心打たれます。
私たちも、現状に満足せず、常に新しい情報や技術に目を向け、ビジョンを掲げて、変化を恐れずに挑戦していく姿勢が大切ですね。
まとめ
大河ドラマ「べらぼう」は、江戸時代の広告戦略を学ぶ上で、格好の教材になりそうです。
蔦屋重三郎の手法は、現代のビジネスにも通じる普遍的な要素を含んでいます。
彼の生き方や考え方を参考に、自社のビジネスに活かしていけると思うと、今後の展開がとても楽しみです。