令和4年度診療報酬改定~タスクシフト~
こんにちは!「#医療系事務職員応援隊」の長 幸美です。
3月も半ばを過ぎ、春のお彼岸を迎えて外はすっかり春の気配になりました。今年は全国でいち早く、福岡のソメイヨシノが開花宣言となったようですね。我が家の周辺ではムスカリが咲き始め、土筆も芽を出しています。
よい季節になりましたね!
さて、今回の改定では、これまで改定の「一丁目一番地」だった「働き方改革」について、少し影が薄いようにもみえますが、なんのなんの・・・しっかりと動きがあります。
医師の事務作業を支援する「医師事務作業補助者」
・・・医療秘書やメディカルアシスタントと呼ばれる職種ですが、今回の改定でも評価が上がっています。また、仕事する場所によって制約がありましたが、今回の改定では、医師事務作業補助者の医療機関での経験により、より質の高い「医師事務作業補助業務」により医師の負担軽減とともに質の高い医療を担保する目的ですね。
また、算定できる病棟の範囲が広がりました。この施設基準が作られた背景には、「急性期医療機関で働く医師」の支援が主たる目的でしたが、現在では、療養病棟や有床診療所、精神科病棟など、広く活躍の場が広がっています。私自身も、病院時代は医師事務作業補助業務を立上げ、当初反対していた先生方も退院時要約の作成支援から文書作成支援まで大変喜ばれていました。事務職員としても、医療現場の事務作業を行うことにより、忙しい先生方に貢献できることはうれしいことでした。ことに透析部門の事務職員は患者さんのデータ管理やマル長、自立支援医療等の膨大な書類作成など、これまでは先生が地震でデータ整理し、文書を作成されていましたが、支援することにより、患者さんにとっても文書作成の時間が短縮され、貢献できていたと思います。
さて、今回の改定で、自院での3年以上の勤務期間を求められたことは、大きな転換だったと思います。期間だけではなく、それだけ経験を積んだ事務職員による支援が、先生方にとって業務負担軽減のためにはとても有効であるということでしょう!
そして、この改定により、実はもう一つ大きなメリットがあります。
それは、テレワークも可能になったということです。これには、クラウド等の電カルサーバーに院外からアクセスすることになりますので、セキュリティ面でもかなり気を遣うもの、制約を受けるものですが、電カルやシステム、パソコンのソフト及びハードの管理等を含めて解決できれば、大きな業務改善・働き方改革になります。
私も、2年前コロナ禍により、テレワークを開始したころは、会社に出社し、紙ベースの資料等を確認して作業を進めることが必要だと思い込んでいました。会議は対面で・・・上司との打ち合わせも、どちらかが外勤や出張に出てしまうと、チャットでのやり取りでなかなかうまくいかないことも多かったのですが、今では、どこにいてもWebミーティングシステムを活用し、画面越しではありますが、毎日1on1ミーティングを行っている状態で、これまで以上にコミュニケーションが取れ、業務の範囲も広がってきました。「今度会ったときに話そう」という課題が、「今からいいですか?」と、お互いの少しの時間でも「顔を見ながら」相談できる環境になったのです!これは大きな変化でした!
このために新しい取り組みについても、相談やアドバイスを受けやすくなって、仕事もスムーズになってきました。お客様のデータについては、社内のサーバーに外部からアクセスしていますが、サーバーのセキュリティを万全にしてひと手間かける必要はありますが、問題なくアクセスすることはできます。このため、社外にいても、メールの確認もお客様のデータも確認することができます。
私は、高齢の両親と一緒に暮らし、家庭で介護しています。小規模多機能や近所に住む妹も手伝ってくれるので、お客様のところでの仕事も普通にできています。もしこれが、以前の病院勤務だった場合は、介護離職もやむを得なかったのではないかと思っています。
今回の医師事務作業補助業務の改定において、このような働く場所を縛らない、なおかつ勤務経験が長い方の勤務により、一層の医師事務サポートができるようになると、先生方の働き方もストレスも軽減され、医療機関事務職員の働き方にも変化することができ、大きな一歩を踏み出すことになるのではないか、と期待しています。
何度も言いますが、特定個人情報である電子カルテを外部からアクセスすることになりますから、セキュリティや個々の医師事務作業補助者の医業倫理、勤務時間や給与等の評価、など、クリアしなければならない課題はたくさんあるでしょう! しかしながら、実現することができると、医療機関にとっても、働く職員にとっても、患者さんにとっても、大きなメリットが期待できるのではないでしょうか?
未来は明るい!~これからに期待していきたいなと思います。